【完結】悪意か、善意か、破滅か

野村にれ

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不愉快な王女への罰4

 独房は一部屋ずつの簡素な建物で、風呂とトイレ、さらに区画は頑丈なレンガ仕切られており、暑い時は暑く、寒い時は寒い。

 風呂はほとんどは入れることはないために、体を拭く程度となる。それについては王家でも、毎日は入れるわけではなく、メイドに体を拭いて貰うが、自分で拭くに変わるだけであった。

 メーリンは嘆き続けたが、誰も助けてくれることはない。

 王家からメーリンが二十六年の禁固刑になったこと、事情も説明され、国王夫妻、王太子夫妻は謝罪した。

 始めは24歳なのにという声も多少はあったが、輸入のこともあり、不満の溜まっている民は、16歳未満の高貴な方のご子息に不埒な行為をしたことで、擁護する声はなくなった。

 名前は出すことはしないが、詮索されたらオルタナ王国に迷惑が掛かるために、注意を込めて、高貴な方のご子息ということにした。それを聞けば、自分の命が惜しい者は詮索することはない。

 メーリンの費用は国のお金ではなく、私費で賄うことも告げ、民も全てを納得したわけではないが、ハビット王国からメーリン王女はいなくなった。

 いるのは罪人であるメーリンだけ。

 食事だけは届けられ、裕福ではないといっても、王家の食事とは全くの別物で、こんなの食べられないと思ったが、他に食べる物はなく、食事だけはしていた。

 だが、女性ということで自分の匂いが気になり始め、差し入れられた水で拭くことはした。

 その後、メーリンのことが発表された後は新聞がケラーによって、差し入れとして届けられた。そこにはメーリンのを糾弾する記事が溢れていた。変態元王女、少年趣味元王女とも書かれており、メーリンはなぜ王女である私がと絶望した。

「何これ…誤解なのに…どうしてこんな…私はこの国でトップに近い存在なのよ」

 確かに年齢を知らなかったメーリンは、エノンが14歳だと分かっていたら、あのようなことはしなかったし、言わなかっただろう。

 だが、王女という肩書が、高貴な肩のご子息の年齢を知らないはずはないとされて、不埒者の扱いになっていることがメーリンにはまだ理解が出来ていなかった。

「たかが、大公じゃない!王家じゃないのよ!」

 加えて、オルタナ王国の大公閣下の子息より、自分が劣る立場だということも、分からないままであった。

 まさにケラーの言った通り、王女に生まれて来てはいけない存在であった。

 差し入れは続き、優秀さの裏の悪質な告発と、メーリンが横暴に振舞う姿をインタビューされている記事や、男性は皆、自分に気があると思っていたなどという悪意のある記事もあった。

 メーリンは読まないと言う選択もあったが、何もすることがないことから、唯一の外部との関わりに読んでしまうのであった。

 時が経ち、メーリンのことなど一切書かれなくなった後も、新聞だけはケラーによって差し入れられた。

 天候がさらに悪化したこと、兄の第二子の誕生や、父親の死も新聞で知り、プレストは本当にメーリンに会うこともなく、亡くなることになった。

 そして、メーリンも病を患い、医療刑務所に移され、52歳で亡くなった。

 刑期を終えるまでは会わないと決めていたケラーとルークアだったが、刑期を終える前に病気になり、会いに行くこともなく、メーリンは一人で亡くなった。

 結局、世の中を知ることのなかったメーリンは、最期まで反省をすることもなく、誤解だが間違ってしまって、罰を受けているという感覚であった。

 王家のお墓には入れないために、平民の墓地に埋葬された。

 研究の方はと言うと、メーリンが中心として行っていたわけではないので、何も変わらなかった。

 大昔の医師のカルテから、天候が変わる前に風邪を引いた者が多かったことが分かり、前兆がハビット王国でもあったのではないかと、仮説が立てられたが、進んではいない。

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