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再謝罪1
「この度は申し訳ございませんでした」
「申し訳ございませんでした」
「申し訳ございませんでした」
通されると既に、ファリス国王陛下、ケリー王妃陛下、エリー王女殿下が待っていた。ブレフォス、モリー、オーリンは目の前に立ち、すぐさま頭を下げた。
「ああ、話はひとまず聞いておる。モリー嬢は何も謝ることはない。エリーと共にお茶会にしなさい」
「はい!モリー様、行きましょう」
エリーは嬉しそうに立ち上がって、モリーに向かってにっこりと笑った。
「ですが」
「モリー様は、お茶会のために呼んでいただきましたの」
「その通りだ、君とエリーはこの件は被害者だからね!楽しく過ごすことが、今日の君のすべき働きだよ」
ファリスはモリーに向かって、パチンとウィンクした。
「恐れ入ります、楽しませていただきます」
モリーはウィンクには驚いたが、エリーに手を取られて、さっさと出て行った。
「本当に気に入られてしまったようだな」
「今日だって、モリー嬢のドレスを着ると言っていたのだけど、今度、お茶会で着るのだからと、別のにしてもらったくらいよ」
モリーに会うのだからと言い出したが、お茶会は迫っており、洗濯が間に合わない可能性もあると言われて、諦めることになった。
「あのドレスは本当によく似合っていた、公爵も見たか?」
「はい、とても似合っておいででした。モリーにも素敵だったと伝えました」
「そうか」
ファリスはエリーがモリーの作ったドレスを着て、嬉しそうに見せに来た時に、くるくると回って、まるで幼い頃のようで、思わず目尻をだらりと下げてしまったほどであった。
「それで、概ね話は聞いているが」
「はい、こちらが執事だったエルソンが自ら書いた調査書と、私が纏めたものでございます」
ファリスとケリーは、渡された書類を読み、頷いた。
こちらにも、エルソンの謝罪文も、同封されている。
「被害があったわけではないからな、罰は求めない」
「ですが」
「一番の被害者はモリー嬢とエリーよ?」
「その通りでございます」
腹を立てたのは周りの者たちもだったが、レベンナが傷付けようとしたのはモリーで、盾突いたのはエリーにであった。
「ツーラン子爵、息子はどうしているの?」
「はい、再教育として、領地の空き家や土地の管理をさせております」
領地はオーリンの叔父が、手伝ってくれていたのだが、エルソンの話を聞き、こちらに寄こせ、仕事ならあるからと言われ、家族と共に引っ越させた。
今は空き家を掃除したり、土地を管理したり、毎日きちんと働いている。
「そうなのね」
執事は外されるだろうと思ったが、当然の判断だろう。
「直接、謝罪をさせることも考えましたが、私も理解ができないことを申しておりましたので、不愉快に思われるのではないかと控えさせていただきました。勝手に申し訳ございません」
「いえ、それはいいわ」
ケリーは会いたいと思ってもおらず、当主の謝罪で問題ないと判断した。
オーリンは、深く頭を下げた。
「ゴース準男爵からも、謝罪をいただきました。誰か入れ知恵としたのか、見事な采配でしたわ。ですから、準男爵の名を取ることはしないことにしました」
謝罪と慰謝料の受け取りと、レベンナも短いながらも反省している文面であったために、爵位の返還まではしなくていいと判断した。
ソーラの考えが上手くいき、爵位は取られなかった。
オーリンのところにもエッジから詳細と、オブレオサジュール公爵家にもモリー宛てに慰謝料が届いていたために、二人も知っている。
「さようでございましたか。こちらにも、モリー宛てに謝罪がございました」
「そうでしたか」
ケリーは平民なのに抜かりのない謝罪であったために、てっきりオブレオサジュール公爵か、ツーラン子爵の考えかと思ったが、そうではなかったようだ。
「申し訳ございませんでした」
「申し訳ございませんでした」
通されると既に、ファリス国王陛下、ケリー王妃陛下、エリー王女殿下が待っていた。ブレフォス、モリー、オーリンは目の前に立ち、すぐさま頭を下げた。
「ああ、話はひとまず聞いておる。モリー嬢は何も謝ることはない。エリーと共にお茶会にしなさい」
「はい!モリー様、行きましょう」
エリーは嬉しそうに立ち上がって、モリーに向かってにっこりと笑った。
「ですが」
「モリー様は、お茶会のために呼んでいただきましたの」
「その通りだ、君とエリーはこの件は被害者だからね!楽しく過ごすことが、今日の君のすべき働きだよ」
ファリスはモリーに向かって、パチンとウィンクした。
「恐れ入ります、楽しませていただきます」
モリーはウィンクには驚いたが、エリーに手を取られて、さっさと出て行った。
「本当に気に入られてしまったようだな」
「今日だって、モリー嬢のドレスを着ると言っていたのだけど、今度、お茶会で着るのだからと、別のにしてもらったくらいよ」
モリーに会うのだからと言い出したが、お茶会は迫っており、洗濯が間に合わない可能性もあると言われて、諦めることになった。
「あのドレスは本当によく似合っていた、公爵も見たか?」
「はい、とても似合っておいででした。モリーにも素敵だったと伝えました」
「そうか」
ファリスはエリーがモリーの作ったドレスを着て、嬉しそうに見せに来た時に、くるくると回って、まるで幼い頃のようで、思わず目尻をだらりと下げてしまったほどであった。
「それで、概ね話は聞いているが」
「はい、こちらが執事だったエルソンが自ら書いた調査書と、私が纏めたものでございます」
ファリスとケリーは、渡された書類を読み、頷いた。
こちらにも、エルソンの謝罪文も、同封されている。
「被害があったわけではないからな、罰は求めない」
「ですが」
「一番の被害者はモリー嬢とエリーよ?」
「その通りでございます」
腹を立てたのは周りの者たちもだったが、レベンナが傷付けようとしたのはモリーで、盾突いたのはエリーにであった。
「ツーラン子爵、息子はどうしているの?」
「はい、再教育として、領地の空き家や土地の管理をさせております」
領地はオーリンの叔父が、手伝ってくれていたのだが、エルソンの話を聞き、こちらに寄こせ、仕事ならあるからと言われ、家族と共に引っ越させた。
今は空き家を掃除したり、土地を管理したり、毎日きちんと働いている。
「そうなのね」
執事は外されるだろうと思ったが、当然の判断だろう。
「直接、謝罪をさせることも考えましたが、私も理解ができないことを申しておりましたので、不愉快に思われるのではないかと控えさせていただきました。勝手に申し訳ございません」
「いえ、それはいいわ」
ケリーは会いたいと思ってもおらず、当主の謝罪で問題ないと判断した。
オーリンは、深く頭を下げた。
「ゴース準男爵からも、謝罪をいただきました。誰か入れ知恵としたのか、見事な采配でしたわ。ですから、準男爵の名を取ることはしないことにしました」
謝罪と慰謝料の受け取りと、レベンナも短いながらも反省している文面であったために、爵位の返還まではしなくていいと判断した。
ソーラの考えが上手くいき、爵位は取られなかった。
オーリンのところにもエッジから詳細と、オブレオサジュール公爵家にもモリー宛てに慰謝料が届いていたために、二人も知っている。
「さようでございましたか。こちらにも、モリー宛てに謝罪がございました」
「そうでしたか」
ケリーは平民なのに抜かりのない謝罪であったために、てっきりオブレオサジュール公爵か、ツーラン子爵の考えかと思ったが、そうではなかったようだ。
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