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最後の対話2
「お父様に会いたいそうです。私に声を掛け、お父様に会わせて欲しいというものですから、あなたの父親は知らないと言ったのですけど、オブレオサジュール公爵だとまだ言っておりました」
「はあ……」
「既に王家が動いていると思いますので、最後ですから多めに見てください」
「分かった……」
モリーにはレルスの婚約者であることもだが、事件もあったために王家からも護衛が付いており、報告も逐一されることになっている。
「学園からもコアナは理解しているようだったが、マキュレアリリージュは理解したくないのか、不満を持っていると聞いていたからな。話をしよう」
「私も少し聞いてみたいことがあるので、同席いたします」
「ああ、好きにしたらいい」
モリーは庭で待たせていたペイリーに声を掛けた。
「ペイリー!連れてきてちょうだい」
「承知いたしました」
ペイリーは「こちらです」とマキュレアリリージュに本邸に入るように誘導し、彼女も僅かながら緊張しているようにも見えた。
オーリンが応接室を用意して、ブレフォスとモリーはそちらで待機していた。するとペイリーに連れられたマキュレアリリージュが入室した。
「お父様!」
「お父様ではないとまだ理解していないのか」
「私のお父様はお父様だけです」
マキュレアリリージュはブレフォスの前の椅子に座って、身を乗り出して訴えた。
「そうではないと証明されている。それが否定されない限りは、君を娘だということはありえない。本当の父親がいるはずだろう?母親に聞いていないのか?」
「いいえ!お父様はお父様だけなんです!」
「いい加減にしろ!」
ブレフォスは大きな声で怒鳴り、水浸しになるようなことはないが、それくらいの威力があった。
「私は、お父様がお父様だと思って生きて来たんです……」
「私は無関係、オブレオサジュール公爵家の人間も無関係だ」
「私もオブレオサジュール公爵家の一員です……」
ブレフォスは否定するのも面倒になり、黙ったまま首を横に振った。
「私を可哀想だと思いませんか……私だってお義姉様と同じ公爵令嬢だったのに」
「お前は一度も公爵令嬢だったことはない!」
「そんなことないですわ、今は平民でもいずれは……」
マキュレアリリージュもマキュレアリリージュ・オブレオサジュールだと名乗ったことはないが、いずれはと思って、何度も自己紹介の練習をしていた。
「いずれなどない!」
モリーはブレフォスの後ろで椅子に座っており、マキュレアリリージュの姿を見つめていた。
ブレフォスにも記憶があったのならば、「一度もない」という言葉に重みがあったかもしれないが、疑っていたことからも事実なのだろうと思った。
そうなると、マキュレアリリージュが二回目のグラスと婚約すると言っていた後のことが気になるが、知っている者は見付かっていない。
「私もオブレオサジュール公爵家のためになりますわ、ですからまたここで暮らさせてください」
「無関係の約束も守れぬ者と関わるはずがないだろう!」
「それはお父様と話をしたくて、話をすれば私の気持ちを分かってもらえると信じておりましたのよ」
マキュレアリリージュは認められなくても娘だと思って育てて、可哀想だからまたここで暮らせばいいと言ってもらえると信じていた。
「信じるはずがないだろう!お前などどうでもいい」
「ひっ、酷い」
マキュレアリリージュは泣いているようには見えなかったが、両手で顔を覆った。
「お母様は私のことなど考えてくれないのです……本当に辛くて、婚約者も決まらないのです」
「平民なんだから別に婚約などしなくてもいいだろう」
平民はわざわざ婚約をせずに結婚することもあり、婚約・結婚と段取りをするのは平民でも裕福な者たちだけである。
「はあ……」
「既に王家が動いていると思いますので、最後ですから多めに見てください」
「分かった……」
モリーにはレルスの婚約者であることもだが、事件もあったために王家からも護衛が付いており、報告も逐一されることになっている。
「学園からもコアナは理解しているようだったが、マキュレアリリージュは理解したくないのか、不満を持っていると聞いていたからな。話をしよう」
「私も少し聞いてみたいことがあるので、同席いたします」
「ああ、好きにしたらいい」
モリーは庭で待たせていたペイリーに声を掛けた。
「ペイリー!連れてきてちょうだい」
「承知いたしました」
ペイリーは「こちらです」とマキュレアリリージュに本邸に入るように誘導し、彼女も僅かながら緊張しているようにも見えた。
オーリンが応接室を用意して、ブレフォスとモリーはそちらで待機していた。するとペイリーに連れられたマキュレアリリージュが入室した。
「お父様!」
「お父様ではないとまだ理解していないのか」
「私のお父様はお父様だけです」
マキュレアリリージュはブレフォスの前の椅子に座って、身を乗り出して訴えた。
「そうではないと証明されている。それが否定されない限りは、君を娘だということはありえない。本当の父親がいるはずだろう?母親に聞いていないのか?」
「いいえ!お父様はお父様だけなんです!」
「いい加減にしろ!」
ブレフォスは大きな声で怒鳴り、水浸しになるようなことはないが、それくらいの威力があった。
「私は、お父様がお父様だと思って生きて来たんです……」
「私は無関係、オブレオサジュール公爵家の人間も無関係だ」
「私もオブレオサジュール公爵家の一員です……」
ブレフォスは否定するのも面倒になり、黙ったまま首を横に振った。
「私を可哀想だと思いませんか……私だってお義姉様と同じ公爵令嬢だったのに」
「お前は一度も公爵令嬢だったことはない!」
「そんなことないですわ、今は平民でもいずれは……」
マキュレアリリージュもマキュレアリリージュ・オブレオサジュールだと名乗ったことはないが、いずれはと思って、何度も自己紹介の練習をしていた。
「いずれなどない!」
モリーはブレフォスの後ろで椅子に座っており、マキュレアリリージュの姿を見つめていた。
ブレフォスにも記憶があったのならば、「一度もない」という言葉に重みがあったかもしれないが、疑っていたことからも事実なのだろうと思った。
そうなると、マキュレアリリージュが二回目のグラスと婚約すると言っていた後のことが気になるが、知っている者は見付かっていない。
「私もオブレオサジュール公爵家のためになりますわ、ですからまたここで暮らさせてください」
「無関係の約束も守れぬ者と関わるはずがないだろう!」
「それはお父様と話をしたくて、話をすれば私の気持ちを分かってもらえると信じておりましたのよ」
マキュレアリリージュは認められなくても娘だと思って育てて、可哀想だからまたここで暮らせばいいと言ってもらえると信じていた。
「信じるはずがないだろう!お前などどうでもいい」
「ひっ、酷い」
マキュレアリリージュは泣いているようには見えなかったが、両手で顔を覆った。
「お母様は私のことなど考えてくれないのです……本当に辛くて、婚約者も決まらないのです」
「平民なんだから別に婚約などしなくてもいいだろう」
平民はわざわざ婚約をせずに結婚することもあり、婚約・結婚と段取りをするのは平民でも裕福な者たちだけである。
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