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ハビット王国の変化10
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「カイニー王国から今でも輸入している流行り病、フエイウイルス感染症の薬はジェラルド・フォンターナ様が手を貸されて、完成したそうよ。それで、国王陛下はジェラルド様に大変感謝されているそうです」
「え?でも関係ないでしょう?」
そんなに優秀な医師だったことには驚いたが、関係ないことに変わりはないのにと思いながらも、どこか嫌な予感がしていた。
「あなたがオルタナ王国でしたことを、カイニー王国はご存知だったわ」
「…え、でも」
「あなたは悪くないのよね?」
「そ、そうよ」
「でも口添えなんて、以ての外だとお父様は言われたの。貴方が失礼な態度を恩人に取ったからよ。お父様と顔を合わすこともないでしょう?顔も見たくないそうよ」
プレストはまだどこか諦められない気持ちは持っているが、国王として他の仕入れ先がないかに目を向けている。
だが、メーリンのことはどうしても許せない。
「そんな、私のせいじゃないわ」
「でも、カイニー王国に悪い印象を持たれたのは、間違いなくあなたのせいよ。フエイウイルス感染症の薬の輸入を止めるとまでは言われていないけど、今後はどうなるか分からないわ」
同じような流行り病があれば、また他国に頼ることになる。だが、カイニー王国は助けてくれるだろうか。
「でも、そんな、フォンターナは手伝っただけでしょう?」
「オルタナ王国の薬は、ジェラルド・フォンターナ様が開発されたものだそうよ。もし何かあっても、オルタナ王国には絶対に頼れないでしょう。それほどのことをあなたはしたの。それなのに反省していない?ふざけないで頂戴」
さすがにメーリンも、そんな相手だったのならと思ったが、もう遅い。
「そ、んな…」
「あなたは相手のことを知らなかったとしても、失礼な態度を取ったのは間違いなく、あなたなの」
「あっ、あ…」
ケラーは感情的にならないように、メーリンのせいで、これから起こるかもしれないことを、こんこんと聞かせることにした。
「いつかあなたのせいで、困ることになるかもしれない。反省が出来ないのなら、受け止める覚悟をしておきなさい」
「反省するわ、あっ、結婚、国のためになる方と結婚するわ」
「結婚はしないと言っていたじゃない」
なぜ、結婚などという話が出て来るのか、娘ながら分からなかった。今となっては下手に国外に出さなくて良かったとすら、思っていたのである。
「今はでしょう?助けてくれそうな国の方と結婚するわ」
「誰と?」
「だから、今まで縁談があった方よ」
「皆様、結婚されているわよ」
「…え?」
ケラーは断ったのだから、結婚しているに決まっているではないかと、だがメーリンは本当に驚いた顔をしていた。
「まさかあなた、断って置いて、待ってくれているなんて思っていたの?」
「え、だって」
「そんなはずないじゃない。はあ…もしかして、自分さえ応じれば、いつでも結婚が出来るなんて思っていたの?」
「…」
メーリンは苦いような顔をして、下を向き、ドレスを握りしめている。まるで、幼子のようであった。
「縁談なんて、もう3、4年以上前からないわ」
「嘘…」
「だから言ったじゃない、相手がいなくなると、もう縁談なんてないわ」
「そんな…」
裕福とは言えない小さな国でも王女という立場と、若さでいくつかの縁談があったのだ。それも断っていけばなくなり、そのことで結婚しないと思われたり、良い印象を持たない方もいる。
「ハビット王国の王女として弁えて、暮らすしかないのよ。もう部屋に戻りなさい」
「……はい」
茫然とした様子で去って行くメーリンに、縁談のことで驕るような様子は見られなかったが、心の中では縁談があったことで、いつでも結婚なんて出来ると考えていたのだろうとケラーは思い、溜息をついた。
「え?でも関係ないでしょう?」
そんなに優秀な医師だったことには驚いたが、関係ないことに変わりはないのにと思いながらも、どこか嫌な予感がしていた。
「あなたがオルタナ王国でしたことを、カイニー王国はご存知だったわ」
「…え、でも」
「あなたは悪くないのよね?」
「そ、そうよ」
「でも口添えなんて、以ての外だとお父様は言われたの。貴方が失礼な態度を恩人に取ったからよ。お父様と顔を合わすこともないでしょう?顔も見たくないそうよ」
プレストはまだどこか諦められない気持ちは持っているが、国王として他の仕入れ先がないかに目を向けている。
だが、メーリンのことはどうしても許せない。
「そんな、私のせいじゃないわ」
「でも、カイニー王国に悪い印象を持たれたのは、間違いなくあなたのせいよ。フエイウイルス感染症の薬の輸入を止めるとまでは言われていないけど、今後はどうなるか分からないわ」
同じような流行り病があれば、また他国に頼ることになる。だが、カイニー王国は助けてくれるだろうか。
「でも、そんな、フォンターナは手伝っただけでしょう?」
「オルタナ王国の薬は、ジェラルド・フォンターナ様が開発されたものだそうよ。もし何かあっても、オルタナ王国には絶対に頼れないでしょう。それほどのことをあなたはしたの。それなのに反省していない?ふざけないで頂戴」
さすがにメーリンも、そんな相手だったのならと思ったが、もう遅い。
「そ、んな…」
「あなたは相手のことを知らなかったとしても、失礼な態度を取ったのは間違いなく、あなたなの」
「あっ、あ…」
ケラーは感情的にならないように、メーリンのせいで、これから起こるかもしれないことを、こんこんと聞かせることにした。
「いつかあなたのせいで、困ることになるかもしれない。反省が出来ないのなら、受け止める覚悟をしておきなさい」
「反省するわ、あっ、結婚、国のためになる方と結婚するわ」
「結婚はしないと言っていたじゃない」
なぜ、結婚などという話が出て来るのか、娘ながら分からなかった。今となっては下手に国外に出さなくて良かったとすら、思っていたのである。
「今はでしょう?助けてくれそうな国の方と結婚するわ」
「誰と?」
「だから、今まで縁談があった方よ」
「皆様、結婚されているわよ」
「…え?」
ケラーは断ったのだから、結婚しているに決まっているではないかと、だがメーリンは本当に驚いた顔をしていた。
「まさかあなた、断って置いて、待ってくれているなんて思っていたの?」
「え、だって」
「そんなはずないじゃない。はあ…もしかして、自分さえ応じれば、いつでも結婚が出来るなんて思っていたの?」
「…」
メーリンは苦いような顔をして、下を向き、ドレスを握りしめている。まるで、幼子のようであった。
「縁談なんて、もう3、4年以上前からないわ」
「嘘…」
「だから言ったじゃない、相手がいなくなると、もう縁談なんてないわ」
「そんな…」
裕福とは言えない小さな国でも王女という立場と、若さでいくつかの縁談があったのだ。それも断っていけばなくなり、そのことで結婚しないと思われたり、良い印象を持たない方もいる。
「ハビット王国の王女として弁えて、暮らすしかないのよ。もう部屋に戻りなさい」
「……はい」
茫然とした様子で去って行くメーリンに、縁談のことで驕るような様子は見られなかったが、心の中では縁談があったことで、いつでも結婚なんて出来ると考えていたのだろうとケラーは思い、溜息をついた。
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