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招待状3
「モリーもそう思ったんじゃないか?」
「プレゼントにドレスをなんて言われたら、嫌でしょうしね」
「ああ!それ、当たっているんじゃないか?」
「ええっ!」
コーレイドは察しが悪いと自分でも自覚があったために、驚いて声を上げた。
「あり得るだろう?一度、異母妹にドレスを着てと話しているのだから」
「そうでしょうか?」
「お近づきになって、私もドレスをなんて言い出すつもりだったかもしれない」
「公爵令嬢にですか?」
自分で言ったことではあったが、コーレイドとしては伯爵令嬢が頼むはずがない。頼めるはずがないという思いであった。
「もしかしたら、ペイリー宛ということを知っているのかもしれない」
「同じ伯爵令嬢だからと言うのですか?」
「一応、言ってみるんじゃないか?」
「でも、公爵令嬢にお願いすることではないですよ!」
「それこそ、作ってもらえなかった、伯爵令嬢だからかしらなんて言えばいい」
「うわ……」
結局、二人は答えの出ない話をしていたが、結局はブレフォスがナイリーアからの招待状をまだ学園に復帰したばかりで、何かあっては迷惑が掛かるとお断りした。
クルージ伯爵家もブレフォスからとなれば、異議を唱えることはできず、むしろブレフォスからの返事が来たことに夫人は喜んでいたくらいであった。
そう、モリーとペイリーはクルージ伯爵夫人が、ブレフォスに好意を持っていたことを、すっかり忘れていたのである。
そのことにモリーは、学園で授業中に急に思い出した。
最終試験も終わっているために、教室は今後のために試験を受けたり、訓練に参加したり、空席も目立っていたが、立ち上がりそうになってしまったくらいだった。
ペイリーが迎えには来たが、馬車は危機感を持っているために、無事に邸に戻ってから、コーレイドを交えて話をすることにした。
「忘れていたことがあるの!クルージ伯爵夫人はお父様に好意を抱いていたのよ」
「ああ!忘れておりました」
ペイリーもロレインから聞いたはずなのに、すっかり忘れていた。
「まことですか?」
「そうなの、お母様が言っていたのだから事実でしょう。ロレインから聞いていたのよ。今日、授業中に思い出したのよ。頭から排除されていたわ」
「最終試験もありましたからね」
「当て逃げもありましたから」
「気持ち悪いと思って、消し去っていたのかもしれないわ」
両親の色恋事など、もうお腹いっぱいで、しかもロレインにも近付いていることも気味が悪かった。
「では、お近づきになりたいと思った可能性もありますね」
「そうよ、ロレインにも言われていたのに」
「私も忘れておりました」
「夫人がオブレオサジュール公爵様を……確かに公爵様は大変女性にモテていたとは聞いたことがあります」
コーレイドから見てもブレフォスは今でも端正な顔立ちをされていると思い、よく似たモリーもロレインも同様である。
「妹のレイラーナ・クルージがロレインをディナーやパーティーに誘って来るそうなのよ。お父様も一緒にと言われたこともあるそうよ」
「年に一度の誕生日で、モリー様は卒業を控えてらっしゃるから、思い切って誘った可能性ですね」
「なるほど、これは報告してもいいのでしょうか?」
「ええ、いいわよ。もしかしたら、知っている人もいるのではないかしら」
「そうですね」
親世代ならば、もしかしたら有名な話なのかもしれない。
レイラーナはロレインを狙っており、ナイリーアは王子殿下の婚約者を狙っている。そして、モリーにもお近づきになりたいと考えたのかもしれない。
「私はモリー様にドレスを作って欲しいと、強請るつもりなのではないかと考えておりました」
「まあ」
「それもあり得ますね」
ペイリーは不愉快という表情をしていたが、図々しいとまでは同じ伯爵令嬢として口にはしなかった。コーレイドは王宮に戻って、すぐさま騎士団長に報告をした。
「プレゼントにドレスをなんて言われたら、嫌でしょうしね」
「ああ!それ、当たっているんじゃないか?」
「ええっ!」
コーレイドは察しが悪いと自分でも自覚があったために、驚いて声を上げた。
「あり得るだろう?一度、異母妹にドレスを着てと話しているのだから」
「そうでしょうか?」
「お近づきになって、私もドレスをなんて言い出すつもりだったかもしれない」
「公爵令嬢にですか?」
自分で言ったことではあったが、コーレイドとしては伯爵令嬢が頼むはずがない。頼めるはずがないという思いであった。
「もしかしたら、ペイリー宛ということを知っているのかもしれない」
「同じ伯爵令嬢だからと言うのですか?」
「一応、言ってみるんじゃないか?」
「でも、公爵令嬢にお願いすることではないですよ!」
「それこそ、作ってもらえなかった、伯爵令嬢だからかしらなんて言えばいい」
「うわ……」
結局、二人は答えの出ない話をしていたが、結局はブレフォスがナイリーアからの招待状をまだ学園に復帰したばかりで、何かあっては迷惑が掛かるとお断りした。
クルージ伯爵家もブレフォスからとなれば、異議を唱えることはできず、むしろブレフォスからの返事が来たことに夫人は喜んでいたくらいであった。
そう、モリーとペイリーはクルージ伯爵夫人が、ブレフォスに好意を持っていたことを、すっかり忘れていたのである。
そのことにモリーは、学園で授業中に急に思い出した。
最終試験も終わっているために、教室は今後のために試験を受けたり、訓練に参加したり、空席も目立っていたが、立ち上がりそうになってしまったくらいだった。
ペイリーが迎えには来たが、馬車は危機感を持っているために、無事に邸に戻ってから、コーレイドを交えて話をすることにした。
「忘れていたことがあるの!クルージ伯爵夫人はお父様に好意を抱いていたのよ」
「ああ!忘れておりました」
ペイリーもロレインから聞いたはずなのに、すっかり忘れていた。
「まことですか?」
「そうなの、お母様が言っていたのだから事実でしょう。ロレインから聞いていたのよ。今日、授業中に思い出したのよ。頭から排除されていたわ」
「最終試験もありましたからね」
「当て逃げもありましたから」
「気持ち悪いと思って、消し去っていたのかもしれないわ」
両親の色恋事など、もうお腹いっぱいで、しかもロレインにも近付いていることも気味が悪かった。
「では、お近づきになりたいと思った可能性もありますね」
「そうよ、ロレインにも言われていたのに」
「私も忘れておりました」
「夫人がオブレオサジュール公爵様を……確かに公爵様は大変女性にモテていたとは聞いたことがあります」
コーレイドから見てもブレフォスは今でも端正な顔立ちをされていると思い、よく似たモリーもロレインも同様である。
「妹のレイラーナ・クルージがロレインをディナーやパーティーに誘って来るそうなのよ。お父様も一緒にと言われたこともあるそうよ」
「年に一度の誕生日で、モリー様は卒業を控えてらっしゃるから、思い切って誘った可能性ですね」
「なるほど、これは報告してもいいのでしょうか?」
「ええ、いいわよ。もしかしたら、知っている人もいるのではないかしら」
「そうですね」
親世代ならば、もしかしたら有名な話なのかもしれない。
レイラーナはロレインを狙っており、ナイリーアは王子殿下の婚約者を狙っている。そして、モリーにもお近づきになりたいと考えたのかもしれない。
「私はモリー様にドレスを作って欲しいと、強請るつもりなのではないかと考えておりました」
「まあ」
「それもあり得ますね」
ペイリーは不愉快という表情をしていたが、図々しいとまでは同じ伯爵令嬢として口にはしなかった。コーレイドは王宮に戻って、すぐさま騎士団長に報告をした。
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