【完結】愛されて、愛されて、愛されて

野村にれ

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複雑2

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「それでヴァッサム公爵夫妻に話をしに行こうかと思っておりまして」
「そうね、話は通しておいた方がいいわね」
「フランアールに言う前にか?そもそも、言っていないのだよな?」

 フランアールは何も言っていなかったことから、ルジエールは伝えていないと思っていたが、念のために確認をした。

「言っておりません。今話しても、断られるでしょうから」
「そうね。あなたを嫌ってはいないでしょうけど、これは契約結婚ですからね」
「はい……」

 ジスラットはこのまま結婚を続けてもらえるのなら嬉しい気持ちが勝っていたが、マーガレットはフランアールは優しいために、自分たちがルジエール側になれば、気を揉むことになるだろうと項垂れた。

「フランちゃんの意思を尊重します」
「マーガレットッ」
「正直、これが普通の結婚だったとして、フランちゃんの特殊な力のせいであっても、護衛騎士が夜中に侵入した家なのよ?鍵を盗んで、侵入して……十分な離縁の理由になるわ」

 カイシュ・ペーンズは鍵を盗んで複製して、忍び込むのを狙っていた。既に鍵は変えて、管理も邸には置かずに侍女に任せることになった。

 閉じ込められたとしても、ルジエールが魔術で、フランアール自身が力で破壊すればいい。

「それは……」
「いくら強くても、安全ではない家にいたくないかもしれないじゃない」
「それは他家でも……」
「それは理由にならないわ」
「そうだな……」

 契約結婚でも邸に住むことはフランアールも了承せざる得ないが、実家は変わることはなくても、婚家は縁が切れれば終わりである。印象は良くないだろう。

「エバンがフランアールは現実的だから、何か結婚を続けることで利があることが重要だと」
「あなたに愛の告白をされても、惹かれたのは魔力ですなんて言われてもね」
「やっぱり、駄目ですよね」
「まあ、見た目は致死量くらい褒められているでしょうから、それよりはいいかもしれませんけど」
「致死量……」
「そうでしょうよ、私だってついつい口から出ちゃうもの」
「ああ、私も気付くと呟いてしまう……」
「は、い……」

 ビードルトラン公爵邸にいるだけでも、この二人から褒められている。ヴァッサム公爵家でも同様だろう。

「それか契約をどうにか伸ばしてもらうかと……」
「その間に、愛を育むの?あなたに、育める?花を贈ったり、アクセサリーを贈ったりなんて考えているのでしょう?」
「駄目ですか?」
「百歩譲って花はいいかもしれませんけど、フランちゃんは物を欲しがる子ではないでしょう?」
「っあ」
「アクセサリーもお気に入りの物を付けて大事にしています。ドレスも最低限ですし、コンペです」
「そうでした」

 孤児院や母子保護施設で必要な物は購入しているようだが、自分の物は生活に必要な物程度である。

 知らない人目がある場は控えているために、カフェに行ってお茶を飲んで、ケーキを食べるようなことすらない。

「それでも、家同士の契約でもありますから、まずはヴァッサム公爵夫妻に話をするのが筋ではないかと考えました。その後で、フランアールに話をするか、考えたいと思っております」
「分かった、私からお時間をいただけないか聞いてみよう」
「ありがとうございます、よろしくお願いいたします」

 フランアールの答えが一番重要で、あちらも同じ考えだとは思うが、実際にリートルとルキュアがどうお考えかは、聞いておく必要はあると思った。

 お互いに忙しい身のために都合の良い日を合わせて、ルジエールはリートルとルキュア夫妻に会うことになった。

 契約結婚であるために、会えば挨拶をする程度の間柄で、カイシュのことで説明と謝罪には伺ったことはあったが、それ以外で足を運ぶこと自体が初めてであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本日もお読みいただきありがとうございます。

こちらの作品は今週中に最終回を迎える予定です。

途中で止まってしまい、ご迷惑をお掛けしましたが、
ようやく終わりが見えました。

本日は1日2話、投稿させていただきます。
いつも17時に、もう1話を投稿します。

最後までどうぞよろしくお願いいたします。
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