【完結】メイド・マイ・デイ

野村にれ

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塩対応

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「勝手に英仁さんに話に行ったりしたら、本当に会わないから。お姉ちゃん、ごめん。また改めて来るね」
「うん、気を付けてね」
「お父さんもまた」
「ああ、気を付けて」

 涼希はそう言って帰って行き、美里は茫然とした。

 赤ちゃんは大騒ぎしているのに、すやすや眠っており、則人も花穂も、涼希が言いたいことを言ったために、美里に何も言うことはしなかった。

 その後、本当に涼希から美里への連絡はなくなり、通話は出なくなった。メッセージは送れば、時間は掛かるが返事は来るが、素っ気なくなった。

 子どものことを書くと、返事すらない。

 花穂の子どもには様子は聞くことくらいはするが、それよりもと涼希の話をするきっかけにされるようになっていった。

「涼希のためを思って言ったのよ、あの子はお姉ちゃんと違って、のんびりしているでしょう?だから、ママは良かれと思って言ったのよ」
「夫婦のことなんだから」

 花穂も美里の話を聞きたくはなかったが、他の人に迷惑を掛けるくらいならと、話くらいは聞くようにしていた。

「でも、子どもがいたら、涼希の立場だって違うのよ」
「そうかな?もしも、子どもができないとなっても、離婚にはならないでしょう?子孫は沢山いるんだから、英仁さんもいなくてもいいと聞いたわよ?」
「だからこそよ、離婚にはならないから、ちゃんと調べてもらえばいいのよ」
「お金を出すってこと?」

 花穂は働く気になったとは思えなかったが、そこまでするならば涼希も少しは受け入れてくれるかもしれないとは思った。

「ママは専業主婦だから……」
「働いてって言っていたじゃない」
「今さら、働けないわ……」
「だったら、無理じゃない。ママがお金があると言っても、英仁さんがお金を出して当然のような言い方をするからよ」

 お金をもらうような真似はしていなかったようだが、涼希をランチやディナーに誘って、お金を払ってもらうということはよくしていた。

 いいって言っているのに、夫婦で行けばいいのにと、自分が誘ったのに誘われたのだという言い方をして自慢していた。

 だが、涼希に距離を置かれて誘っても断られ、出掛けることもあまりない生活だったために、楽しみを失っていた。

「花穂、どうにかならない?パパは出してくれないだろうし」

 則人にも検査費用だけでもと話をしたが、涼希は望んでいないし、美里が働いて出すならと言ったのだから、私は出さない。美里には働こうという気はなかった。

「ママが働いて出さないと涼希は受け取らないでしょう」
「働いたって言えばいいじゃない」
「働いてもいないのに、お金を持って来ても、今の様子だけど受け取らないわよ」
「でも、早くしないと……おじいちゃんもおばあちゃんも、まだかまだかって」
「じゃあ、おじいちゃんとおばあちゃんに出してもらったら?でも、それでも受け取らないかな」

 花穂も面倒になって来たが、子どもが泣き出したので、そのまま通話を終えた。

 美里は祖父母が出すと言えば、涼希も受け入れるのではないかと閃き、両親に話をしに向かった。

「涼希を子どものことをしつこく言って、怒らせてしまって」
「えっ、でも子ども、まだできないんでしょう?」

 両親も涼希にも子どもはまだできないのかと聞き、美里がやって来ても、子どもはできたのかと聞くのが当然であった。

「そうなの、あの子はのんびりしているから、心配で言ったのだけど、しつこく言い過ぎたみたいで、だったらママが不妊治療をすることになったら、お金を払ってくれるのかって言われて……」
「お金はあるだろう」
「怒らせて、私に払えって言うの。それで、連絡もそっけなくなって、則人さんも花穂も払ってくれなくて」
「金はないぞ」

 父・力人は美里が自分たちに払えと言いたいのかと察して、先に答えた。
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