愛されて、愛されて、愛されて

野村にれ

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問題児夫妻

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 ルジエールは部屋に戻り、ようやく正装を脱いだ。

 身体強化のことは驚くことではなかったが、過保護な割にミハラとリルハは護衛を兼ねていると言っても、護衛が少ないことが気になっていた。

 だか、本人が強いのであれば、これまた納得である。

 どれほどのものなのかは分からないが、とても強いと言っていたことから、並大抵ではないのかもしれない。

 ルジエールも実際の場面を見ることもあるかもしれない、いつか見てみたいと思うほどであった。

「パーティーはいかがでしたか?」

 ルジエールが出勤すると、エバンファストはパーティーに行くことは聞いていたために、様子を問い掛けた。

 上手くいっていると、ジスラットとマーガレットからは聞いているが、何かあればすぐに対処しなければと心構えはしている。

「ああ」
「まさか、何か問題が?」
「いや、そんなことはない」
「良かった……問題があったのかと思いました」

 大問題ならカサリアが何か言って来ると思うが、そうなってからでは遅い。

「っあ」
「あったのですか?」
「私ではない。ディードラス公爵家のサオンとアリンダが押し掛けて来たのだよ」
「ああっ、問題児夫妻ですね」

 サオンとアリンダは、セットで有名であるために、エバンファストも知っていた。

「それで、どうやらフランアールが天敵らしい」
「そういえば、同級生でしたね。あの二人とフランアール様は合わないでしょう。というよりは、あの二人とは誰も関わりたくないですよ」

 お互いにあまり友人はいなかったが、問題を起こすたびにどんどん離れていき、結婚してからは一緒にいても利点もないために、誰もいなくなってしまった。

 ゆえに、友人からもお誘いもないために、押し掛けている。

「招かれてもいないのに、やって来たそうだ」
「ああ、よくやっているそうですよ」
「そうなのか?」
「はい、それこそ呼ばれてもいないのに押し掛けて、公爵家の人間なのだからどこへでも出入りできるだろうと、追い返されることもあるそうですけど、追い返せない場合はとりあえず入れてから、デートライ公爵家に連絡するそうです」

 下位貴族はパーティーを開くことは少ない上に、もしあったとしても、サオンとアリンダの耳に入ることもない。

「ご両親が不憫だな……」

 結婚した息子を引き取りに行かなくてはならないのかと思うと、情けない気持ちでいっぱいだろう。

 特にこの前のパーティーでもあの二人が帰ってからも、終始、申し訳なさそうにしていた姿を見ていたために、可哀想な気持ちの方が強かった。

「はい、とは言っても親ですからね……お兄さんが迎えに行くこともあるそうです。暴れたり、陰湿なことをするような質ではないことだけが救いというか」

 サオンの兄である嫡男は、両親同様にまともである。

「馬鹿なだけではないか?」
「だから良いんですよ!頭が良かったらあんな風になっていませんから、浅はかなんです。だから、飼い殺しにされているんですよ。二人も追い出されたら生きてはいけないと思っているために、悪事を働くわけではないんです」

 確かにあんな二人が追い出されたら、絶対に生きていけないだろう。

 とは言っても、公爵家の血筋ということで、市井に放り出しても、面倒なことに巻き込まれる可能性もある。

 ミハラも同じようなことを言っていたために、皆の共通認識なのだろう。

「それがパーティーに押し掛けるに繋がるのか」
「そういうことでしょうね、天敵ということは近付いては来ないでしょう」
「ああ、そうだな」

 さすがに鼻フックをしたためにとは言えないが、近付きたくないのは相当だろう。

「あの二人は外術か?」
「一応、そうだったはずです。生活魔法程度だったと思いますが」
「そうか」

 そうなると、身体強化には敵わないだろう。敵えば、鼻フックなどされていない。
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