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謝罪2
「それで、謝罪は聞いたので戻っていいですか?」
「メイファス殿、もういいのか?」
リトラーズも謝罪をしたいということであったために、これで納得するならとそれでもいいかと思った。
「あの日のことを謝罪したく、傷付けて申し訳ありませんでした」
「先程聞きました」
「許していただけないことも理解しております。酔っていたなど何の言い訳にもなりませんが、傷付ける気はありませんでした」
「それはあなた側の意見でしょう?私の身になって考えることもできないの?」
「はい、怖かったと思います」
父・マクシューにも初めて殴られたが、母・フーランにも想像できなくともアリルールの立場になって考えるように言われた。
あの日をやり直すことができるのなら、何でもしたい気持ちであったが、時は戻らない。自分のしたことがなかたことにはならない。
だが、どうしてもあの体を自分の物にしたくてたまらなかった。
「診断書、書いてもらって、治療費を請求しないといけないわね」
「はい、すぐにいくらでも支払います」
「後でお父様に伝えておきます。それでもういいかしら?」
「あっ、あの……いえ」
「メイファス殿、何か言いたいのならば伝えないと何も分からない。この妹は今、君への怒りしかない。いくら謝罪をしても許せることではないとしか思っていない」
婚約したい、大事にするなどと言いたそうな顔をしながらも、アリルールの眉間にはずっと皺が寄っており、言い出せないようであった。
これまでは女性から願われる側で、願う立場になったことのない弊害だろう。
「一生を掛けて償いますので、どうか結婚していただけませんでしょうか」
メイファスは怖くてアリルールの顔は見れず、頭を下げて声を上げたが、返事は溜息であった。
「はあ……私が望むのはただ一つ、あなたの処刑を一等席で見届けるのみです。もう怖くて外も歩けません、夜会ももう恐ろしくて参れません。他の男性に嫁いでも閨が恐ろしくてできないかもしれない。全て、あなたのせいです」
「他の男性……」
他の男性という言葉にメイファスの本能が疼いた。
アリルールと結婚できるとはまだ思っていないが、自分ではない誰かと閨をするなどその相手を殺したいとしか思えなかった。
「そうでしょう?私もいずれどこかに出されることくらい分かっております。ですが、今回のことで怖く汚く醜い出来事となりました。しかも純潔ではないことで、元々価値が低かったのに下がったのです」
「他の男性など……」
メイファスにとって誰とも価値など比べようもない特別な存在であるために、他の男性という言葉しか頭に残っていなかった。
「加害者が意見するでない!」
「アリッ!」
「お兄様は両親を殺されて、たまたま殺したくなって殺したけど、意見は聞かないと言われても笑っていられますか?私にはできませんわ」
「屁理屈を言うな!」
リトラーズは人見知りでも、せめて大人しい性格なら良かったが気が強いことが悩みでもあった。
「王女殿下のおっしゃることは、分かっております」
「ならばなぜ生きておるのです?」
「……それは、殿下を愛しているからです」
あれから四六時中、アリルールのことばかりを考えていた。
「それは番だから愛しているのでしょう?本能というもので、その本能がなくなれば違うのではありませんか?」
「そんなことはありません。惹かれたのは運命だからですが、殿下を愛する気持ちは本物です」
「ならば儀式を受けなさい。そうすれば抑えられます」
「アリッ!儀式は強要するものではない」
リトラーズは注意しながら、アリルールは一度関係を持った番は儀式を受けても効果がないことを分かっていないのではないかと感じた。
一度、味わった甘美は儀式では抑えきれない。
「メイファス殿、もういいのか?」
リトラーズも謝罪をしたいということであったために、これで納得するならとそれでもいいかと思った。
「あの日のことを謝罪したく、傷付けて申し訳ありませんでした」
「先程聞きました」
「許していただけないことも理解しております。酔っていたなど何の言い訳にもなりませんが、傷付ける気はありませんでした」
「それはあなた側の意見でしょう?私の身になって考えることもできないの?」
「はい、怖かったと思います」
父・マクシューにも初めて殴られたが、母・フーランにも想像できなくともアリルールの立場になって考えるように言われた。
あの日をやり直すことができるのなら、何でもしたい気持ちであったが、時は戻らない。自分のしたことがなかたことにはならない。
だが、どうしてもあの体を自分の物にしたくてたまらなかった。
「診断書、書いてもらって、治療費を請求しないといけないわね」
「はい、すぐにいくらでも支払います」
「後でお父様に伝えておきます。それでもういいかしら?」
「あっ、あの……いえ」
「メイファス殿、何か言いたいのならば伝えないと何も分からない。この妹は今、君への怒りしかない。いくら謝罪をしても許せることではないとしか思っていない」
婚約したい、大事にするなどと言いたそうな顔をしながらも、アリルールの眉間にはずっと皺が寄っており、言い出せないようであった。
これまでは女性から願われる側で、願う立場になったことのない弊害だろう。
「一生を掛けて償いますので、どうか結婚していただけませんでしょうか」
メイファスは怖くてアリルールの顔は見れず、頭を下げて声を上げたが、返事は溜息であった。
「はあ……私が望むのはただ一つ、あなたの処刑を一等席で見届けるのみです。もう怖くて外も歩けません、夜会ももう恐ろしくて参れません。他の男性に嫁いでも閨が恐ろしくてできないかもしれない。全て、あなたのせいです」
「他の男性……」
他の男性という言葉にメイファスの本能が疼いた。
アリルールと結婚できるとはまだ思っていないが、自分ではない誰かと閨をするなどその相手を殺したいとしか思えなかった。
「そうでしょう?私もいずれどこかに出されることくらい分かっております。ですが、今回のことで怖く汚く醜い出来事となりました。しかも純潔ではないことで、元々価値が低かったのに下がったのです」
「他の男性など……」
メイファスにとって誰とも価値など比べようもない特別な存在であるために、他の男性という言葉しか頭に残っていなかった。
「加害者が意見するでない!」
「アリッ!」
「お兄様は両親を殺されて、たまたま殺したくなって殺したけど、意見は聞かないと言われても笑っていられますか?私にはできませんわ」
「屁理屈を言うな!」
リトラーズは人見知りでも、せめて大人しい性格なら良かったが気が強いことが悩みでもあった。
「王女殿下のおっしゃることは、分かっております」
「ならばなぜ生きておるのです?」
「……それは、殿下を愛しているからです」
あれから四六時中、アリルールのことばかりを考えていた。
「それは番だから愛しているのでしょう?本能というもので、その本能がなくなれば違うのではありませんか?」
「そんなことはありません。惹かれたのは運命だからですが、殿下を愛する気持ちは本物です」
「ならば儀式を受けなさい。そうすれば抑えられます」
「アリッ!儀式は強要するものではない」
リトラーズは注意しながら、アリルールは一度関係を持った番は儀式を受けても効果がないことを分かっていないのではないかと感じた。
一度、味わった甘美は儀式では抑えきれない。
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