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ハビット王国にて1
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「こちらが見ていただきたかった物です。まだあるかもしれませんが、読めない物も多く、ここにある書物もまだ全ては調べられておりません」
「この書物はずっとここに?」
「はい…ですが、ここはずっと使われておらず、先祖が集めた小説などがあると聞かされていたのです。古いからと手付かずのようになっておりました。最近、本棚が腐っていることが分かり、整理をしていると日記のような見付かったのです」
「小説…」
確かに王宮の奥で、日当たりの悪い倉庫が相応しいような場所である。
「確かに小説もありましたが、このような物も混ざっておりまして、今、取り扱いに気を付けながら調べております」
「そうでしたか…」
「たまたま似ているということも考えられますが、話は応接室で行いましょう」
応接室に移動すると、パーメリア王太子妃殿下とメーリン王女殿下が待っており、四人で話をすることになった。
「あの日記はいつ頃の物ですか?」
「詳しくは分かりませんが、200年以上前であることは確かだと思います。紙に書いた物を、誰かが纏めて、保管していたのだと考えています」
「誰が書いたかも分からないということですか?」
「はい、まだ分かっておりません」
200年以上前ならば、詳しく分からないのも無理もないだろう。だが、そうなると信用が出来る物なのかが分からない。
「どの程度、信用は出来るのですか?」
「丁寧に纏めてありましたから、書いた者か、書かれた内容が、雑に扱っていい物ではないということではないかと考えています」
「なるほど…それで、去ったのが、フォンターナ家だと言うのですか?」
「確証はありません。ですが、似ているとは思っていました。ハビット王国のターナ家、フォターナ家を調べてみましたが、一軒もありませんでした」
去るとあったことから、いなくなっている可能性は高いが、念のために調べたのだろうとバトワスも思った。
「アジェル王国に問い合わせる前に、交流のある他国にもターナ家、フォターナ家を問い合わせてみました。ターナ家は幾つかあるようでしたが、歴史ある家はなく、フォターナ家はありませんでした」
「フォンターナ家は?」
「ありませんでした」
「そうですか…」
ターナ家はもしかしたら、アジェル王国にもあるかもしれないが、確かにあったとしても歴史ある家ではないと思われる。
勿論、フォンターナ家はもうない。
「それで、思い切って、フォンターナ家のことを教えては貰えないかと、お手紙を書かせていただきました」
「他に記述は見付かっていないのですよね?」
「はい、まだお見せした以外にはフォターナ家、フォンターナ家と書かれた物は見つかってはおりません」
あれだけでフォンターナ家と繋げるのは、無理があるように思えたが、無視が出来ないのも理解は出来た。だが、気になる部分を訊ねることにした。
「天候と関わりがあると思っているのですか?」
「関わりがあるというよりは、何かフォターナ家とが天候に関することを、行っていたのではないかと考えています」
「そうだとしても、天候をどうにか出来るわけではありませんよね?」
「はい、ですがフォターナ家が予知していたということはないかと思っています」
「予知?」
「はい、天候の予測を行っていたのではないかと言うのが、調査員の考えです」
そういった役職についていた、何か知っていると考えているのだろうと思った。
「フォンターナ家のことを、教えていただくことは難しいのでしょうか?」
「正直、アジェル王国としても、功績を重ねて男爵、子爵、伯爵となったことしか分からないのです」
「男爵だったのですか?その前は平民ですか?」
「記述は見付かっていませんが、おそらく、そうだと思います」
「この書物はずっとここに?」
「はい…ですが、ここはずっと使われておらず、先祖が集めた小説などがあると聞かされていたのです。古いからと手付かずのようになっておりました。最近、本棚が腐っていることが分かり、整理をしていると日記のような見付かったのです」
「小説…」
確かに王宮の奥で、日当たりの悪い倉庫が相応しいような場所である。
「確かに小説もありましたが、このような物も混ざっておりまして、今、取り扱いに気を付けながら調べております」
「そうでしたか…」
「たまたま似ているということも考えられますが、話は応接室で行いましょう」
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「誰が書いたかも分からないということですか?」
「はい、まだ分かっておりません」
200年以上前ならば、詳しく分からないのも無理もないだろう。だが、そうなると信用が出来る物なのかが分からない。
「どの程度、信用は出来るのですか?」
「丁寧に纏めてありましたから、書いた者か、書かれた内容が、雑に扱っていい物ではないということではないかと考えています」
「なるほど…それで、去ったのが、フォンターナ家だと言うのですか?」
「確証はありません。ですが、似ているとは思っていました。ハビット王国のターナ家、フォターナ家を調べてみましたが、一軒もありませんでした」
去るとあったことから、いなくなっている可能性は高いが、念のために調べたのだろうとバトワスも思った。
「アジェル王国に問い合わせる前に、交流のある他国にもターナ家、フォターナ家を問い合わせてみました。ターナ家は幾つかあるようでしたが、歴史ある家はなく、フォターナ家はありませんでした」
「フォンターナ家は?」
「ありませんでした」
「そうですか…」
ターナ家はもしかしたら、アジェル王国にもあるかもしれないが、確かにあったとしても歴史ある家ではないと思われる。
勿論、フォンターナ家はもうない。
「それで、思い切って、フォンターナ家のことを教えては貰えないかと、お手紙を書かせていただきました」
「他に記述は見付かっていないのですよね?」
「はい、まだお見せした以外にはフォターナ家、フォンターナ家と書かれた物は見つかってはおりません」
あれだけでフォンターナ家と繋げるのは、無理があるように思えたが、無視が出来ないのも理解は出来た。だが、気になる部分を訊ねることにした。
「天候と関わりがあると思っているのですか?」
「関わりがあるというよりは、何かフォターナ家とが天候に関することを、行っていたのではないかと考えています」
「そうだとしても、天候をどうにか出来るわけではありませんよね?」
「はい、ですがフォターナ家が予知していたということはないかと思っています」
「予知?」
「はい、天候の予測を行っていたのではないかと言うのが、調査員の考えです」
そういった役職についていた、何か知っていると考えているのだろうと思った。
「フォンターナ家のことを、教えていただくことは難しいのでしょうか?」
「正直、アジェル王国としても、功績を重ねて男爵、子爵、伯爵となったことしか分からないのです」
「男爵だったのですか?その前は平民ですか?」
「記述は見付かっていませんが、おそらく、そうだと思います」
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