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請求2
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「お金を貸して欲しいの」
「何か請求されたのか?」
力人も涼希が騙していたのだから、請求をされたのではないかと問い掛けた。
「そうなの……」
「則人さんは?」
「私が使ったお金なの」
「使った?」
「天宮グループで使ったお金を請求されたの……」
「どういうこと?」
自分に掛けられたお金を請求されたのか、そうだとしたのなら力人と加奈代も関係のない話ではないために、食い入るように問い掛けた。
「払っていなかったのよ……」
「え?」
「だから、支払いをせずに使っていたの」
「運命の相手の母親だからと、使ったお金を払っていなかったってこと?」
「そう、よ……だって娘の夫の会社なのよ?」
「そんなことしていたの?」
力人と加奈代も涼希から贈り物は受け取っていたが、美里のようなことはしていなかった。
「でも、お父さんとお母さんだって、詠の時は似たようなことをしていたでしょう」
「それはなかったのですから」
「そうだ、涼希にはそんなことしていない」
詠の時は誠一がもらったお金をもらったり、古くなってきたからと、車を買ってもらったりもしていた。だが、涼希からはお金を引っ張るような真似も、車のような高額な買い物はしていなかった。
していなかったというよりは、出来なかったというのが正しい。
美月が亡くなったこともあり、誠一も当然のようにしていたために、大丈夫というお膳立てがあったからこそであった。
「それでもしていたことは似たようなものでしょう?なかったことになっただけで、請求されていたでしょう?困っているの、だから助けてよ」
「は?あなたが払いなさい。支払うべきお金じゃない」
加奈代は美里が勝手に使ったお金を、どうして払わないといけないのかという気持ちしかなかった。
「ずるいじゃない!」
「ずるい?」
「お父さんとお母さんは、なかったことになったけど、私は請求されているの」
美里としては両親はなかったことになったのに、自分だけが請求されないといけないのかという思いであった。
「だから、ちゃんと払わなかったからでしょう?」
「そうだ、食い逃げじゃないか」
「どうして則人さんと同じことを言うのよ!あの人、乞食だとまで言ったのよ」
「やっていることはそうだろう。涼希が騙していたのだから、運命の相手の親ではないとなれば、どうして負担しなくてはならないとなったのだろう?」
涼希が運命の相手だから、その母親と許されていたことだけで、真っ当に請求をまずされたのだろうとしか思えなかった。
「でも、詠が企んだことでしょう……私が涼希にやらせたわけでもないのだから、悪くないじゃない」
「支払いをしなかったことは悪いことだろう?」
「それは……じゃあ、お兄ちゃんに」
「誠一か?」
「そうよ、詠は運命の相手なのだから、私は叔母なのよ?そうよ、だからいいじゃない」
「だったらそう言えばいい。私たちに言っても仕方ない」
「分かったわよ」
お金をくれないと分かった美里は帰って行ったが、力人と加奈代も今度は詠に擦り寄ろうと思っていた。詠とは成長するにつれて距離はできていたたが、優しくすればいいだろうと思っていた。
だが、そんなやり取りもできないまま亡くなってしまったこと、残された呪いというあやふやなものの恐怖に苛まれていた。
美里は弁護士事務所に連絡をして、会う約束を取り付け、支払う義務はないと話したが、通用するはずはない。
「でしたら、裁判をしましょう。そのように記載したはずです」
「でも、私は詠の叔母でもあるんですよ」
「だから支払う必要がないというのですか?」
「親族なのですから」
「それは関係ございません。ご自身が正しいとお思いなのでしたら、裁判でそのように主張されてください。弁護士を雇った方がいいですよ」
そう言われて、弁護士事務所からも追い出されることになった。
「何か請求されたのか?」
力人も涼希が騙していたのだから、請求をされたのではないかと問い掛けた。
「そうなの……」
「則人さんは?」
「私が使ったお金なの」
「使った?」
「天宮グループで使ったお金を請求されたの……」
「どういうこと?」
自分に掛けられたお金を請求されたのか、そうだとしたのなら力人と加奈代も関係のない話ではないために、食い入るように問い掛けた。
「払っていなかったのよ……」
「え?」
「だから、支払いをせずに使っていたの」
「運命の相手の母親だからと、使ったお金を払っていなかったってこと?」
「そう、よ……だって娘の夫の会社なのよ?」
「そんなことしていたの?」
力人と加奈代も涼希から贈り物は受け取っていたが、美里のようなことはしていなかった。
「でも、お父さんとお母さんだって、詠の時は似たようなことをしていたでしょう」
「それはなかったのですから」
「そうだ、涼希にはそんなことしていない」
詠の時は誠一がもらったお金をもらったり、古くなってきたからと、車を買ってもらったりもしていた。だが、涼希からはお金を引っ張るような真似も、車のような高額な買い物はしていなかった。
していなかったというよりは、出来なかったというのが正しい。
美月が亡くなったこともあり、誠一も当然のようにしていたために、大丈夫というお膳立てがあったからこそであった。
「それでもしていたことは似たようなものでしょう?なかったことになっただけで、請求されていたでしょう?困っているの、だから助けてよ」
「は?あなたが払いなさい。支払うべきお金じゃない」
加奈代は美里が勝手に使ったお金を、どうして払わないといけないのかという気持ちしかなかった。
「ずるいじゃない!」
「ずるい?」
「お父さんとお母さんは、なかったことになったけど、私は請求されているの」
美里としては両親はなかったことになったのに、自分だけが請求されないといけないのかという思いであった。
「だから、ちゃんと払わなかったからでしょう?」
「そうだ、食い逃げじゃないか」
「どうして則人さんと同じことを言うのよ!あの人、乞食だとまで言ったのよ」
「やっていることはそうだろう。涼希が騙していたのだから、運命の相手の親ではないとなれば、どうして負担しなくてはならないとなったのだろう?」
涼希が運命の相手だから、その母親と許されていたことだけで、真っ当に請求をまずされたのだろうとしか思えなかった。
「でも、詠が企んだことでしょう……私が涼希にやらせたわけでもないのだから、悪くないじゃない」
「支払いをしなかったことは悪いことだろう?」
「それは……じゃあ、お兄ちゃんに」
「誠一か?」
「そうよ、詠は運命の相手なのだから、私は叔母なのよ?そうよ、だからいいじゃない」
「だったらそう言えばいい。私たちに言っても仕方ない」
「分かったわよ」
お金をくれないと分かった美里は帰って行ったが、力人と加奈代も今度は詠に擦り寄ろうと思っていた。詠とは成長するにつれて距離はできていたたが、優しくすればいいだろうと思っていた。
だが、そんなやり取りもできないまま亡くなってしまったこと、残された呪いというあやふやなものの恐怖に苛まれていた。
美里は弁護士事務所に連絡をして、会う約束を取り付け、支払う義務はないと話したが、通用するはずはない。
「でしたら、裁判をしましょう。そのように記載したはずです」
「でも、私は詠の叔母でもあるんですよ」
「だから支払う必要がないというのですか?」
「親族なのですから」
「それは関係ございません。ご自身が正しいとお思いなのでしたら、裁判でそのように主張されてください。弁護士を雇った方がいいですよ」
そう言われて、弁護士事務所からも追い出されることになった。
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