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皇女と王太子1
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王太子がリオンに変更されることが発表され、短期間で変更になるため、混乱があるかと思ったが、ホワイトア公爵家の根回しのおかげか、大きな問題はなかった。シュアリーには荷が重いと、皆が分かっていたのだろう。
そして、リオンの立太子式の際に、アウラージュが王族を抜けること、サリキュース帝国から公務以外のアウラージュに掛かった費用、皇帝から感謝の費用が支払われ、今後はサリキュース帝国のアウラージュ・フラウ・サリキュース皇女のみとなることが発表されると、皆がざわついた。
しかし、陛下がアウラージュの声明を読み上げた。
『コンクラート王国の皆様、これまでお世話になり、誠にありがとうございました。私の立場上、混乱を避けるためにも、王族から抜けることにはなりましたが、両親が愛したこの国を変わらず愛し、尽力することを誓い、この国の発展を願います。アウラージュ・フラウ・サリキュース』
ざわついた声は少しずつ収まり、陛下の時代はまだまだ続くだろうが、新しい風を感じる清々しい日となった。
シュアリー殿下はどうなるのだと声もあったが、さらっと処遇を説明されて終わった。皆、そうかと聞き流されるだけであった。
陛下と会っていたアウラージュは王宮を歩くリオンに声を掛けた。リオンの護衛は素早く頭を下げ、さっと道を開ける。
「王太子殿下、ごきげんよう」
「これは、皇女殿下、ごきげんよう。お戻りだったのですか」
アウラージュとリオンは関係性から、互いに近づき過ぎない間柄であったが、仲が悪いということはではない。
「ええ、こちらに必要なものがありましてね。ついでに陛下に会いに行っておりましたの。ふふっ、何だかおかしな感じね」
「私としては、アウラージュ王太子殿下が良かったです」
「まあ、私は本当はすべて捨てたかったのですよ」
「すべて捨てたではありませんか」
「でもシュアリーはすべてではないと思っているのよ?」
「え?」
「皇女も友人も、あとはお金もかしらね?まだまだ持っているじゃないって、思っているみたいよ?」
シュアリーのことは元々、妹・マーガレットと共に嫌っていた。言わなくていい一言で人を不快にさせる質で、自身はまだ我慢できても、友人までも不快にさせてからは、会っても挨拶以外で話すことはない。
ホワイトアには監視者がおり、アウラージュは生まれだけでなく、優秀と呼べる王太子であった。何より、人を惹き付ける才があった。見た目だけではなく、存在というものだろう。
対して、シュアリーの評価は王太子になる前から元々低く、アウラージュからすべて奪っておいて、王太子教育も真面目に取り組まず、アウラージュを戻して、自身は勝手に描いた未来で、楽な道を選択しようとしていた。
努力を嫌い、誰かがどうにかしてくれることを期待して、自身は何も身に付けない王女。それがホワイトアの出したシュアリー王太子への評価であった。
すぐに動くことも出来たが、アウラージュに何か意図があるのだろうと様子見となり、シュアリーがいくら不甲斐なくとも黙認し、周りにも周知させていた。そして、このままにしているはずがないと、表舞台に出て来るまで待つことにした。アウラージュへの信頼があってこそである。
監視者からアウラージュは、おそらくホワイトアに王位を戻す気だと聞かされても、どこか半信半疑ではあったが、いくらシュアリーが不適格だとしても、皆を納得させるには力ではなく、無駄でも時間が必要だと思ったのだろう。おかげでリオンは穏やかに陛下にも受け入れられた。
だが、アウラージュが精算まで行っていたとは思わなかった。自身が支払うことも出来ただろうが、サリキュース帝国からというのが動かしようもない重しになる。
そして、リオンの立太子式の際に、アウラージュが王族を抜けること、サリキュース帝国から公務以外のアウラージュに掛かった費用、皇帝から感謝の費用が支払われ、今後はサリキュース帝国のアウラージュ・フラウ・サリキュース皇女のみとなることが発表されると、皆がざわついた。
しかし、陛下がアウラージュの声明を読み上げた。
『コンクラート王国の皆様、これまでお世話になり、誠にありがとうございました。私の立場上、混乱を避けるためにも、王族から抜けることにはなりましたが、両親が愛したこの国を変わらず愛し、尽力することを誓い、この国の発展を願います。アウラージュ・フラウ・サリキュース』
ざわついた声は少しずつ収まり、陛下の時代はまだまだ続くだろうが、新しい風を感じる清々しい日となった。
シュアリー殿下はどうなるのだと声もあったが、さらっと処遇を説明されて終わった。皆、そうかと聞き流されるだけであった。
陛下と会っていたアウラージュは王宮を歩くリオンに声を掛けた。リオンの護衛は素早く頭を下げ、さっと道を開ける。
「王太子殿下、ごきげんよう」
「これは、皇女殿下、ごきげんよう。お戻りだったのですか」
アウラージュとリオンは関係性から、互いに近づき過ぎない間柄であったが、仲が悪いということはではない。
「ええ、こちらに必要なものがありましてね。ついでに陛下に会いに行っておりましたの。ふふっ、何だかおかしな感じね」
「私としては、アウラージュ王太子殿下が良かったです」
「まあ、私は本当はすべて捨てたかったのですよ」
「すべて捨てたではありませんか」
「でもシュアリーはすべてではないと思っているのよ?」
「え?」
「皇女も友人も、あとはお金もかしらね?まだまだ持っているじゃないって、思っているみたいよ?」
シュアリーのことは元々、妹・マーガレットと共に嫌っていた。言わなくていい一言で人を不快にさせる質で、自身はまだ我慢できても、友人までも不快にさせてからは、会っても挨拶以外で話すことはない。
ホワイトアには監視者がおり、アウラージュは生まれだけでなく、優秀と呼べる王太子であった。何より、人を惹き付ける才があった。見た目だけではなく、存在というものだろう。
対して、シュアリーの評価は王太子になる前から元々低く、アウラージュからすべて奪っておいて、王太子教育も真面目に取り組まず、アウラージュを戻して、自身は勝手に描いた未来で、楽な道を選択しようとしていた。
努力を嫌い、誰かがどうにかしてくれることを期待して、自身は何も身に付けない王女。それがホワイトアの出したシュアリー王太子への評価であった。
すぐに動くことも出来たが、アウラージュに何か意図があるのだろうと様子見となり、シュアリーがいくら不甲斐なくとも黙認し、周りにも周知させていた。そして、このままにしているはずがないと、表舞台に出て来るまで待つことにした。アウラージュへの信頼があってこそである。
監視者からアウラージュは、おそらくホワイトアに王位を戻す気だと聞かされても、どこか半信半疑ではあったが、いくらシュアリーが不適格だとしても、皆を納得させるには力ではなく、無駄でも時間が必要だと思ったのだろう。おかげでリオンは穏やかに陛下にも受け入れられた。
だが、アウラージュが精算まで行っていたとは思わなかった。自身が支払うことも出来ただろうが、サリキュース帝国からというのが動かしようもない重しになる。
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