【完結】悪意か、善意か、破滅か

野村にれ

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ハビット王国の変化6

「縁者にも頼れぬということか?」
「そうです、もしも転売や譲り受けたりすれば、その者も取引が出来なくなるそうです。そうなれば、その者も同じように困ることになります」

 頼られた他国にいる者も、始めはどうやって運ぶのかと理由にしていたが、あまりに執拗であったために事実を告げることになった。

 ディールの関連商会は国内のみとしており、転売や譲るなどして、露見してしまえば取引して貰えなくなり、困るのは自分たちであることを伝えたのである。

 以前にも国内のみとしていたのに、転売は勿論ではあるが、親族に送ったという者がおり、僅かであれば見逃される可能性もあったが、大量に送り、取引を停止させられた家は少ない数ではない。

 いくら困っているからと、今の家族のことを考えれば出来るはずもなかった。

「だが、なぜ問題がないのに売っては貰えぬのだ!もう一度、カイニー王国に頼んでみよう。深刻さが伝わっていないのかもしれない」

 ここまで変わったことで、国としても決断をして、発表しなければならない状況なのに、同じことを繰り返すプレストに、ルークアは呆れ、母であるケラー王妃に話をすることにした。

 ケラーも伝手や縁者を辿って連絡をしたが、良い返事を貰えるところはなかった。

「父上に決断して貰わなければなりません」
「ええ、そうね。でもあの人は、どうにかなると思いたいのよ」

 自分の代でこのような状況になっていることが、受け入れられないのだろうと、ケリーは口にはしなかったが、察していたのである。

「難しいでしょう」
「ええ、なぜ今になってと思うけど、それはこちらの都合だもの…今までがおかしかったと、考えるしかないのよね」
「父上はカイニー王国にもう一度、手紙を書くと言っておりました」
「そう…二度、断られればさすがに納得するでしょう」
「はい…」
「メーリンはどうしている?」
「研究はしているようですが…」
「しっかり話をしなけばならないのだけど」

 オルタナ王国のことで、ケラーは本当に情けないと嫌悪し、叱り付けはしたが、メーリンは私は悪いことはしていないと認めなかった。

 これまで二人とも健やかに育っていると思っていたが、他国との関わりが薄いために、王子や王女として敬われることに慣れ過ぎている。

 広い世界、自分の立場などを分からせるためにも、今更ではあるが、留学をさせるべきだったかと、後悔していた。

 ルークアはメーリンの姿を見て、己を顧みたようで、どこか落ち着いて物事を考えられるようになったのではないかと思っている。

 そんな矢先、国がこのような状態になって、王家にも苦情や意見が殺到し、メーリンとしっかり話をしてと状況ではなかった。

「私も分かってませんでしたが、メーリンは間違っていないと、今でも信じているのでしょう」
「プレストに似てしまったのかもしれないわね」
「…あ」

 二人がやっていることは、大義名分を抱えて、要求を押し通すという姿は似ているのである。

「落ち着いたら、しっかり話すわ」
「はい、その方がいいと思います」

 プレストは再度、とても深刻なのだということを書き連ねて、再びカイニー王国の国王陛下に送った。

 きっと分かってくれるはずだと、プレストは待ち続けていた。

 だが、なかなか返事は届くことはなかった。

 一週間後、ようやく返事というよりは、国王陛下からの内容は、ハビット王国に使者を送るというものであった。

「使者を…ああ、代わりに送ってくださるのか。やはりもう一度、手紙を書いて良かった…これで」

 プレストは好転すると安堵もしたが、しっかり話をしなければと気合十分で、カイニー王国の使者の来る日を待ち侘びた。

 そして、ハビット王国からオフィー侯爵と、コミア医師がやって来て、王妃と共に応接室で向き合った。

「お待ちしておりました」


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本日もお読みいただきありがとうございます。

本日は1日2話、投稿させていただきます。
17時にもう1話、投稿します。

どうぞよろしくお願いいたします。

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