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お誘い
「クルージ伯爵夫人はオブレオサジュール公爵様に好意を抱いていたそうです」
「ん?」
「有名なことかもしれませんが」
「いや、知らぬ」
騎士団長は周りを見たが、騎士たちも魔術師も首を振っていた。
それからロレインは、モリーから聞いた話をありのまま伝えた。
「そうか、だが有名ではないと思う。クルージ伯爵も知らないのではないか?」
「そうなのですか?」
確かにクルージ伯爵はどのような気持ちなのかは考えたこともなかった。
騎士団長はブレフォスよりも上の世代だが、騎士たちや魔術師の中には同世代の者もいたが、知らないという表情であった。
「クルージ伯爵家は、怪しい動きはない。もしかしたら、招待状はそういったつもりだったのかもしれないな。だが、引き続き監視は行う」
「はい、よろしくお願いいたします」
モリーはすっかりクルージ伯爵家のことは、警戒しなくてもいいのではないかと思い始め、ナイリーアの招待状の日付も無事に何事もなく過ぎていった。
ナイリーアはブレフォスから断られたが、それでも残念ですとでもモリーに話し掛けようとも思ったが、当然だが話し掛けるようなタイミングはないまま、招待状の日を迎えてしまった。
そんな中、依頼人は分からないまま、国王陛下の誕生祭が迫っていた頃、マレア・ゼアンラーク侯爵令嬢の遠縁であるミチリーア・カジルス伯爵令嬢が声を掛け来た。
以前、お茶会を断った相手で、王子殿下の候補者だったサリリーナの妹でもある。
「オブレオサジュール公爵令嬢」
「ごきげんよう、何かしら?」
お茶会を断ってから、接触はなかったために、久し振りの会話であった。
「学園が終わりましたら、少しお時間をいただけないでしょうか?」
「何か用事なら、今どうぞ」
「えっ、長くなりますので……学園が終わってから、話をさせていただけませんか」
「せめて用件くらいは教えていただかないと困りますわ。帰りが遅くなるのであれば、事情を連絡しなくてはならないのです、カジルス伯爵令嬢もそうでしょう?」
モリーは微笑むだけではなくなっており、お茶会ではないために、ミチリーアはすぐに了承されると思っていた。
「っあ、はい、あの」
またマレア関係かと思いながらも、ミチリーアは小動物のように怯えるような姿になっており、だがお人形のようなモリーは冷たい印象はあるが、嫌がらせをしているようには見えないところが救いである。
「言っていただかないと困りますわ、言えないようなことですの?そのようなお話ならば、お断りしますわ」
「っあの、マレア・ゼアンラーク侯爵令嬢がお話をしたいとおっしゃっております」
ミチリーアはマレアに絶対に誘うように言われているのか、ええい!言ってしまうしかないというような勢いであった。
「ええ、それで用件は何ですの?」
「え?」
「私は先程から用件を聞いております」
ミチリーアは決死の思いで告げており、これで了承してもらえると思ったが、確かにモリーは誰ではなく、用件を聞いているために焦った。
「ゼアンラーク侯爵令嬢とはお話をしたこともありませんし、何の用件か分からないのですけど?」
「私は内容までは知らなくて……」
本当は知っているが、ここで伝えたら断られると思い、知らない振りをするしかないと考えたア。
「そうですか、二人きりということではありませんのよね?」
「はい、私も同席いたします」
「どちらに行けばよろしいですか?」
「はいっ!イズカフェの個室を予約しております」
「分かりました、では公爵邸に連絡をしてから、そちらに向かいますわ。よろしいですか?」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
ミチリーアが頭を下げて去って行くと、モリーは視界に入っていたコーレイドに目配せをして、職員室に向かい、片隅を借りて事情を話した。
「ん?」
「有名なことかもしれませんが」
「いや、知らぬ」
騎士団長は周りを見たが、騎士たちも魔術師も首を振っていた。
それからロレインは、モリーから聞いた話をありのまま伝えた。
「そうか、だが有名ではないと思う。クルージ伯爵も知らないのではないか?」
「そうなのですか?」
確かにクルージ伯爵はどのような気持ちなのかは考えたこともなかった。
騎士団長はブレフォスよりも上の世代だが、騎士たちや魔術師の中には同世代の者もいたが、知らないという表情であった。
「クルージ伯爵家は、怪しい動きはない。もしかしたら、招待状はそういったつもりだったのかもしれないな。だが、引き続き監視は行う」
「はい、よろしくお願いいたします」
モリーはすっかりクルージ伯爵家のことは、警戒しなくてもいいのではないかと思い始め、ナイリーアの招待状の日付も無事に何事もなく過ぎていった。
ナイリーアはブレフォスから断られたが、それでも残念ですとでもモリーに話し掛けようとも思ったが、当然だが話し掛けるようなタイミングはないまま、招待状の日を迎えてしまった。
そんな中、依頼人は分からないまま、国王陛下の誕生祭が迫っていた頃、マレア・ゼアンラーク侯爵令嬢の遠縁であるミチリーア・カジルス伯爵令嬢が声を掛け来た。
以前、お茶会を断った相手で、王子殿下の候補者だったサリリーナの妹でもある。
「オブレオサジュール公爵令嬢」
「ごきげんよう、何かしら?」
お茶会を断ってから、接触はなかったために、久し振りの会話であった。
「学園が終わりましたら、少しお時間をいただけないでしょうか?」
「何か用事なら、今どうぞ」
「えっ、長くなりますので……学園が終わってから、話をさせていただけませんか」
「せめて用件くらいは教えていただかないと困りますわ。帰りが遅くなるのであれば、事情を連絡しなくてはならないのです、カジルス伯爵令嬢もそうでしょう?」
モリーは微笑むだけではなくなっており、お茶会ではないために、ミチリーアはすぐに了承されると思っていた。
「っあ、はい、あの」
またマレア関係かと思いながらも、ミチリーアは小動物のように怯えるような姿になっており、だがお人形のようなモリーは冷たい印象はあるが、嫌がらせをしているようには見えないところが救いである。
「言っていただかないと困りますわ、言えないようなことですの?そのようなお話ならば、お断りしますわ」
「っあの、マレア・ゼアンラーク侯爵令嬢がお話をしたいとおっしゃっております」
ミチリーアはマレアに絶対に誘うように言われているのか、ええい!言ってしまうしかないというような勢いであった。
「ええ、それで用件は何ですの?」
「え?」
「私は先程から用件を聞いております」
ミチリーアは決死の思いで告げており、これで了承してもらえると思ったが、確かにモリーは誰ではなく、用件を聞いているために焦った。
「ゼアンラーク侯爵令嬢とはお話をしたこともありませんし、何の用件か分からないのですけど?」
「私は内容までは知らなくて……」
本当は知っているが、ここで伝えたら断られると思い、知らない振りをするしかないと考えたア。
「そうですか、二人きりということではありませんのよね?」
「はい、私も同席いたします」
「どちらに行けばよろしいですか?」
「はいっ!イズカフェの個室を予約しております」
「分かりました、では公爵邸に連絡をしてから、そちらに向かいますわ。よろしいですか?」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
ミチリーアが頭を下げて去って行くと、モリーは視界に入っていたコーレイドに目配せをして、職員室に向かい、片隅を借りて事情を話した。
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