320 / 334
オルト5
「身内贔屓ではありませんが、同じことが起きたことを考えると、パークスラ王国の者ではないと考えます」
「いいえ、疑ってはおりません」
「ですが可能性はありましたので……犯人はプレメルラ王国の方の可能性が高いという結果に至りました」
「その通りですね」
確かにレオーラを狙っていたとするなら、絶好のチャンスではある。プレメルラ王国で起きれば、責任は問われるが、疑われる可能性は低くなるだろう。
だが、レオーラが同じ道を辿ったために導き出した結論だろう。
「遅効性の毒を誰が入れたとしたら食事の可能性が高いですよね」
エリーは目の当たりにしていたこともあり、誰が何のためにどうやって行ったのかと何度も考えた。
「体に触れる物でも可能だと思います。皮膚からも可能ですから」
モリーもレオーラから聞いて、どうやって毒を盛られたのかと考えていた。無味無臭の毒はあるためにそれを口からか皮膚から摂取させたのだろうと考えていた。
即効性ではない分、小瓶を隠し持っておけば、難しいことではない。
だが今となっては起きてもいないことで、調べようもなく、マレアだったとしてもレオーラの罪では裁かれないことが悔しい気持ちだった。
「そうなのですね、そうなると経路は分からない上に証拠も今となってはということですか。レオーラ殿下、本当に申し訳ありません」
「いいえ、犯人は憎らしいですが今回は起きていないことですから」
もし犯人が見付かったとしても今捕まえることは難しいが、モリーもレルスもエリーも犯人を突き止めたい気持ちだけはレオーラにちゃんと届いていた。
「だが、記憶があったのならオブレオサジュール公爵令嬢がレオーラ殿下を助けることはできただろう?」
「私はレオーラ様がそのような状態だと知ったのは、今回でございます」
「っっ」
「どちらかというと、嫌がらせをするほど関わりがあったオルトが気付いて、モリーに依頼していたら助けられただろうな」
「はい……そうですね」
オルトはモリーなら毒ならモリーの治癒術で助けられたのではないかと安易に思ったが、自分に返って来た。
「それでオルト、マレアはどうだった?」
「はい、あの女は確かに王宮によく出入りをしていました。兄上に好意を持っているのも知っていたので、あの者が誰かを買収でもしたのでしょうか」
「今回のように誰かを挟んで、マレアに繋がらないようにしていた可能性が高いと私は思っている」
「確かに可能性はありますね、あの女は私にも……」
実はオルトもマレアは好意的には思っていなかった。ゆえに捕まった時にそのくらいやるだろうなとしか思わなかった。
「何だ?」
「いえ、あの女は兄上の婚約者になって、王太子妃になりたかったのですよね?」
「そうだろうな」
「そうなるとおかしいのですが、前回レオーラ殿下を私の婚約者にすれば王太子にもなれるのではないかと言って来たことがありました」
今回、マレアが誕生祭で喚いていたことを考えるとレルスが王太子で、その婚約者になりたいという口振りだった。それなのに自分をレオーラの婚約者にというのは齟齬があった。
レオーラはギョッとしたが、表情には出さなかった。
「は?」
「おかしいですよね、そうなればあの女は王太子妃にはなれないのですよ。その時は兄上と結婚したいだけで、王太子妃には興味がないのかと思っていましたが、違いますよね?」
「おそらくそうだな、オルトは何と答えたんだ?」
「不敬だと言いました。あとは私と婚約をして入れ替わるのもいいと思いませんかとも言ってきたのです。気持ち悪いことを言うなと相手にはしませんでした」
「そうか……」
オルトとマレアが親しそうな様子はレルスも見たことがなく、おそらく事実なのだろうと思った。
「いいえ、疑ってはおりません」
「ですが可能性はありましたので……犯人はプレメルラ王国の方の可能性が高いという結果に至りました」
「その通りですね」
確かにレオーラを狙っていたとするなら、絶好のチャンスではある。プレメルラ王国で起きれば、責任は問われるが、疑われる可能性は低くなるだろう。
だが、レオーラが同じ道を辿ったために導き出した結論だろう。
「遅効性の毒を誰が入れたとしたら食事の可能性が高いですよね」
エリーは目の当たりにしていたこともあり、誰が何のためにどうやって行ったのかと何度も考えた。
「体に触れる物でも可能だと思います。皮膚からも可能ですから」
モリーもレオーラから聞いて、どうやって毒を盛られたのかと考えていた。無味無臭の毒はあるためにそれを口からか皮膚から摂取させたのだろうと考えていた。
即効性ではない分、小瓶を隠し持っておけば、難しいことではない。
だが今となっては起きてもいないことで、調べようもなく、マレアだったとしてもレオーラの罪では裁かれないことが悔しい気持ちだった。
「そうなのですね、そうなると経路は分からない上に証拠も今となってはということですか。レオーラ殿下、本当に申し訳ありません」
「いいえ、犯人は憎らしいですが今回は起きていないことですから」
もし犯人が見付かったとしても今捕まえることは難しいが、モリーもレルスもエリーも犯人を突き止めたい気持ちだけはレオーラにちゃんと届いていた。
「だが、記憶があったのならオブレオサジュール公爵令嬢がレオーラ殿下を助けることはできただろう?」
「私はレオーラ様がそのような状態だと知ったのは、今回でございます」
「っっ」
「どちらかというと、嫌がらせをするほど関わりがあったオルトが気付いて、モリーに依頼していたら助けられただろうな」
「はい……そうですね」
オルトはモリーなら毒ならモリーの治癒術で助けられたのではないかと安易に思ったが、自分に返って来た。
「それでオルト、マレアはどうだった?」
「はい、あの女は確かに王宮によく出入りをしていました。兄上に好意を持っているのも知っていたので、あの者が誰かを買収でもしたのでしょうか」
「今回のように誰かを挟んで、マレアに繋がらないようにしていた可能性が高いと私は思っている」
「確かに可能性はありますね、あの女は私にも……」
実はオルトもマレアは好意的には思っていなかった。ゆえに捕まった時にそのくらいやるだろうなとしか思わなかった。
「何だ?」
「いえ、あの女は兄上の婚約者になって、王太子妃になりたかったのですよね?」
「そうだろうな」
「そうなるとおかしいのですが、前回レオーラ殿下を私の婚約者にすれば王太子にもなれるのではないかと言って来たことがありました」
今回、マレアが誕生祭で喚いていたことを考えるとレルスが王太子で、その婚約者になりたいという口振りだった。それなのに自分をレオーラの婚約者にというのは齟齬があった。
レオーラはギョッとしたが、表情には出さなかった。
「は?」
「おかしいですよね、そうなればあの女は王太子妃にはなれないのですよ。その時は兄上と結婚したいだけで、王太子妃には興味がないのかと思っていましたが、違いますよね?」
「おそらくそうだな、オルトは何と答えたんだ?」
「不敬だと言いました。あとは私と婚約をして入れ替わるのもいいと思いませんかとも言ってきたのです。気持ち悪いことを言うなと相手にはしませんでした」
「そうか……」
オルトとマレアが親しそうな様子はレルスも見たことがなく、おそらく事実なのだろうと思った。
あなたにおすすめの小説
夫は家族を捨てたのです。
クロユキ
恋愛
私達家族は幸せだった…夫が出稼ぎに行かなければ…行くのを止めなかった私の後悔……今何処で何をしているのかも生きているのかも分からない……
夫の帰りを待っ家族の話しです。
誤字脱字があります。更新が不定期ですがよろしくお願いします。
罠に嵌められたのは一体誰?
チカフジ ユキ
恋愛
卒業前夜祭とも言われる盛大なパーティーで、王太子の婚約者が多くの人の前で婚約破棄された。
誰もが冤罪だと思いながらも、破棄された令嬢は背筋を伸ばし、それを認め国を去ることを誓った。
そして、その一部始終すべてを見ていた僕もまた、その日に婚約が白紙になり、仕方がないかぁと思いながら、実家のある隣国へと帰って行った。
しかし帰宅した家で、なんと婚約破棄された元王太子殿下の婚約者様が僕を出迎えてた。
お姉さまは最愛の人と結ばれない。
りつ
恋愛
――なぜならわたしが奪うから。
正妻を追い出して伯爵家の後妻になったのがクロエの母である。愛人の娘という立場で生まれてきた自分。伯爵家の他の兄弟たちに疎まれ、毎日泣いていたクロエに手を差し伸べたのが姉のエリーヌである。彼女だけは他の人間と違ってクロエに優しくしてくれる。だからクロエは姉のために必死にいい子になろうと努力した。姉に婚約者ができた時も、心から上手くいくよう願った。けれど彼はクロエのことが好きだと言い出して――
三度目の嘘つき
豆狸
恋愛
「……本当に良かったのかい、エカテリナ。こんな嘘をついて……」
「……いいのよ。私に新しい相手が出来れば、周囲も殿下と男爵令嬢の仲を認めずにはいられなくなるわ」
なろう様でも公開中ですが、少し構成が違います。内容は同じです。
【完】私の初恋の人に屈辱と絶望を与えたのは、大好きなお姉様でした
迦陵 れん
恋愛
「俺は君を愛さない。この結婚は政略結婚という名の契約結婚だ」
結婚式後の初夜のベッドで、私の夫となった彼は、開口一番そう告げた。
彼は元々の婚約者であった私の姉、アンジェラを誰よりも愛していたのに、私の姉はそうではなかった……。
見た目、性格、頭脳、運動神経とすべてが完璧なヘマタイト公爵令息に、グラディスは一目惚れをする。
けれど彼は大好きな姉の婚約者であり、容姿からなにから全て姉に敵わないグラディスは、瞬時に恋心を封印した。
筈だったのに、姉がいなくなったせいで彼の新しい婚約者になってしまい──。
人生イージーモードで生きてきた公爵令息が、初めての挫折を経験し、動く人形のようになってしまう。
彼のことが大好きな主人公は、冷たくされても彼一筋で思い続ける。
たとえ彼に好かれなくてもいい。
私は彼が好きだから!
大好きな人と幸せになるべく、メイドと二人三脚で頑張る健気令嬢のお話です。
ざまあされるような悪人は出ないので、ざまあはないです。
と思ったら、微ざまぁありになりました(汗)
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
アリス
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
妹が私の婚約者と結婚しちゃったもんだから、懲らしめたいの。いいでしょ?
百谷シカ
恋愛
「すまない、シビル。お前が目覚めるとは思わなかったんだ」
あのあと私は、一命を取り留めてから3週間寝ていたらしいのよ。
で、起きたらびっくり。妹のマーシアが私の婚約者と結婚してたの。
そんな話ある?
「我がフォレット家はもう結婚しかないんだ。わかってくれ、シビル」
たしかにうちは没落間近の田舎貴族よ。
あなたもウェイン伯爵令嬢だって打ち明けたら微妙な顔したわよね?
でも、だからって、国のために頑張った私を死んだ事にして結婚する?
「君の妹と、君の婚約者がね」
「そう。薄情でしょう?」
「ああ、由々しき事態だ。私になにをしてほしい?」
「ソーンダイク伯領を落として欲しいの」
イヴォン伯爵令息モーリス・ヨーク。
あのとき私が助けてあげたその命、ぜひ私のために燃やしてちょうだい。
====================
(他「エブリスタ」様に投稿)