【完結】愛されて、愛されて、愛されて

野村にれ

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事件6

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「魅了に似ていると感じます」
「ルジエールもそう思うか」
「はい、ですがフランアールは内術者ですから不可能です」
「返せることは見たのだったな」

 フランアールから前回の異常者を連れて来た際に、ルジエールには見せたこと聞いていた。そばにいれば、見ることはあるだろうと思っていた。

「はい、驚きました」
「だろうな、だがおかげでフランアールは自分で守ることができる。研究材料にすることは許さぬぞ?」
「分かっております」

 ヴァッサム公爵家が許すはずがなく、元より提案する気もなかったが、王家も許さないとなれば、考えは捨てるしかない。

「フランは囮のようですわねと言っていたこともあった」
「囮……」
「ああ、おかしな者を誘き出す囮だよ。そんなこと望んでいないが、実際はどうだ?問題を抱えた者や、いずれ問題を起こしたかもしれないだろう?」
「はい」
「役に立てたなら良かったなんて言っていたこともあって、王妃は泣いておった」
「はい……」

 ミハラとリルハもおいたわしいと悲しんでいたように、王家でも同じようにフランアールのことを考え、胸を痛めていたのだろう。

「刺客かと思ったと申しておりました」
「夜中に忍び込んでくればそう思うだろう。しかも風魔法を放ったのなら、間違いでもあるまい」
「はい」

 カイシュがどのような罪に問われ、どのような罰になるのか口を出すことではないが、二度と見ることはないではないかと思った。

「カイシュ・ペーンズもしっかり調べて、そちらにも知らせよう」
「よろしくお願いいたします」
「よろしくお願いいたします」

 ルジエールはそのまま仕事へ、ジスラットは邸に帰って行き、ラルフリードはカイシュ・ペーンズのことを調べるように告げた。

 出勤してきたエバンファストは、いつもは自分が先に出勤するために、先にいたルジエールに驚いた。

「お早いですね、おはようございます」
「ああ、ちょっとな」
「何かありましたか?」
「我が家の護衛騎士が、フランアールの部屋に忍び込んだ」
「っな」

 エバンファストはルジエールの顔色の悪さを、理解した。

「捕らえて、既に国王陛下に渡した……」
「そうでしたか……カサリアともしかしたらと話をしていたのです」
「ん?」
「リングス侯爵家でも、使用人がフランアール様を抱きかかえて逃げようとしたそうです。弾き飛ばされていたそうですが……」
「そうだったか、その者も国王陛下に引き渡されていることだろう」

 リングス侯爵家でも起きていたのかと思ったが、友人の邸なのだから、度々行くことがあり、怒ってしまったのだろう。

「そのようにおっしゃっていましたね。カサリアがビードルトラン公爵家では起きていないと話していたところだったのです……」

 まるで予知したかのように起きたことで、リングス侯爵家も責任を感じたようにルジエールも感じており、エバンファストは申し訳ない気持ちにもなっていた。

「起きたよ……話したこともないのに」
「話したことも?」
「ああ、カイシュ・ペーンズなのだが」
「ペーンズ子爵家でしたか」

 ルジエールは護衛を必要としていないために、エバンファストはビードルトラン公爵家の護衛騎士とはあまり関わりがなかった。

「ああ」
「話していないのに、フランアール様と関わりがあったのですか?」
「いや、フランアールはヴァッサム公爵家から侍女も護衛も付けている。洗濯や掃除はメイドに任せているが、部屋でのことは侍女が行っているんだ。そのように、あまり関わらないようにしていたのだと思う」
「それも予防だったのですね」
「ああ、気のしれた者たちの方がいいと思っていたが、そうではなかった」

 契約結婚ということもあって、不思議には思わなかったが、ミハラとリルハ、護衛たちも、何よりもフランアール自身が今回のようなことを危惧していたのだと分かった。

「そうでしたか」
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