病める時も、健やかではない時も

野村にれ

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オルト5

「身内贔屓ではありませんが、同じことが起きたことを考えると、パークスラ王国の者ではないと考えます」
「いいえ、疑ってはおりません」
「ですが可能性はありましたので……犯人はプレメルラ王国の方の可能性が高いという結果に至りました」
「その通りですね」

 確かにレオーラを狙っていたとするなら、絶好のチャンスではある。プレメルラ王国で起きれば、責任は問われるが、疑われる可能性は低くなるだろう。

 だが、レオーラが同じ道を辿ったために導き出した結論だろう。

「遅効性の毒を誰が入れたとしたら食事の可能性が高いですよね」

 エリーは目の当たりにしていたこともあり、誰が何のためにどうやって行ったのかと何度も考えた。

「体に触れる物でも可能だと思います。皮膚からも可能ですから」

 モリーもレオーラから聞いて、どうやって毒を盛られたのかと考えていた。無味無臭の毒はあるためにそれを口からか皮膚から摂取させたのだろうと考えていた。

 即効性ではない分、小瓶を隠し持っておけば、難しいことではない。

 だが今となっては起きてもいないことで、調べようもなく、マレアだったとしてもレオーラの罪では裁かれないことが悔しい気持ちだった。

「そうなのですね、そうなると経路は分からない上に証拠も今となってはということですか。レオーラ殿下、本当に申し訳ありません」
「いいえ、犯人は憎らしいですが今回は起きていないことですから」

 もし犯人が見付かったとしても今捕まえることは難しいが、モリーもレルスもエリーも犯人を突き止めたい気持ちだけはレオーラにちゃんと届いていた。

「だが、記憶があったのならオブレオサジュール公爵令嬢がレオーラ殿下を助けることはできただろう?」
「私はレオーラ様がそのような状態だと知ったのは、今回でございます」
「っっ」
「どちらかというと、嫌がらせをするほど関わりがあったオルトが気付いて、モリーに依頼していたら助けられただろうな」
「はい……そうですね」

 オルトはモリーなら毒ならモリーの治癒術で助けられたのではないかと安易に思ったが、自分に返って来た。

「それでオルト、マレアはどうだった?」
「はい、あの女は確かに王宮によく出入りをしていました。兄上に好意を持っているのも知っていたので、あの者が誰かを買収でもしたのでしょうか」
「今回のように誰かを挟んで、マレアに繋がらないようにしていた可能性が高いと私は思っている」
「確かに可能性はありますね、あの女は私にも……」

 実はオルトもマレアは好意的には思っていなかった。ゆえに捕まった時にそのくらいやるだろうなとしか思わなかった。

「何だ?」
「いえ、あの女は兄上の婚約者になって、王太子妃になりたかったのですよね?」
「そうだろうな」
「そうなるとおかしいのですが、前回レオーラ殿下を私の婚約者にすれば王太子にもなれるのではないかと言って来たことがありました」

 今回、マレアが誕生祭で喚いていたことを考えるとレルスが王太子で、その婚約者になりたいという口振りだった。それなのに自分をレオーラの婚約者にというのは齟齬があった。

 レオーラはギョッとしたが、表情には出さなかった。

「は?」
「おかしいですよね、そうなればあの女は王太子妃にはなれないのですよ。その時は兄上と結婚したいだけで、王太子妃には興味がないのかと思っていましたが、違いますよね?」
「おそらくそうだな、オルトは何と答えたんだ?」
「不敬だと言いました。あとは私と婚約をして入れ替わるのもいいと思いませんかとも言ってきたのです。気持ち悪いことを言うなと相手にはしませんでした」
「そうか……」

 オルトとマレアが親しそうな様子はレルスも見たことがなく、おそらく事実なのだろうと思った。

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