【完結】愛されて、愛されて、愛されて

野村にれ

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チャームポイント

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 契約結婚ということもあるために、わざわざルジエールに伝える必要はないと思うが、それでもフランアールのことならば、耳に入ってもおかしくはない。

 だが、意識的に隠されていると言うのならば、納得である。

 わざわざ言って回る必要もないことで、ヴァッサム公爵家なら、その程度を隠すことも難しいことではない。

 それでも、隠す理由は何だろうか。見た目とのギャップがあるせいだろうか。

 それとも、公爵令嬢が身体強化を使うというのは、それこそ騎士などであったら利点になるが、そうでなければ、あまり良い印象を与えないのかもしれない。

「ですので、私たちもなるべく人に見られぬように、隠すようにしております。なるべく、知られてはならぬ。新しい扉が開くと」
「新しい扉……?」
「はい、可愛いく美しいに、とても強いというスーパーハードなチャームポイントは、新しい扉を開く者がいると」

 ミハラとリルハも、リートルから至極真面目な顔で説明を受けたことであった。そして、ミハラとリルハも同様に至極真面目な顔で、その通りだと納得している。

 ゆえにフランアールが身体強化する場面は、見せないように気を配り、事後処理は慣れたものである。

「チャームポイント……」
「はい。可愛い、美しいは既に限界突破しておりますので、あとは追加のトッピングが増えぬようにと申し使っております」
「トッピング……」
「はい。私たちはクリーン担当でもありますので、鼻フックの後のフラン様の指は、それはもう丁寧に、丁寧に消毒いたしました」
「そうか……」

 もしかしたら、フランアールの周りは意外と血なまぐさいことが起きているのかもしれないと、ルジエールもゾワリとした。

 だが、詳細までは分からないが、これまで大変なこともあったと両親から聞いていたために、連れ去りやいたずらなどもあったのかもしれないとは考えていた。

 だか、強いのなら跳ねのける力がある。それは確かにミハラの言うように、身を守る武器になるだろう。

「自分の身は、自分で守れるというアピールにもなるのではないか?」
「ですから、新しい扉が開いたら、どうするのです?」
「え?」

 開いたとしても、今もあれだけ視線を向けられているのだから、そう変わりはないのではないかとルジエールは考えていた。

「例えばですよ?美しくて優秀な令嬢と言われて、この方が駄目でもこの方もいると、別の方を紹介することはできますでしょう?」
「ああ、そうだな」

 高位貴族の令嬢であれば、大半が幼い頃から教育を受けているために優秀で、その中から美しい方を選ぶとなっても、一人だけではないだろう。

「でも、可愛く美しいが限界突破した令嬢だけでも他にいませんのに、とても強いが加わったら、フラン様以外の方を紹介ができますか?」
「おそらく、できないな」

 まず可愛く美しいは限界突破した令嬢は、なかなかいない。

 というよりも、ミハラや、おそらくヴァッサム公爵家の方はフランアールのことを、可愛く美しいが限界突破していると思っていることも初めて知った。

 だが、皆のフランアールへの態度を見れば、頷ける。マーガレットもおそらく同じことを考えていそうである。

 そして、とても強い令嬢は騎士や魔術師にもいるかもしれないが、フランアールほどの視線を受ける女性はまずいないだろう。

 これも他国の相手を避けるのと同じで、どこに転がっているか分からない、揉め事や面倒事にならないようにし、ヴァッサム公爵家がフランアールを守るためでもあり、国をも守ることに繋がっていくのだろう。

「そういうことでございます」
「理解した、説明をありがとう。身体強化のことは黙っておいた方がいいのだな?」
「はい、そうしていただけると助かります」
「分かった」
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