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ヴァッサム公爵夫妻1
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「お時間を取っていただき、ありがとうございます」
「ああ、構わないが、何の話だろうか?マドール辺境伯領のことなら、フランからも陛下からも聞いたが?そのことか?」
「いえ、実はお伺いをしたいことがございまして……」
何やら緊張をしている様子のルジエールに、リートルとルキュアは一体何の話なのか、見当もつかなかった。
「ああ、何だろうか?フランに何かあったということはないだろうからな」
「はい、それは……今日も元気に孤児院に行きました」
「そうか」
ルジエールはいつも二人の前でも堂々としており、フランアールに何かあったのなら、ルジエールが来る前に情報が来るだろうと、娘については心配していない。
今日も孤児院に行ったのかとしか思っていない。
「実は……私は魔力が多く、結婚相手、一生一緒にいる相手も、魔力の相性を重視しておりました」
「ああ、それはカサリア夫人からもビードルトラン公爵からも伺っている」
最初からカサリアに、ルジエールが魔力の相性を重視していることを聞いており、さらにジスラットからも説明を受けていた。
「はい、それで」
「ああ!なるほど、見付かったということなのか」
「そういうことね」
ルキュアも黙って聞いていたが、リートルの言葉にようやく緊張している理由が分かり、申し訳ない気持ちなのだと察した。
「最初から分かっていたことなのだから、フランも私たちも何も責めるようなことはないよ。心配しなくていい。相手が誰かも詮索したりしない」
「そうですよ、フランも気にもしませんわよ」
その言葉はルジエールの胸をグサリグサリと、刺し続けていた。
「それで、緊張していたんだね」
「それはね、いくら契約結婚でも緊張するかもしれないわね」
これが契約結婚でなかったら、二人は怒り狂っていただろうが、わざわざ律儀に話に来てくれたのだなとしか思っていない。
「違うんです!実は、相手がフランアール様なんです!申し訳ございません!」
ルジエールは言ってしまえと、二人の顔は見ずに頭を下げる形で告げた。
フランアールと呼ぶようになっていたが、二人の前で呼び捨ても、夫人というのも憚られたために、敬意も含めて様と呼ぶことにした。
「え?」
「んん?」
リートルとルキュアは、正直、フランアールの夫という立場ではあるルジエールについては、最低限きちんとしていればいいくらいにしか思っていなかった。
女性と噂が出たとしても、それそこ相性のいい相手なのかと思ったかもしれない。
「あの相性がいい相手というのが、フランアールだと言うのか?だが、今、なぜ?まさか最初から分かっていたのか?」
「いいえ!それは違います!」
騙したと思われていると、ルジエールは慌てて否定した。
「この前、マドール辺境伯領で治癒術で治してもらいまして、その際に気付いたのです」
「それで魔力が……そうか、そういうことか」
「どういうこと?」
ルキュアはよく分かっていないようで、リートルに問い掛けた。
「フランの魔力は外に出ない、感じることは通常はできないということだ。だが、治癒術は感じることができたということだろう?」
「その通りです。魔力に惹かれたなど不誠実だと思われて仕方ないと思っております……」
言われる前にルジエールは白状した。
「魔力のことをあまり考えたこともなかったから、魔力の多い魔術師はそんな風に考えるのね」
「申し訳ございません」
「では、ルジエール様はフランとこれからも結婚を続けたいと思っているの?」
「はい、その通りです。フランアールにはまだ話しておりません」
「まあ……驚きの展開ね」
「ああ、まさかこんなことになるとは……」
フランアールはいずれ戻って来ると思っていた二人は、待ち侘びていたわけではないが、複雑な気持ちであった。
「やはり反対でしょうか?」
「ああ、構わないが、何の話だろうか?マドール辺境伯領のことなら、フランからも陛下からも聞いたが?そのことか?」
「いえ、実はお伺いをしたいことがございまして……」
何やら緊張をしている様子のルジエールに、リートルとルキュアは一体何の話なのか、見当もつかなかった。
「ああ、何だろうか?フランに何かあったということはないだろうからな」
「はい、それは……今日も元気に孤児院に行きました」
「そうか」
ルジエールはいつも二人の前でも堂々としており、フランアールに何かあったのなら、ルジエールが来る前に情報が来るだろうと、娘については心配していない。
今日も孤児院に行ったのかとしか思っていない。
「実は……私は魔力が多く、結婚相手、一生一緒にいる相手も、魔力の相性を重視しておりました」
「ああ、それはカサリア夫人からもビードルトラン公爵からも伺っている」
最初からカサリアに、ルジエールが魔力の相性を重視していることを聞いており、さらにジスラットからも説明を受けていた。
「はい、それで」
「ああ!なるほど、見付かったということなのか」
「そういうことね」
ルキュアも黙って聞いていたが、リートルの言葉にようやく緊張している理由が分かり、申し訳ない気持ちなのだと察した。
「最初から分かっていたことなのだから、フランも私たちも何も責めるようなことはないよ。心配しなくていい。相手が誰かも詮索したりしない」
「そうですよ、フランも気にもしませんわよ」
その言葉はルジエールの胸をグサリグサリと、刺し続けていた。
「それで、緊張していたんだね」
「それはね、いくら契約結婚でも緊張するかもしれないわね」
これが契約結婚でなかったら、二人は怒り狂っていただろうが、わざわざ律儀に話に来てくれたのだなとしか思っていない。
「違うんです!実は、相手がフランアール様なんです!申し訳ございません!」
ルジエールは言ってしまえと、二人の顔は見ずに頭を下げる形で告げた。
フランアールと呼ぶようになっていたが、二人の前で呼び捨ても、夫人というのも憚られたために、敬意も含めて様と呼ぶことにした。
「え?」
「んん?」
リートルとルキュアは、正直、フランアールの夫という立場ではあるルジエールについては、最低限きちんとしていればいいくらいにしか思っていなかった。
女性と噂が出たとしても、それそこ相性のいい相手なのかと思ったかもしれない。
「あの相性がいい相手というのが、フランアールだと言うのか?だが、今、なぜ?まさか最初から分かっていたのか?」
「いいえ!それは違います!」
騙したと思われていると、ルジエールは慌てて否定した。
「この前、マドール辺境伯領で治癒術で治してもらいまして、その際に気付いたのです」
「それで魔力が……そうか、そういうことか」
「どういうこと?」
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「フランの魔力は外に出ない、感じることは通常はできないということだ。だが、治癒術は感じることができたということだろう?」
「その通りです。魔力に惹かれたなど不誠実だと思われて仕方ないと思っております……」
言われる前にルジエールは白状した。
「魔力のことをあまり考えたこともなかったから、魔力の多い魔術師はそんな風に考えるのね」
「申し訳ございません」
「では、ルジエール様はフランとこれからも結婚を続けたいと思っているの?」
「はい、その通りです。フランアールにはまだ話しておりません」
「まあ……驚きの展開ね」
「ああ、まさかこんなことになるとは……」
フランアールはいずれ戻って来ると思っていた二人は、待ち侘びていたわけではないが、複雑な気持ちであった。
「やはり反対でしょうか?」
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