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話し合い1
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ジルバードとララにもリラが隣国の更生施設に入ったことが知らされ、ブライン伯爵夫妻は謝罪に行ったが、実情を聞かされていた両家は、更生を祈っていると厳罰を望むことはなかった。
正直、リラの気持ちも、学園でのことも、何も知らないまま、アウラージュ達に阻止されて終わったからというのもあった。
そして、アウラージュがついにシュアリーと話し合いをすることになったが、一度に済ませましょうと、陛下、シュアリー、バートラ公爵、ルカスを集めることにした。そして未届け人として、ブラックア公爵を呼んだ。
シュアリーは勝手にルカスとアウラージュ3人で話すものだと思い込んでいたので、呼び出されて驚いた。
「お姉様、私は2人で話したかったの」
「違うでしょう?勝手にバートラ公爵令息も連れて、3人で都合のいい話をする気でいたのでしょう?」
シュアリーは図星であったが、皆がいる前でそうだとは言えない。
「婚約者だもの、いてもいいじゃない」
「そういう次元は超えているの。これから話し合う最中は理解しながら口に出しなさい。予定ではもう少し早く動くつもりだったんですけど、何やら異物が入り込んでいたので、様子を見ていましたの」
「この前のリラという伯爵令嬢ね。ルカス様のお兄様をお好きだったなんて、婚約者がいるのに。なんて恥知らずなのかしら」
ここにいる者はシュアリーがアウラージュから婚約者を奪い、ルカスがシュアリーを選んだことを知っている。どの口がそんなことを言えるのかとしか思えない。
「あなたも同じじゃない」
「私は違うわ、一緒にしないで」
「どこが違うのかしら?」
「私は王太子なの!伯爵令嬢とは違うわ」
「はあ…あなた成長しなかったのね」
1年経って傲慢さが強くなっただけで、成長の兆しが見えない姿に溜息が出そうになった。
「殿下が放棄されたのは、私への趣旨返しだったのではないですか」
「ルカス!お前は何てことを」
「そうじゃないですか、私を奪われて面白くなかったのでしょう?」
アウラージュはどういった思考で、そうなったのか問うことも面倒に思い、ルカスにも溜息を付きそうになったが、にっこりと微笑んだ。
「あなたといる方が面白くなかった、その方が正しいわね」
「っな、何を!」
「ルカス!黙れ!殿下、申し訳ございません」
「どうやら悪く成長されたご様子で」
「申し開きも出来ません」
「ですが!」
「サリキュース帝国の皇女としてお話しますわね、その方が話が早いですから。バートラ公爵令息も、その方が分かり易いでしょう?」
「っ」
「お姉様、何で皇女なんて…」
「一応、皇帝から書面も貰っているわ」
ブラックア公爵がぴらりとエレン・フラウ・サリキュース皇帝陛下の名前で、アウラージュの言葉をサリキュース帝国は支持すると書かれてた書状を皆の前で掲げた。
エレンはアウラージュの伯父に当たる。アウラージュの母はサリキュース帝国の皇女、エレンの妹・シエンである。エレンはシエンに帝位継承権を放棄させず、その娘であるアウラージュもサリキュース帝国の皇女となっている。
ゆえにアウラージュは、コンクラート王国のアウラージュ・コンクラート王女と同時に、サリキュース帝国のアウラージュ・フラウ・サリキュース皇女でもある。
陛下や貴族がアウラージュが王位継承権を放棄したことで、陰では一体どういうことだと大騒ぎになっていたとしても、公に問題にしたり、意見を言わなかったのは、サリキュース帝国が一切何も言って来ず、動かなかったからである。
「シュアリー、さすがに分かっているわよね?あなたと私の両親が違うことは」
「分かっているわ、でもお父様が娘にしたんでしょう!」
「正確には便宜上、第一王女としただけよ」
アウラージュとシュアリーは正確には従姉妹同士である。アウラージュの父がコンクラート王国の若き国王・シュールズで、母はサリキュース帝国の皇女・シエン。だが、2人は事故で一緒に亡くなってしまった。当時、アウラージュは2歳。
エレンが母の具合が悪いからと、シエンにサリキュース帝国に来て欲しいという理由で向かい、帰り道の出来事だった。エレンも酷く責任を感じ、陰謀ではないかと疑ったが、天候による事故であった。アウラージュは風邪を引いており、留守番をしていたため、難を逃れた。
当事者は事故で全員亡くなったため、事実は分からないが、アウラージュのために帰路を急いでいたのかもしれない。
正直、リラの気持ちも、学園でのことも、何も知らないまま、アウラージュ達に阻止されて終わったからというのもあった。
そして、アウラージュがついにシュアリーと話し合いをすることになったが、一度に済ませましょうと、陛下、シュアリー、バートラ公爵、ルカスを集めることにした。そして未届け人として、ブラックア公爵を呼んだ。
シュアリーは勝手にルカスとアウラージュ3人で話すものだと思い込んでいたので、呼び出されて驚いた。
「お姉様、私は2人で話したかったの」
「違うでしょう?勝手にバートラ公爵令息も連れて、3人で都合のいい話をする気でいたのでしょう?」
シュアリーは図星であったが、皆がいる前でそうだとは言えない。
「婚約者だもの、いてもいいじゃない」
「そういう次元は超えているの。これから話し合う最中は理解しながら口に出しなさい。予定ではもう少し早く動くつもりだったんですけど、何やら異物が入り込んでいたので、様子を見ていましたの」
「この前のリラという伯爵令嬢ね。ルカス様のお兄様をお好きだったなんて、婚約者がいるのに。なんて恥知らずなのかしら」
ここにいる者はシュアリーがアウラージュから婚約者を奪い、ルカスがシュアリーを選んだことを知っている。どの口がそんなことを言えるのかとしか思えない。
「あなたも同じじゃない」
「私は違うわ、一緒にしないで」
「どこが違うのかしら?」
「私は王太子なの!伯爵令嬢とは違うわ」
「はあ…あなた成長しなかったのね」
1年経って傲慢さが強くなっただけで、成長の兆しが見えない姿に溜息が出そうになった。
「殿下が放棄されたのは、私への趣旨返しだったのではないですか」
「ルカス!お前は何てことを」
「そうじゃないですか、私を奪われて面白くなかったのでしょう?」
アウラージュはどういった思考で、そうなったのか問うことも面倒に思い、ルカスにも溜息を付きそうになったが、にっこりと微笑んだ。
「あなたといる方が面白くなかった、その方が正しいわね」
「っな、何を!」
「ルカス!黙れ!殿下、申し訳ございません」
「どうやら悪く成長されたご様子で」
「申し開きも出来ません」
「ですが!」
「サリキュース帝国の皇女としてお話しますわね、その方が話が早いですから。バートラ公爵令息も、その方が分かり易いでしょう?」
「っ」
「お姉様、何で皇女なんて…」
「一応、皇帝から書面も貰っているわ」
ブラックア公爵がぴらりとエレン・フラウ・サリキュース皇帝陛下の名前で、アウラージュの言葉をサリキュース帝国は支持すると書かれてた書状を皆の前で掲げた。
エレンはアウラージュの伯父に当たる。アウラージュの母はサリキュース帝国の皇女、エレンの妹・シエンである。エレンはシエンに帝位継承権を放棄させず、その娘であるアウラージュもサリキュース帝国の皇女となっている。
ゆえにアウラージュは、コンクラート王国のアウラージュ・コンクラート王女と同時に、サリキュース帝国のアウラージュ・フラウ・サリキュース皇女でもある。
陛下や貴族がアウラージュが王位継承権を放棄したことで、陰では一体どういうことだと大騒ぎになっていたとしても、公に問題にしたり、意見を言わなかったのは、サリキュース帝国が一切何も言って来ず、動かなかったからである。
「シュアリー、さすがに分かっているわよね?あなたと私の両親が違うことは」
「分かっているわ、でもお父様が娘にしたんでしょう!」
「正確には便宜上、第一王女としただけよ」
アウラージュとシュアリーは正確には従姉妹同士である。アウラージュの父がコンクラート王国の若き国王・シュールズで、母はサリキュース帝国の皇女・シエン。だが、2人は事故で一緒に亡くなってしまった。当時、アウラージュは2歳。
エレンが母の具合が悪いからと、シエンにサリキュース帝国に来て欲しいという理由で向かい、帰り道の出来事だった。エレンも酷く責任を感じ、陰謀ではないかと疑ったが、天候による事故であった。アウラージュは風邪を引いており、留守番をしていたため、難を逃れた。
当事者は事故で全員亡くなったため、事実は分からないが、アウラージュのために帰路を急いでいたのかもしれない。
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