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流行り病
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「薬が効かないのか?」
「はい、呼吸困難になっている者や、意識がなくなっている者が増えております」
国王であるオイスラッドは、頭を抱えていた。
「ハビット王国、カイニー王国、トリンス王国、アーキュ王国、ドリーツ王国、ヒューズリン王国、オルタナ王国でも同じような症状が出ているとのことです」
オイスラッドはハビット王国にまさか?とは思ったが、王家には感染した者はおらず、一番関わった調査員たちの中にも感染者はいない。
だが、貴族や平民に関わらず、徐々に広がっている。
平民は家族内で感染が広がっていることから、貴族のように邸が広くないことが原因かと、感染者は病院や施設に移す手段も取ったが、大丈夫だからと行かない者もおり、重症化する者も増えていった。
「そうか…薬はどうなんだ?」
「はい、どうやら開発が進められているという話と、既に出来ているという話も出ていますが…どちらの国なのか分かっておりません」
まだアジェル王国では混乱が始まったばかりで、情報が錯綜していた。
「うちはどうなんだ?」
「まだ全く進んでいません」
「輸入するしかないが、情報を集めてくれ」
「承知いたしました」
これまでも新たな流行り病などは、他国では起こっていた。だが、アジェル王国では流行ることはなかった。
ある意味、天候が変わって保養地とは呼べなくなったアジェル王国には、他国からやって来る者がほとんどいない影響もあった。
だが、王子や王女たちが留学したように、他国に働きに行ったりする者が増えたことで、流行り病がアジェル王国にも広がり始めた。
軽症者は薬は効かないものの、回復していたが、貧血の後遺症が出ていた。
バトワスが留学している息子たちにも手紙を出すと、オークリーの留学先であるヒューズリン王国、パベルの留学先であるアーカス王国でも、流行っているという。
「薬はどうなっているのだ?」
「はい、完成しているという話ですが、他の国も欲していますから、まだどこの国が開発に成功したのかが分かっておりません」
「情報操作か」
「ええ、おそらくそうだと思います」
外交担当が色んな国に問い合わせをしたが、あの国じゃないか、分からないと、この国だという確信は得られなかった。
困っているのはお互い様の上に、アジェル王国は現在、軽んじられていることも分かっている。
「いや、それでも私からも他国に伺ってみよう。それしかない」
「よろしくお願いいたします」
オイスラッドも、他国に薬のことを問い合わせることにしたが、まだ開発中であるという返事であった。
だが、その情報は意外なところから、もたらされることになった。
陛下宛てに手紙を書いて来たのは、パベル第三王子であった、薬の開発に成功しているのはカイニー王国とオルタナ王国で、どちらも効果があるとのことだった。
すぐさま、どちらの国にも薬を譲って欲しいと手紙を送り、使者も送ったが、入国に時間が掛かるのは仕方なかったが、まだ開発中という返事であった。
確かに焦って、パベルの話の裏取りはしていなかったが、パベルは内密に聞いたことであるから、間違いないと書いていた。
使者もどこの国も困っている、成功すれば独り占めしたりしないと言われれば、国に戻るしかなかった。
「分かっているが、死者も出ているのだろう」
「はい…」
重症化して、命を落とす者も増えていた。
「困っているのは他国も同じなのも分かっている、我が国だけがないがしろにされているわけではないんだな?」
「おそらくですが…」
「ああ…」
「強い商会でもあれば、また違ったのかもしれませんが」
本来、薬は紹介から手に入れている。
ゆえに商会から繋がりで、手に入れるという方法もあったが、アジェル王国に強い商会はなくなってしまったままである。
「はい、呼吸困難になっている者や、意識がなくなっている者が増えております」
国王であるオイスラッドは、頭を抱えていた。
「ハビット王国、カイニー王国、トリンス王国、アーキュ王国、ドリーツ王国、ヒューズリン王国、オルタナ王国でも同じような症状が出ているとのことです」
オイスラッドはハビット王国にまさか?とは思ったが、王家には感染した者はおらず、一番関わった調査員たちの中にも感染者はいない。
だが、貴族や平民に関わらず、徐々に広がっている。
平民は家族内で感染が広がっていることから、貴族のように邸が広くないことが原因かと、感染者は病院や施設に移す手段も取ったが、大丈夫だからと行かない者もおり、重症化する者も増えていった。
「そうか…薬はどうなんだ?」
「はい、どうやら開発が進められているという話と、既に出来ているという話も出ていますが…どちらの国なのか分かっておりません」
まだアジェル王国では混乱が始まったばかりで、情報が錯綜していた。
「うちはどうなんだ?」
「まだ全く進んでいません」
「輸入するしかないが、情報を集めてくれ」
「承知いたしました」
これまでも新たな流行り病などは、他国では起こっていた。だが、アジェル王国では流行ることはなかった。
ある意味、天候が変わって保養地とは呼べなくなったアジェル王国には、他国からやって来る者がほとんどいない影響もあった。
だが、王子や王女たちが留学したように、他国に働きに行ったりする者が増えたことで、流行り病がアジェル王国にも広がり始めた。
軽症者は薬は効かないものの、回復していたが、貧血の後遺症が出ていた。
バトワスが留学している息子たちにも手紙を出すと、オークリーの留学先であるヒューズリン王国、パベルの留学先であるアーカス王国でも、流行っているという。
「薬はどうなっているのだ?」
「はい、完成しているという話ですが、他の国も欲していますから、まだどこの国が開発に成功したのかが分かっておりません」
「情報操作か」
「ええ、おそらくそうだと思います」
外交担当が色んな国に問い合わせをしたが、あの国じゃないか、分からないと、この国だという確信は得られなかった。
困っているのはお互い様の上に、アジェル王国は現在、軽んじられていることも分かっている。
「いや、それでも私からも他国に伺ってみよう。それしかない」
「よろしくお願いいたします」
オイスラッドも、他国に薬のことを問い合わせることにしたが、まだ開発中であるという返事であった。
だが、その情報は意外なところから、もたらされることになった。
陛下宛てに手紙を書いて来たのは、パベル第三王子であった、薬の開発に成功しているのはカイニー王国とオルタナ王国で、どちらも効果があるとのことだった。
すぐさま、どちらの国にも薬を譲って欲しいと手紙を送り、使者も送ったが、入国に時間が掛かるのは仕方なかったが、まだ開発中という返事であった。
確かに焦って、パベルの話の裏取りはしていなかったが、パベルは内密に聞いたことであるから、間違いないと書いていた。
使者もどこの国も困っている、成功すれば独り占めしたりしないと言われれば、国に戻るしかなかった。
「分かっているが、死者も出ているのだろう」
「はい…」
重症化して、命を落とす者も増えていた。
「困っているのは他国も同じなのも分かっている、我が国だけがないがしろにされているわけではないんだな?」
「おそらくですが…」
「ああ…」
「強い商会でもあれば、また違ったのかもしれませんが」
本来、薬は紹介から手に入れている。
ゆえに商会から繋がりで、手に入れるという方法もあったが、アジェル王国に強い商会はなくなってしまったままである。
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