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事件5
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「フランには、また嫌な思いをしてしまったのだな……」
ラルフリードはフランアールが泣いていたり、悲しそうな顔をしていても辛かったが、今は諦めたように平気な顔で、襲って来た者を連れて来ることも苦しかった。
この前もあったのに、ビードルトラン公爵邸でもやはり起こってしまったかと落胆するしかなかった。
「慣れていると言われて、胸が苦しくなりました」
「そうだろう?あの子は苦労して来たのだよ……王妃が美味しい物でもご馳走すると言っていたから、快く送り出してやってくれ」
リアローズはフランアールが喜び、驚くような料理を嫁たちと考えている。
「勿論でございます」
「平気な顔をしているが、悲しいに決まっている」
「はい……」
「最初はな、ヴァッサム公爵、前公爵の方だが、それはもう手が付けられないほど怒り狂って、こちらも気持ちとしては同じだが、これでは殺しかねないと思ってな。正直、死ねばいいと思う奴もいたがな」
最後の言葉は一体何があったのかと思ったが、幼い頃からなら死ねばいいと思う者の方が大半だろうと、ジスラットもルジエールも考えていた。
「どうにか抑えてもらい、王家に連れて来るように言い、今はフランアールにもそのように伝えてある」
「何か問題がある者が多いと聞きました」
「ああ、フランアールも困惑し、自分のせいだと責めていることもあったのだよ。だから、素性をしっかり調べた。そうしたら、不思議とまともな者はいない。異常者ばかりであった」
フランアールに碌な人間じゃないと示そうと調べたのだが、本当にまともな者がいなかった。
「男性の場合は暴力、女性関係、借金、ギャンブルなどと聞きました」
ルジエールは一体、どれほどの者が捕まったのかと思ったが、カイシュが当てはまるのなら、どんな人間がいるのかと問い掛けた。
「ああ、露出狂という者もいた」
「っひ、失礼しました」
ジスラットは思わず声を上げてしまい、口を押えた。
「女性もいるのですよね?」
「ああ、男性と似たような者や、子どもにする、妹にする、ただ愛するはまだ良い方で、私だけの人形にするという者もいた」
「う……」
ルジエールも口元を押さえ、フランアールが対処できるとはいえ、もしも出来なかったらそんな目に遭っていたのかと思うと、寒気と吐き気がした。
「気分が悪くなるだろう……だが、真剣にそう言うのだ。とにかくおかしいのだ」
「はい、カイシュ・ペーンズも話になりませんでした」
「ああ、一目見てなどではなく時間を掛けて、思い込んだ結果だろうからな。すぐに自分がおかしいとは受け入れないのだよ」
おそらく、たくさんの異常者を見続けてきているラルフリードには、説得力があった。
「素行に問題はなくとも、執着心の強い者も多く、異常者だと言っていい。フランアールの絵姿を部屋中に貼っていた者もいた」
「っ」
「フランアールには言っていないから、言うなよ。気味が悪いだろう」
「はい」
そんなことフランアールにわざわざ聞かせることではない。
「ヴァッサム公爵家が過剰になるのもよく理解いたしました」
「ああ、だからと言って、出掛けず、人にも会わず、そんな生活をさせらたら嫌だろう?」
「はい」
「王宮でもあったのだよ、私たちも可愛がっていたからね」
王宮なら大丈夫だろうと思い、兄と姉とともに呼び寄せて皆で可愛がっていたが、そこでも同様のことが起きた。
「王宮でもですか」
「挨拶しただけの者、挨拶すらしていない者。だがな手癖の悪い者だったり、いじめを行っている者だった」
「まさに炙り出したということですか」
「ああ、図らずしもな……皆、いなくなって清々していた」
何も知らない方は良かったと言えるだろうが、フランアールのことを知っている方は良かったとは口にできなかっただろう。
ラルフリードはフランアールが泣いていたり、悲しそうな顔をしていても辛かったが、今は諦めたように平気な顔で、襲って来た者を連れて来ることも苦しかった。
この前もあったのに、ビードルトラン公爵邸でもやはり起こってしまったかと落胆するしかなかった。
「慣れていると言われて、胸が苦しくなりました」
「そうだろう?あの子は苦労して来たのだよ……王妃が美味しい物でもご馳走すると言っていたから、快く送り出してやってくれ」
リアローズはフランアールが喜び、驚くような料理を嫁たちと考えている。
「勿論でございます」
「平気な顔をしているが、悲しいに決まっている」
「はい……」
「最初はな、ヴァッサム公爵、前公爵の方だが、それはもう手が付けられないほど怒り狂って、こちらも気持ちとしては同じだが、これでは殺しかねないと思ってな。正直、死ねばいいと思う奴もいたがな」
最後の言葉は一体何があったのかと思ったが、幼い頃からなら死ねばいいと思う者の方が大半だろうと、ジスラットもルジエールも考えていた。
「どうにか抑えてもらい、王家に連れて来るように言い、今はフランアールにもそのように伝えてある」
「何か問題がある者が多いと聞きました」
「ああ、フランアールも困惑し、自分のせいだと責めていることもあったのだよ。だから、素性をしっかり調べた。そうしたら、不思議とまともな者はいない。異常者ばかりであった」
フランアールに碌な人間じゃないと示そうと調べたのだが、本当にまともな者がいなかった。
「男性の場合は暴力、女性関係、借金、ギャンブルなどと聞きました」
ルジエールは一体、どれほどの者が捕まったのかと思ったが、カイシュが当てはまるのなら、どんな人間がいるのかと問い掛けた。
「ああ、露出狂という者もいた」
「っひ、失礼しました」
ジスラットは思わず声を上げてしまい、口を押えた。
「女性もいるのですよね?」
「ああ、男性と似たような者や、子どもにする、妹にする、ただ愛するはまだ良い方で、私だけの人形にするという者もいた」
「う……」
ルジエールも口元を押さえ、フランアールが対処できるとはいえ、もしも出来なかったらそんな目に遭っていたのかと思うと、寒気と吐き気がした。
「気分が悪くなるだろう……だが、真剣にそう言うのだ。とにかくおかしいのだ」
「はい、カイシュ・ペーンズも話になりませんでした」
「ああ、一目見てなどではなく時間を掛けて、思い込んだ結果だろうからな。すぐに自分がおかしいとは受け入れないのだよ」
おそらく、たくさんの異常者を見続けてきているラルフリードには、説得力があった。
「素行に問題はなくとも、執着心の強い者も多く、異常者だと言っていい。フランアールの絵姿を部屋中に貼っていた者もいた」
「っ」
「フランアールには言っていないから、言うなよ。気味が悪いだろう」
「はい」
そんなことフランアールにわざわざ聞かせることではない。
「ヴァッサム公爵家が過剰になるのもよく理解いたしました」
「ああ、だからと言って、出掛けず、人にも会わず、そんな生活をさせらたら嫌だろう?」
「はい」
「王宮でもあったのだよ、私たちも可愛がっていたからね」
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「王宮でもですか」
「挨拶しただけの者、挨拶すらしていない者。だがな手癖の悪い者だったり、いじめを行っている者だった」
「まさに炙り出したということですか」
「ああ、図らずしもな……皆、いなくなって清々していた」
何も知らない方は良かったと言えるだろうが、フランアールのことを知っている方は良かったとは口にできなかっただろう。
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