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カヴェールア侯爵家の夜会1
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「お気遣いいただきありがとうございます。でしたら、参加させていただきます」
「良かったわ。カヴェールア侯爵は知らないけど、ローズマリーは契約結婚のことは知っているから、安心して頂戴」
「はい」
フアンアールは、マーガレットの交友関係まで詳しくは知らないが、ローズマリー夫人はきっと仲のいい方なのだろうと思った。
そうして、家族でカヴェールア侯爵家の夜会に出席することになった。
「ローズマリー!」
「マーガレット!」
ローズマリー・カヴェールアは抱き合って、微笑み合った。
「よく来てくれたわ」
「当然じゃない」
そして、ジスラット、ルジエールとフランアールに目を向け、頭を下げた。
「公爵様も、ルジエール様も、そして、まあフアンアール様も、ようこそお越しくださいました」
「お招きいただき、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
フランアールが挨拶をすると、ローズマリーはフランアールしか見えなくなった。
「結婚式も素晴らしかったけど、マーガレットからも聞いていたけど、美しいでは足りないほど、綺麗になられて……マーガレットが羨ましいわ」
「恐れ入ります」
「あれね、ルジエールも綺麗だと思っていたけど、やっぱり女性には敵わないわね」
「当たり前じゃない」
もうなんて言いながら、マーガレットとローズマリーは笑い合った。
マーガレットがルジエールもローズマリーとは仲が良いことは知っているために、確かに昔は綺麗だと言われていたことを思い出した。
その後、和やかに夜会は始まり、四人は料理やお酒を楽しくいただくことにした。
始まって、30分経ったくらいだろうか。入口の方が少し騒がしくなっており、フアンアールは興味本位でそちらを向いた。
「あれって」
「知り合いか?」
首を捻るフランアールに、二人でハムの食べ比べをしていために、ルジエールが声を掛けた。
「お互いに嫌い合っている同級生ですわ」
「えっ」
「サオン・ディードラスと、アリンダ・ディードラスです」
「嫌いなのか?」
「少々、因縁がありまして。ちょっと、ローズマリー夫人に伺って来ます」
そう言うと、フランアールはそそくさとローズマリー夫人の元へ向かった。
ローズマリーのそばまでに行くと、夫であるオベール・カヴェールアとの良くない会話が聞こえた。
「招いていない者が来たようね」
「どうするかな」
「ローズマリー夫人」
「まあ、どうされましたか?」
ローズマリーは突然現れたフランアールに驚くと同時に、美しい顔がすぐそばに来たことにも驚いていた。
「あの入り口付近で騒いでいるサオンとアリンダ、帰らせてよろしいのであれば、私に任せていただけませんか?」
「えっ、でも」
「実は二人とも同級生なのです。私のことが嫌いなので、おそらく私がいると知れば帰ると思います」
「まあ……帰らせるのは問題ないですけど」
「ディードラス公爵夫妻もいらしてましたよね?」
「いらしてはいるのだけど、今お話をされていてね。どうしようかと思っていたの」
夜会のホールは広いために、ディードラス公爵夫妻は話をしている最中であった。加えて、入口のそばにいたフランアールが気付いた程度で、騒ぎにはなっていない。
「まだ気付いていない方もいますから、すぐさま帰らせます。公爵様かご夫人にフランアールが呼んでいると、お話が終わったら、来てもらうように伝えていただけますか?」
「分かったわ」
「では、庭を少しお借りします」
フランアールは再び、入口の方へ向かい、二人の前に立ちはだかっていた。
「お久しぶりでございますわね」
「っな」
「どうしてあなたが……」
サオンとアリンダは、会いたくなかった目の前の存在に驚き、目をまん丸にさせていた。
「良かったわ。カヴェールア侯爵は知らないけど、ローズマリーは契約結婚のことは知っているから、安心して頂戴」
「はい」
フアンアールは、マーガレットの交友関係まで詳しくは知らないが、ローズマリー夫人はきっと仲のいい方なのだろうと思った。
そうして、家族でカヴェールア侯爵家の夜会に出席することになった。
「ローズマリー!」
「マーガレット!」
ローズマリー・カヴェールアは抱き合って、微笑み合った。
「よく来てくれたわ」
「当然じゃない」
そして、ジスラット、ルジエールとフランアールに目を向け、頭を下げた。
「公爵様も、ルジエール様も、そして、まあフアンアール様も、ようこそお越しくださいました」
「お招きいただき、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
フランアールが挨拶をすると、ローズマリーはフランアールしか見えなくなった。
「結婚式も素晴らしかったけど、マーガレットからも聞いていたけど、美しいでは足りないほど、綺麗になられて……マーガレットが羨ましいわ」
「恐れ入ります」
「あれね、ルジエールも綺麗だと思っていたけど、やっぱり女性には敵わないわね」
「当たり前じゃない」
もうなんて言いながら、マーガレットとローズマリーは笑い合った。
マーガレットがルジエールもローズマリーとは仲が良いことは知っているために、確かに昔は綺麗だと言われていたことを思い出した。
その後、和やかに夜会は始まり、四人は料理やお酒を楽しくいただくことにした。
始まって、30分経ったくらいだろうか。入口の方が少し騒がしくなっており、フアンアールは興味本位でそちらを向いた。
「あれって」
「知り合いか?」
首を捻るフランアールに、二人でハムの食べ比べをしていために、ルジエールが声を掛けた。
「お互いに嫌い合っている同級生ですわ」
「えっ」
「サオン・ディードラスと、アリンダ・ディードラスです」
「嫌いなのか?」
「少々、因縁がありまして。ちょっと、ローズマリー夫人に伺って来ます」
そう言うと、フランアールはそそくさとローズマリー夫人の元へ向かった。
ローズマリーのそばまでに行くと、夫であるオベール・カヴェールアとの良くない会話が聞こえた。
「招いていない者が来たようね」
「どうするかな」
「ローズマリー夫人」
「まあ、どうされましたか?」
ローズマリーは突然現れたフランアールに驚くと同時に、美しい顔がすぐそばに来たことにも驚いていた。
「あの入り口付近で騒いでいるサオンとアリンダ、帰らせてよろしいのであれば、私に任せていただけませんか?」
「えっ、でも」
「実は二人とも同級生なのです。私のことが嫌いなので、おそらく私がいると知れば帰ると思います」
「まあ……帰らせるのは問題ないですけど」
「ディードラス公爵夫妻もいらしてましたよね?」
「いらしてはいるのだけど、今お話をされていてね。どうしようかと思っていたの」
夜会のホールは広いために、ディードラス公爵夫妻は話をしている最中であった。加えて、入口のそばにいたフランアールが気付いた程度で、騒ぎにはなっていない。
「まだ気付いていない方もいますから、すぐさま帰らせます。公爵様かご夫人にフランアールが呼んでいると、お話が終わったら、来てもらうように伝えていただけますか?」
「分かったわ」
「では、庭を少しお借りします」
フランアールは再び、入口の方へ向かい、二人の前に立ちはだかっていた。
「お久しぶりでございますわね」
「っな」
「どうしてあなたが……」
サオンとアリンダは、会いたくなかった目の前の存在に驚き、目をまん丸にさせていた。
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