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卒業パーティー1
高等部の卒業式は午前中に学園で厳かに行われ、午後から王宮のホールの一つで卒業パーティーが行われる。
婚約者がいる者は一緒に出席することもできるが、保護者と出席することも多い。モリーはブレフォスのエスコートで出席し、王家からもファリスとケリー、レルスも参加するために自ずと出席することになる。
レルスがエスコートしたい気持ちもあったが、ブレフォスと参加するのはこれが最後になるだろうと思い、二人の関係性から譲ることにした。
「卒業おめでとう。本日、手にした卒業証書は、ただの結果ではなく、自身の糧になることだろう。学園で学んだことを活かし、活躍することを期待している。本当におめでとう」
ファリスのお祝いの言葉から卒業パーティーは始まった。
モリーはブレフォスとレルスに挟まれて、自作したブルーのドレスで参加していた。シンプルにしようと思っていたが、ペイリーに駄目だと言われて、華やかな仕上がりになった。
ブルーはレルスの瞳の色で、エスコートをブレフォスに譲ることになった結果を考慮したものであった。
モリーはクラスメイトに代わる代わるに囲まれることになった。だが迷惑を掛けてしまったこともあったために、申し訳なかったことを伝えることはできて良かったと思っていた。
そして、声を掛けられるのはレルスもいるせいだろうと思っていたが、自分が治癒師であることも関係していることも理解していた。
それでもモリーも初めての卒業パーティーに楽しく会話をしていた。
「オブレオサジュール公爵令嬢、本日はおめでとうございます」
そして、声を掛けきたのは成績上位者一位を守り切ったアイシク・キリーザ侯爵令息であった。二回目では目の上のたん瘤状態で、一方的に溜息をつく相手だった。
ゆえに会話をするのは実は初めてであった。
「キリーザ様もおめでとうございます」
「はい、ありがとうございます」
モリーはアイシクに話し掛けられたことは、親に繋がりを持つように言われたのかと考えていた。すると、レルスがアイシクに声を掛けた。
「キリーザ。六年間、一位だったのだろう?」
「っいえ、恐れ入ります」
「なかなかできることではないだろう。だが、順位に興味はないのだろう?」
「っあ、いえ……」
アイシクは勉強は好きだが、順位には興味はない。嫌味に取る者もいるが、彼は気にすることもない。だが、さすがに最終試験の結果でモリーが二位だったことは聞いており、さすがに目の前で肯定はできなかった。
「最終試験もきっと私とキリーザ様には大きな差があったと思いますよ」
「そのようなことは……ないと思います」
レルスは実際はアイシクとモリーは10点も変わらない差だったと聞いてはいるが、二人に伝えることはできない。
「研究者として期待しているからな」
「はい、ありがとうございます。突然のお声掛け失礼いたしました」
アイシクが去ると、モリーがレルスに話し掛けた。
「初めてお話しましたわ」
「そうか」
レルスはその言葉に、おそらく二回目と三回目も含めてという意味だろうなと察していた。
アイシクは両親の元へ戻っていったようで、何か言われており、モリーはやはり挨拶をするように言われたのだと察したが、彼らしい姿なのだろう感じていた。
ミチリーア・カジルスも参加していたが、さすがに祝いの場でモリーに話し掛けることはできなかった。モリーは気付いていなかったが、彼女は深く頭を下げていた。
賑やかにパーティーは進んでいたが、途中でレルスが呼ばれていき、モリーとブレフォスは気にしていなかったが、戻ってきたレルスは意味深な表情をしていた。
「何かございましたか?」
よく似たブレフォスとモリーに見つめられ、レルスはこんな日にという思いだったが口を開いた。
婚約者がいる者は一緒に出席することもできるが、保護者と出席することも多い。モリーはブレフォスのエスコートで出席し、王家からもファリスとケリー、レルスも参加するために自ずと出席することになる。
レルスがエスコートしたい気持ちもあったが、ブレフォスと参加するのはこれが最後になるだろうと思い、二人の関係性から譲ることにした。
「卒業おめでとう。本日、手にした卒業証書は、ただの結果ではなく、自身の糧になることだろう。学園で学んだことを活かし、活躍することを期待している。本当におめでとう」
ファリスのお祝いの言葉から卒業パーティーは始まった。
モリーはブレフォスとレルスに挟まれて、自作したブルーのドレスで参加していた。シンプルにしようと思っていたが、ペイリーに駄目だと言われて、華やかな仕上がりになった。
ブルーはレルスの瞳の色で、エスコートをブレフォスに譲ることになった結果を考慮したものであった。
モリーはクラスメイトに代わる代わるに囲まれることになった。だが迷惑を掛けてしまったこともあったために、申し訳なかったことを伝えることはできて良かったと思っていた。
そして、声を掛けられるのはレルスもいるせいだろうと思っていたが、自分が治癒師であることも関係していることも理解していた。
それでもモリーも初めての卒業パーティーに楽しく会話をしていた。
「オブレオサジュール公爵令嬢、本日はおめでとうございます」
そして、声を掛けきたのは成績上位者一位を守り切ったアイシク・キリーザ侯爵令息であった。二回目では目の上のたん瘤状態で、一方的に溜息をつく相手だった。
ゆえに会話をするのは実は初めてであった。
「キリーザ様もおめでとうございます」
「はい、ありがとうございます」
モリーはアイシクに話し掛けられたことは、親に繋がりを持つように言われたのかと考えていた。すると、レルスがアイシクに声を掛けた。
「キリーザ。六年間、一位だったのだろう?」
「っいえ、恐れ入ります」
「なかなかできることではないだろう。だが、順位に興味はないのだろう?」
「っあ、いえ……」
アイシクは勉強は好きだが、順位には興味はない。嫌味に取る者もいるが、彼は気にすることもない。だが、さすがに最終試験の結果でモリーが二位だったことは聞いており、さすがに目の前で肯定はできなかった。
「最終試験もきっと私とキリーザ様には大きな差があったと思いますよ」
「そのようなことは……ないと思います」
レルスは実際はアイシクとモリーは10点も変わらない差だったと聞いてはいるが、二人に伝えることはできない。
「研究者として期待しているからな」
「はい、ありがとうございます。突然のお声掛け失礼いたしました」
アイシクが去ると、モリーがレルスに話し掛けた。
「初めてお話しましたわ」
「そうか」
レルスはその言葉に、おそらく二回目と三回目も含めてという意味だろうなと察していた。
アイシクは両親の元へ戻っていったようで、何か言われており、モリーはやはり挨拶をするように言われたのだと察したが、彼らしい姿なのだろう感じていた。
ミチリーア・カジルスも参加していたが、さすがに祝いの場でモリーに話し掛けることはできなかった。モリーは気付いていなかったが、彼女は深く頭を下げていた。
賑やかにパーティーは進んでいたが、途中でレルスが呼ばれていき、モリーとブレフォスは気にしていなかったが、戻ってきたレルスは意味深な表情をしていた。
「何かございましたか?」
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