51 / 206
尋問
しおりを挟む
「申し訳ございませんでした」
ブレフォスの顔が見えるなり、深く頭を下げて、謝罪をした。
「話は聞いたか?」
「はい、メイド長から伺いました」
ブレフォスは上着を脱ぎながら、オーリスを見つめた。オーリスの顔色は既に酷いもので、きちんと聞いたのだろうと思った。
「エルソンには会ったか?」
「いいえ、ブレフォス様が戻ってから会うのが道理でございます」
「そうだな。これから話をするが、オーリスは同席せず、話を聞いてくれ」
「承知いたしました」
エルソンはオーリスを尊敬もしているが、怖いとも思っているので、ブレフォスとオーリスがいれば、話をしない可能性を考えてのことであった。
騎士によってエルソンとレベンナは別々の部屋に軟禁しており、一緒に呼び出して、応接室で向き合った。
エルソンは入室するなり、膝をついて謝った。
「申し訳ございませんでした」
レベンナはその様子に驚き、茫然としていた。
「話にならないから、座れ」
エルソンとレベンナは並んで、ブレフォスの前に座った。
「反省しているのか?」
「もちろんでございます」
「君もか?」
「はい、申し訳なく思っております」
エルソンは真っ青だったが、落ち着いているブレフォスの様子に、レベンナは意外とあっさり許してもらえるのではないかと考えていた。
「エルソン、何に反省している?ちゃんと話せ」
「はい。勝手にお針子を用意して、モリー様を不愉快な気持ちにさせてしまいました。大変申し訳なく思っております」
「公爵家のためと言ったのも、間違っていたと認めるのだな?」
「……はい」
「そうか、君は何が間違っていたのか分かっているのか?」
ブレフォスはレベンナに視線を移したが、公爵家が雇ったわけでもなく、令嬢でもないために名前を呼ぶ気もなかった。
「っあ、はい」
「何が間違っていたんだ?」
「っはい、えっと、あの、でも手伝おうと思っていたの事実で」
何を言い出すのかとエルソンはレベンナを見たが、レベンナはブレフォスしか見ておらず、気付くことはなかった。
「私が手伝えば、もっと素敵な物が出来たのにと思ってしまい、失礼なことを言ってしまいました。まだ15歳なのに、言い過ぎました」
「そうか」
「はい!私、腕がいいって褒められているんです。デザインも得意で、こんなこっそりではなくて、公爵家でもいいので、機会をもらえませんか?」
理解をしてもらえたと誤解したレベンナは、意気揚々とまたチャンスが巡って来たと考えた。王家に気に入られれば良かったが、もう難しそうだから、とりあえずは公爵家でもいいと企んだ。
「どういう意味だ?」
「もちろん、お嬢様のお手伝いもします」
元々、モリーの手伝いをするように言われていたのだから、機嫌を取っておかなくてはならないと慌てて伝えた。
「どういう意味だと聞いているんだが」
「ですから、ドレスを作る機会をいただければ、ご期待に応えて見せます!」
「私が雇ったわけではないからな、私に言われても困る」
「っえ」
レベンナはブレフォスや公爵家に雇われたわけでもない。していると言っても、契約書にサインをしていないと言われれば、確かにそうだと思った。
「私は君に何も関与していない」
「っあ、だったらこれから雇ってもらえませんか?お嬢様も助かると思います」
「何が助かる?」
「見よう見真似でデザインをされているのでしょうけど、15歳には難しいかもしれませんが、年齢とか流行りとか、考えてした方がいいと思います。私なら教えてあげられます」
レベンナは礼儀がなっていない上に、ドレスに関しては変わらず上から目線で、ブレフォスはずっと不愉快ではあったが、契約していたわけではないために、レベンナことはオーリスに任せるつもりであった。
ブレフォスの顔が見えるなり、深く頭を下げて、謝罪をした。
「話は聞いたか?」
「はい、メイド長から伺いました」
ブレフォスは上着を脱ぎながら、オーリスを見つめた。オーリスの顔色は既に酷いもので、きちんと聞いたのだろうと思った。
「エルソンには会ったか?」
「いいえ、ブレフォス様が戻ってから会うのが道理でございます」
「そうだな。これから話をするが、オーリスは同席せず、話を聞いてくれ」
「承知いたしました」
エルソンはオーリスを尊敬もしているが、怖いとも思っているので、ブレフォスとオーリスがいれば、話をしない可能性を考えてのことであった。
騎士によってエルソンとレベンナは別々の部屋に軟禁しており、一緒に呼び出して、応接室で向き合った。
エルソンは入室するなり、膝をついて謝った。
「申し訳ございませんでした」
レベンナはその様子に驚き、茫然としていた。
「話にならないから、座れ」
エルソンとレベンナは並んで、ブレフォスの前に座った。
「反省しているのか?」
「もちろんでございます」
「君もか?」
「はい、申し訳なく思っております」
エルソンは真っ青だったが、落ち着いているブレフォスの様子に、レベンナは意外とあっさり許してもらえるのではないかと考えていた。
「エルソン、何に反省している?ちゃんと話せ」
「はい。勝手にお針子を用意して、モリー様を不愉快な気持ちにさせてしまいました。大変申し訳なく思っております」
「公爵家のためと言ったのも、間違っていたと認めるのだな?」
「……はい」
「そうか、君は何が間違っていたのか分かっているのか?」
ブレフォスはレベンナに視線を移したが、公爵家が雇ったわけでもなく、令嬢でもないために名前を呼ぶ気もなかった。
「っあ、はい」
「何が間違っていたんだ?」
「っはい、えっと、あの、でも手伝おうと思っていたの事実で」
何を言い出すのかとエルソンはレベンナを見たが、レベンナはブレフォスしか見ておらず、気付くことはなかった。
「私が手伝えば、もっと素敵な物が出来たのにと思ってしまい、失礼なことを言ってしまいました。まだ15歳なのに、言い過ぎました」
「そうか」
「はい!私、腕がいいって褒められているんです。デザインも得意で、こんなこっそりではなくて、公爵家でもいいので、機会をもらえませんか?」
理解をしてもらえたと誤解したレベンナは、意気揚々とまたチャンスが巡って来たと考えた。王家に気に入られれば良かったが、もう難しそうだから、とりあえずは公爵家でもいいと企んだ。
「どういう意味だ?」
「もちろん、お嬢様のお手伝いもします」
元々、モリーの手伝いをするように言われていたのだから、機嫌を取っておかなくてはならないと慌てて伝えた。
「どういう意味だと聞いているんだが」
「ですから、ドレスを作る機会をいただければ、ご期待に応えて見せます!」
「私が雇ったわけではないからな、私に言われても困る」
「っえ」
レベンナはブレフォスや公爵家に雇われたわけでもない。していると言っても、契約書にサインをしていないと言われれば、確かにそうだと思った。
「私は君に何も関与していない」
「っあ、だったらこれから雇ってもらえませんか?お嬢様も助かると思います」
「何が助かる?」
「見よう見真似でデザインをされているのでしょうけど、15歳には難しいかもしれませんが、年齢とか流行りとか、考えてした方がいいと思います。私なら教えてあげられます」
レベンナは礼儀がなっていない上に、ドレスに関しては変わらず上から目線で、ブレフォスはずっと不愉快ではあったが、契約していたわけではないために、レベンナことはオーリスに任せるつもりであった。
2,949
あなたにおすすめの小説
顔がタイプじゃないからと、結婚を引き延ばされた本当の理由
翠月るるな
恋愛
「顔が……好みじゃないんだ!!」
婚約して早一年が経とうとしている。いい加減、周りからの期待もあって結婚式はいつにするのかと聞いたら、この回答。
セシリアは唖然としてしまう。
トドメのように彼は続けた。
「結婚はもう少し考えさせてくれないかな? ほら、まだ他の選択肢が出てくるかもしれないし」
この上なく失礼なその言葉に彼女はその場から身を翻し、駆け出した。
そのまま婚約解消になるものと覚悟し、新しい相手を探すために舞踏会に行くことに。
しかし、そこでの出会いから思いもよらない方向へ進み────。
顔が気に入らないのに、無為に結婚を引き延ばした本当の理由を知ることになる。
結婚式をボイコットした王女
椿森
恋愛
請われて隣国の王太子の元に嫁ぐこととなった、王女のナルシア。
しかし、婚姻の儀の直前に王太子が不貞とも言える行動をしたためにボイコットすることにした。もちろん、婚約は解消させていただきます。
※初投稿のため生暖か目で見てくださると幸いです※
1/9:一応、本編完結です。今後、このお話に至るまでを書いていこうと思います。
1/17:王太子の名前を修正しました!申し訳ございませんでした···( ´ཫ`)
七光りのわがまま聖女を支えるのは疲れました。私はやめさせていただきます。
木山楽斗
恋愛
幼少期から魔法使いとしての才覚を見せていたラムーナは、王国における魔法使い最高峰の役職である聖女に就任するはずだった。
しかし、王国が聖女に選んだのは第一王女であるロメリアであった。彼女は父親である国王から溺愛されており、親の七光りで聖女に就任したのである。
ラムーナは、そんなロメリアを支える聖女補佐を任せられた。それは実質的に聖女としての役割を彼女が担うということだった。ロメリアには魔法使いの才能などまったくなかったのである。
色々と腑に落ちないラムーナだったが、それでも好待遇ではあったためその話を受け入れた。補佐として聖女を支えていこう。彼女はそのように考えていたのだ。
だが、彼女はその考えをすぐに改めることになった。なぜなら、聖女となったロメリアはとてもわがままな女性だったからである。
彼女は、才覚がまったくないにも関わらず上から目線でラムーナに命令してきた。ラムーナに支えられなければ何もできないはずなのに、ロメリアはとても偉そうだったのだ。
そんな彼女の態度に辟易としたラムーナは、聖女補佐の役目を下りることにした。王国側は特に彼女を止めることもなかった。ラムーナの代わりはいくらでもいると考えていたからである。
しかし彼女が去ったことによって、王国は未曽有の危機に晒されることになった。聖女補佐としてのラムーナは、とても有能な人間だったのだ。
一番悪いのは誰
jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。
ようやく帰れたのは三か月後。
愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。
出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、
「ローラ様は先日亡くなられました」と。
何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・
ここへ何をしに来たの?
柊
恋愛
フェルマ王立学園での卒業記念パーティ。
「クリストフ・グランジュ様!」
凛とした声が響き渡り……。
※小説になろう、カクヨム、pixivにも同じものを投稿しています。
虐げられてる私のざまあ記録、ご覧になりますか?
リオール
恋愛
両親に虐げられ
姉に虐げられ
妹に虐げられ
そして婚約者にも虐げられ
公爵家が次女、ミレナは何をされてもいつも微笑んでいた。
虐げられてるのに、ひたすら耐えて笑みを絶やさない。
それをいいことに、彼女に近しい者は彼女を虐げ続けていた。
けれど彼らは知らない、誰も知らない。
彼女の笑顔の裏に隠された、彼女が抱える闇を──
そして今日も、彼女はひっそりと。
ざまあするのです。
そんな彼女の虐げざまあ記録……お読みになりますか?
=====
シリアスダークかと思わせて、そうではありません。虐げシーンはダークですが、ざまあシーンは……まあハチャメチャです。軽いのから重いのまで、スッキリ(?)ざまあ。
細かいことはあまり気にせずお読み下さい。
多分ハッピーエンド。
多分主人公だけはハッピーエンド。
あとは……
初夜に前世を思い出した悪役令嬢は復讐方法を探します。
豆狸
恋愛
「すまない、間違えたんだ」
「はあ?」
初夜の床で新妻の名前を元カノ、しかも新妻の異母妹、しかも新妻と婚約破棄をする原因となった略奪者の名前と間違えた?
脳に蛆でも湧いてんじゃないですかぁ?
なろう様でも公開中です。
執着のなさそうだった男と別れて、よりを戻すだけの話。
椎茸
恋愛
伯爵ユリアナは、学園イチ人気の侯爵令息レオポルドとお付き合いをしていた。しかし、次第に、レオポルドが周囲に平等に優しいところに思うことができて、別れを決断する。
ユリアナはあっさりと別れが成立するものと思っていたが、どうやらレオポルドの様子が変で…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる