78 / 196
再調査7
「香水…ワインが多いようですね、後は娯楽小説も」
「香水は水不足の影響で、お風呂の事情が変わりましたから、体臭を気にしてでしょうね。ワインは前年度の物でしょう」
現在、ワインのぶどうが上手く育たず、自国のワインは減少している。
「娯楽小説は、令嬢や夫人の間で今でも流行っております」
「我が国でも読まれております。特に、気になるようなものはなさそうですね…ん?これは何でしょうか、マックスデイズ?」
ルイズはその言葉を、メーリン王女殿下に言わせてしまったことを後悔した。
「それは、男性の精力剤だそうです…」
「あ…」
「申し訳ありません」
ルイズも何か分からなかったが、知っていた調査員が言い辛そうに、答えを言ったのである。夫人の性欲が強いということを話したために、察してくれるはずではあるが、何とも口にし辛い話である。
夫たちは妻に応えるために、服用していたのである。今でも服用している者も、いるだろうとのことだった。
「い、いえ…そのような物がありますのね」
「はい…そのようです」
「でも輸入は…」
ルイズはその言葉に、メーリン王女殿下はそんなものより輸入する物があるだろうと思われたのだと、気付いた。
「輸入した物ではなく、我が国にあった物だったそうですが、この頃からよく売れるようになったそうです」
取り扱っていたのはアニバーサリーではなかった。アニバーサリーがあれば、別の精力剤もあっただろうが、国内で扱っている物で、一番人気があったのが、このマックスデイズだった。
夫たちの間で、口コミで広がって行き、妻たちには内緒で服用していた。バレてしまった者もいるそうだが、愛していないのか、魅力がないというのかと喧嘩になったりしたそうだ。
妻が妊娠すれば、お誘いがなくなり、あっても妊娠中だからと穏便に断ることが出来るために、当分マックスデイズを服用しなくていいというほどであったそうだ。
ゆえに、妻が妊娠している方が、夫たちにとっては喜ばしい時間になっていた。
だからこそ、子どもが増えたとも言える。だが、それは妻の性欲が強いことが、そもそもの発端である。
それでも、子どもにはお金が掛かる。さすがにもう妊娠はさせられないと、避妊して付き合う夫もいたが、妻が不貞に走ったりということが起きたそうだ。
親子鑑定が盛んに行われて、離縁されていることも調査員たちも一部は把握はしているが、さすがに国の恥であるためにハビット王国には伝えることは出来ない。
事情を話した夫もいるが、血の繋がっていない子どもだったではなく、妻が何人か連れて実家に戻ったという風にした夫婦もいる。
一つ不思議だとすれば、探せばもしかしたらいるのかもしれないが、王太子夫妻と同じ世代の夫の方に隠し子がいることはいないことである。
婿に入って、離縁した者もいるが、何人かの子どもを連れて戻ったりしているが、おそらく妻の産んだ夫の子どもだけを連れて戻ったのだろうと考えられている。
ルイズの世代は誇れることではないのだが、いるならば夫の方に愛人、隠し子がいることが圧倒的に多かった。
「そうでしたか、失礼しました」
「いえ、こちらこそ王女殿下に申し訳ございません」
「いいえ、私が訊ねたのですから、問題ありません。後は…珍しい物は見当たらないようですね」
その他にも、食べ物や服装ついてなども書かれていたが、知らない物はなく、天候の変化と大きな商会がなくなったことで理由が付く物であった。
「そうですか」
「追加で調査した方がいいことはありますか?」
「今のところ、私の方からはありません」
「承知しました、もし何かあれば教えてください」
滞在期間はまだあるために、ひとまず一通り目を通す作業は終わった。
「香水は水不足の影響で、お風呂の事情が変わりましたから、体臭を気にしてでしょうね。ワインは前年度の物でしょう」
現在、ワインのぶどうが上手く育たず、自国のワインは減少している。
「娯楽小説は、令嬢や夫人の間で今でも流行っております」
「我が国でも読まれております。特に、気になるようなものはなさそうですね…ん?これは何でしょうか、マックスデイズ?」
ルイズはその言葉を、メーリン王女殿下に言わせてしまったことを後悔した。
「それは、男性の精力剤だそうです…」
「あ…」
「申し訳ありません」
ルイズも何か分からなかったが、知っていた調査員が言い辛そうに、答えを言ったのである。夫人の性欲が強いということを話したために、察してくれるはずではあるが、何とも口にし辛い話である。
夫たちは妻に応えるために、服用していたのである。今でも服用している者も、いるだろうとのことだった。
「い、いえ…そのような物がありますのね」
「はい…そのようです」
「でも輸入は…」
ルイズはその言葉に、メーリン王女殿下はそんなものより輸入する物があるだろうと思われたのだと、気付いた。
「輸入した物ではなく、我が国にあった物だったそうですが、この頃からよく売れるようになったそうです」
取り扱っていたのはアニバーサリーではなかった。アニバーサリーがあれば、別の精力剤もあっただろうが、国内で扱っている物で、一番人気があったのが、このマックスデイズだった。
夫たちの間で、口コミで広がって行き、妻たちには内緒で服用していた。バレてしまった者もいるそうだが、愛していないのか、魅力がないというのかと喧嘩になったりしたそうだ。
妻が妊娠すれば、お誘いがなくなり、あっても妊娠中だからと穏便に断ることが出来るために、当分マックスデイズを服用しなくていいというほどであったそうだ。
ゆえに、妻が妊娠している方が、夫たちにとっては喜ばしい時間になっていた。
だからこそ、子どもが増えたとも言える。だが、それは妻の性欲が強いことが、そもそもの発端である。
それでも、子どもにはお金が掛かる。さすがにもう妊娠はさせられないと、避妊して付き合う夫もいたが、妻が不貞に走ったりということが起きたそうだ。
親子鑑定が盛んに行われて、離縁されていることも調査員たちも一部は把握はしているが、さすがに国の恥であるためにハビット王国には伝えることは出来ない。
事情を話した夫もいるが、血の繋がっていない子どもだったではなく、妻が何人か連れて実家に戻ったという風にした夫婦もいる。
一つ不思議だとすれば、探せばもしかしたらいるのかもしれないが、王太子夫妻と同じ世代の夫の方に隠し子がいることはいないことである。
婿に入って、離縁した者もいるが、何人かの子どもを連れて戻ったりしているが、おそらく妻の産んだ夫の子どもだけを連れて戻ったのだろうと考えられている。
ルイズの世代は誇れることではないのだが、いるならば夫の方に愛人、隠し子がいることが圧倒的に多かった。
「そうでしたか、失礼しました」
「いえ、こちらこそ王女殿下に申し訳ございません」
「いいえ、私が訊ねたのですから、問題ありません。後は…珍しい物は見当たらないようですね」
その他にも、食べ物や服装ついてなども書かれていたが、知らない物はなく、天候の変化と大きな商会がなくなったことで理由が付く物であった。
「そうですか」
「追加で調査した方がいいことはありますか?」
「今のところ、私の方からはありません」
「承知しました、もし何かあれば教えてください」
滞在期間はまだあるために、ひとまず一通り目を通す作業は終わった。
あなたにおすすめの小説
【完結】遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【残り数話を持ちまして3月29日完結!!】
夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。
長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。
待っていたのは、凍てつく絶望。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。
「夫は愛人と生きればいい。
今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」
それでも私は誓う――
「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」
歪で、完全な幸福――それとも、破滅。
“石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜
まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。
愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。
夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。
でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。
「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」
幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。
ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。
夫が全てを失うのはこれからの話。
私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。
【完結】婚約破棄、その後の話を誰も知らない
あめとおと
恋愛
奇跡によって病を癒す存在――聖女。
王国は長年、その力にすべてを委ねてきた。
だがある日、
誰の目にも明らかな「失敗」が起きる。
奇跡は、止まった。
城は動揺し、事実を隠し、
責任を聖女ひとりに押しつけようとする。
民は疑い、祈りは静かに現実へと向かっていった。
一方、かつて「悪役」として追放された令嬢は、
奇跡が失われる“その日”に備え、
治癒に頼らない世界を着々と整えていた。
聖女は象徴となり、城は主導権を失う。
奇跡に縋った者たちは、
何も奪われず、ただ立場を失った。
選ばれなかった者が、世界を救っただけの話。
――これは、
聖女でも、英雄でもない
「悪役令嬢」が勝ち残る物語。
大人しい令嬢は怒りません。ただ二年間、準備していただけです。――婚約解消の申請が受理されましたので、失礼いたします
柴田はつみ
恋愛
婚約者に、誕生日を忘れられた。
正確には、忘れられたわけではない。
エドワード・ヴァルト公爵はちゃんと覚えていた。
記念のディナーも、予約していた。
薔薇だって、一輪、用意していた。
ただ――幼馴染のクロエ・アンセル伯爵令嬢から使いが来た瞬間、全部置いて行ってしまっただけだ。
「すぐ戻る」
彼が戻ったのは、三時間後だった。
蝋燭は溶け切り、料理は冷え、ワインは乾いていた。
それでもリーゼロッテ・フォン・アルテンベルクは、笑顔で座って待っていた。
「ええ、大丈夫でございます。お気遣いなく」
完璧な微笑みで、完璧にそう言った。
文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる──
侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。
だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。
アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。
そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。
「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」
これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。
4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。