33 / 43
問題児夫妻
しおりを挟む
ルジエールは部屋に戻り、ようやく正装を脱いだ。
身体強化のことは驚くことではなかったが、過保護な割にミハラとリルハは護衛を兼ねていると言っても、護衛が少ないことが気になっていた。
だか、本人が強いのであれば、これまた納得である。
どれほどのものなのかは分からないが、とても強いと言っていたことから、並大抵ではないのかもしれない。
ルジエールも実際の場面を見ることもあるかもしれない、いつか見てみたいと思うほどであった。
「パーティーはいかがでしたか?」
ルジエールが出勤すると、エバンファストはパーティーに行くことは聞いていたために、様子を問い掛けた。
上手くいっていると、ジスラットとマーガレットからは聞いているが、何かあればすぐに対処しなければと心構えはしている。
「ああ」
「まさか、何か問題が?」
「いや、そんなことはない」
「良かった……問題があったのかと思いました」
大問題ならカサリアが何か言って来ると思うが、そうなってからでは遅い。
「っあ」
「あったのですか?」
「私ではない。ディードラス公爵家のサオンとアリンダが押し掛けて来たのだよ」
「ああっ、問題児夫妻ですね」
サオンとアリンダは、セットで有名であるために、エバンファストも知っていた。
「それで、どうやらフランアールが天敵らしい」
「そういえば、同級生でしたね。あの二人とフランアール様は合わないでしょう。というよりは、あの二人とは誰も関わりたくないですよ」
お互いにあまり友人はいなかったが、問題を起こすたびにどんどん離れていき、結婚してからは一緒にいても利点もないために、誰もいなくなってしまった。
ゆえに、友人からもお誘いもないために、押し掛けている。
「招かれてもいないのに、やって来たそうだ」
「ああ、よくやっているそうですよ」
「そうなのか?」
「はい、それこそ呼ばれてもいないのに押し掛けて、公爵家の人間なのだからどこへでも出入りできるだろうと、追い返されることもあるそうですけど、追い返せない場合はとりあえず入れてから、デートライ公爵家に連絡するそうです」
下位貴族はパーティーを開くことは少ない上に、もしあったとしても、サオンとアリンダの耳に入ることもない。
「ご両親が不憫だな……」
結婚した息子を引き取りに行かなくてはならないのかと思うと、情けない気持ちでいっぱいだろう。
特にこの前のパーティーでもあの二人が帰ってからも、終始、申し訳なさそうにしていた姿を見ていたために、可哀想な気持ちの方が強かった。
「はい、とは言っても親ですからね……お兄さんが迎えに行くこともあるそうです。暴れたり、陰湿なことをするような質ではないことだけが救いというか」
サオンの兄である嫡男は、両親同様にまともである。
「馬鹿なだけではないか?」
「だから良いんですよ!頭が良かったらあんな風になっていませんから、浅はかなんです。だから、飼い殺しにされているんですよ。二人も追い出されたら生きてはいけないと思っているために、悪事を働くわけではないんです」
確かにあんな二人が追い出されたら、絶対に生きていけないだろう。
とは言っても、公爵家の血筋ということで、市井に放り出しても、面倒なことに巻き込まれる可能性もある。
ミハラも同じようなことを言っていたために、皆の共通認識なのだろう。
「それがパーティーに押し掛けるに繋がるのか」
「そういうことでしょうね、天敵ということは近付いては来ないでしょう」
「ああ、そうだな」
さすがに鼻フックをしたためにとは言えないが、近付きたくないのは相当だろう。
「あの二人は外術か?」
「一応、そうだったはずです。生活魔法程度だったと思いますが」
「そうか」
そうなると、身体強化には敵わないだろう。敵えば、鼻フックなどされていない。
身体強化のことは驚くことではなかったが、過保護な割にミハラとリルハは護衛を兼ねていると言っても、護衛が少ないことが気になっていた。
だか、本人が強いのであれば、これまた納得である。
どれほどのものなのかは分からないが、とても強いと言っていたことから、並大抵ではないのかもしれない。
ルジエールも実際の場面を見ることもあるかもしれない、いつか見てみたいと思うほどであった。
「パーティーはいかがでしたか?」
ルジエールが出勤すると、エバンファストはパーティーに行くことは聞いていたために、様子を問い掛けた。
上手くいっていると、ジスラットとマーガレットからは聞いているが、何かあればすぐに対処しなければと心構えはしている。
「ああ」
「まさか、何か問題が?」
「いや、そんなことはない」
「良かった……問題があったのかと思いました」
大問題ならカサリアが何か言って来ると思うが、そうなってからでは遅い。
「っあ」
「あったのですか?」
「私ではない。ディードラス公爵家のサオンとアリンダが押し掛けて来たのだよ」
「ああっ、問題児夫妻ですね」
サオンとアリンダは、セットで有名であるために、エバンファストも知っていた。
「それで、どうやらフランアールが天敵らしい」
「そういえば、同級生でしたね。あの二人とフランアール様は合わないでしょう。というよりは、あの二人とは誰も関わりたくないですよ」
お互いにあまり友人はいなかったが、問題を起こすたびにどんどん離れていき、結婚してからは一緒にいても利点もないために、誰もいなくなってしまった。
ゆえに、友人からもお誘いもないために、押し掛けている。
「招かれてもいないのに、やって来たそうだ」
「ああ、よくやっているそうですよ」
「そうなのか?」
「はい、それこそ呼ばれてもいないのに押し掛けて、公爵家の人間なのだからどこへでも出入りできるだろうと、追い返されることもあるそうですけど、追い返せない場合はとりあえず入れてから、デートライ公爵家に連絡するそうです」
下位貴族はパーティーを開くことは少ない上に、もしあったとしても、サオンとアリンダの耳に入ることもない。
「ご両親が不憫だな……」
結婚した息子を引き取りに行かなくてはならないのかと思うと、情けない気持ちでいっぱいだろう。
特にこの前のパーティーでもあの二人が帰ってからも、終始、申し訳なさそうにしていた姿を見ていたために、可哀想な気持ちの方が強かった。
「はい、とは言っても親ですからね……お兄さんが迎えに行くこともあるそうです。暴れたり、陰湿なことをするような質ではないことだけが救いというか」
サオンの兄である嫡男は、両親同様にまともである。
「馬鹿なだけではないか?」
「だから良いんですよ!頭が良かったらあんな風になっていませんから、浅はかなんです。だから、飼い殺しにされているんですよ。二人も追い出されたら生きてはいけないと思っているために、悪事を働くわけではないんです」
確かにあんな二人が追い出されたら、絶対に生きていけないだろう。
とは言っても、公爵家の血筋ということで、市井に放り出しても、面倒なことに巻き込まれる可能性もある。
ミハラも同じようなことを言っていたために、皆の共通認識なのだろう。
「それがパーティーに押し掛けるに繋がるのか」
「そういうことでしょうね、天敵ということは近付いては来ないでしょう」
「ああ、そうだな」
さすがに鼻フックをしたためにとは言えないが、近付きたくないのは相当だろう。
「あの二人は外術か?」
「一応、そうだったはずです。生活魔法程度だったと思いますが」
「そうか」
そうなると、身体強化には敵わないだろう。敵えば、鼻フックなどされていない。
1,018
あなたにおすすめの小説
溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。
ふまさ
恋愛
いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。
「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」
「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」
ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。
──対して。
傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
彼女の離縁とその波紋
豆狸
恋愛
夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
【完結】あなたの愛は今どこにありますか
野村にれ
恋愛
頭では理由を付けて分かった振りをしても、理屈ではない。
分かりたくないことは、受け入れられない。
どうしても、叶わないことはある。
それならば、私はどうするべきか。どう生きて行くべきか。
(ひどく捻くれた話になっております)
[完結]裏切りの果てに……
青空一夏
恋愛
王都に本邸を構える大商会、アルマード男爵家の一人娘リリアは、父の勧めで王立近衛騎士団から引き抜かれた青年カイルと婚約する。
彼は公爵家の分家筋の出身で、政争で没落したものの、誇り高く優秀な騎士だった。
穏やかで誠実な彼に惹かれていくリリア。
だが、学園の同級生レオンのささやいた一言が、彼女の心を揺らす。
「カイルは優しい人なんだろ? 君が望めば、何でもしてくれるはずさ。
でも、それは――仕事だからだよ。結婚も仕事のうちさ。
だって、雇い主の命令に逆らえないでしょ?
君に好意がなくても、義務でそうするんだ」
その言葉が頭から離れないリリアは、カイルの同僚たちに聞き込み、彼に病気の家族がいると知った。「治療費のために自分と結婚するの?」 そう思い込んだリリアに、父母がそろって事故死するという不幸が襲う。
レオンはリリアを惑わし、孤立させ、莫大な持参金を持って自分の元へ嫁ぐように仕向けるのだった。
だが、待っていたのは愛ではなく、孤独と裏切り。
日差しの差さない部屋に閉じ込められ、心身を衰弱させていくリリア。
「……カイル、助けて……」
そう呟いたとき。動き出したのは、かつて彼女を守ると誓った男――カイル・グランベルだった。そしてリリアも自らここを抜けだし、レオンを懲らしめてやろうと決意するようになり……
今、失われた愛と誇りを取り戻す物語が始まる。
[完結]思い出せませんので
シマ
恋愛
「早急にサインして返却する事」
父親から届いた手紙には婚約解消の書類と共に、その一言だけが書かれていた。
同じ学園で学び一年後には卒業早々、入籍し式を挙げるはずだったのに。急になぜ?訳が分からない。
直接会って訳を聞かねば
注)女性が怪我してます。苦手な方は回避でお願いします。
男性視点
四話完結済み。毎日、一話更新
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる