【完結】メイド・マイ・デイ

野村にれ

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 三人とも来てくれることになり、涼希は待つことになった。

 しばらくすると、慌てた様子で、まずは則人と美里がやって来た。涼希が声がして部屋を出ると、その頃には、英仁、光峯、風蓮はリビングに移動していた。

「お父さん」
「何かあったのか?」

 則人は電話でよく分からないと聞いていたが、困った様子の涼希の顔に、いい話ではないのかもしれないと緊張感が増した。

「どうしたの?皆様、集まられて」

 涼希は美里には声を掛けなかったが、英仁だけではなく、光峯と風蓮がいることに驚いていた。

 光峯はまた英仁に何か聞くと、首を振った。

 お手伝いさんがお茶を出し、光峯は花穂が来られれたら、話をしますとだけ言い、皆は広いリビングにそれぞれに座った。

 さすがに美里も妖様を問い詰めたりすることはできず、黙っていたが、異様な空気を感じていた。小さな声で、こそこそ訊ねた。

「涼希、何があったの?もしかして、子どものこと?」
「黙って」
「だって、何なのか分からないと怖いじゃない。いい話じゃないの?」

 美里は則人から分からないと聞いていたのにもかかわらず、妊娠もしくは、自分の話を聞いて代理母をお願いする話なのではないかと思いながら、やって来た。

「私も分からないの、だから静かにして」
「分からないって……」

 美里は不満たっぷりだったが、則人にも睨まれて黙るしかなった。

 花穂を待っていたが、涼希のスマートフォンが鳴り、表示を見ると花穂であった。

「お姉ちゃん?」
「ごめんね。子どもたちを預けるのに、道が混んでいて、時間が掛かってしまって、もう集まっている?」
「お父さんとお母さんは着いているよ」
「あと、30分くらい掛かるかもしれないの。大丈夫かな?」
「あの、天地さん、姉は30分は掛かるそうなんですけど」
「ああ、構わない。慌てず来るように言って欲しい」
「分かりました。大丈夫だって、慌てなくていいって」
「良かった、気を付けて行くわ」

 電話を終えると、涼希は30分もまたこの状態なのかと思った。だが、それは英仁、光峯、風蓮も同じ気持ちであった。

「先に話をしておくか……」
「ああ」
「そうですね」

 ようやく、何があったのか聞くことができるという思いと、怖さがあった。

「英仁は、涼希さんを運命の相手だと認識できなくなった」
「っ、え」
「っ」
「どういうことですか!」

 涼希は血の気が引き、則人は言葉に詰まり、美里は頭に血が上った。

「今朝、急に認識できなくなったそうだ」

 涼希はその言葉に、今朝の英仁の表情が繋がって、ゾッとした。運命の相手だと認識ができない……運命の相手ではない……そんな不安が頭を占めていた。

「でも、涼希は運命の相手だったはずです!なのに急に、おかしいわ」
「ええ、おかしいと英仁も困惑していた」
「どうして、そんなことに……」
「運命の相手を間違えるということはない。だが、こちらは間違えなくても、魂をすり替えるということがある」

 風蓮は妖の歴史に詳しい者で、どういうことなのかと呼び寄せたのである。

 可能性として、魂の入れ替えというものがあると告げた。

 だが、妖の成せる業ではないこと、当然だが人間にもできるようなことではない。

 それでも、随分前に起こったことがあり、その際は姉妹の魂が入れ替えられており、運命の相手は妹だったが、認識されたのは姉であった。

 なぜそのようなことが起こったのかは、結局分からないままで、姉は夫であったはずの妖に殺され、妹は姉が殺されたショックで、気が狂ってしまった。

 だが、事実として残っており、それではないかと考えられた。

 ただ、英仁がそうだとは断言できない状態だった。それでも、涼希を愛しいと思うことはできず、今となってはどうでもいい女性と同じような存在であった。
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