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第三王子1
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アジェル王国には、第三王子のパベルが約四年振りに、第一王子であるアッシュの結婚式のために戻っていた。
「久し振りだな」
「はい、ご無沙汰しております」
パベルは17歳となっており、凛々しい姿に、バトワスも驚くほど変わっていた。
「一瞬、誰か分からなかった」
「背も伸びましたので、皆に驚かれます」
「手紙では伝えていたが、我が国も色々とあった」
「はい、心中お察しいたします」
戻って来ることのなかった、パベルは居場所だけは逐一報告しており、そこへバトワスが何が起こっているのかの事情説明を書いていた。
母親の不貞による離縁に、祖母の横暴な行為、第一王女と第二王女の事情に、いない間に女性陣の問題行動がてんこ盛り状態であった。
「フエイウイルス感染症の薬の際は、折角情報をくれたのに、あんなことになって申し訳なかった」
「い、いえ…」
「いい友人が出来たのだろうな」
「はい、皆良くしてくれます」
パベルもアジェル王国の第三王子として、遠巻きにされたが、勉強ばかりしている姿に声を掛けてくれるようになり、国を出るつもりで来ているから、私のことは気にしなくていいと話したのだが、お互いに心を許せる友人も出来た。
賢いということも武器にはなったが、それでもアジェル王国という名前を出すだけで、始めは嫌な顔をされたが、周りが説明をしてくれたり、力になれることもあったりして、日々を過ごす内に分かって貰えた。
薬のことも知らせたらどうかと言われ、手紙を書いたのである。
そして、アッシュとレミーナ公爵令嬢の結婚式は無事に終わり、バトワスはまた留学に戻るというパベルと今後について話して置くことにした。
「将来はどうする気だ?」
「アッシュ兄様も結婚したことですし、私はいずれは離れるつもりです」
「そうか…」
バトワスもオイスラッドと相談の上で、留学した頃よりも問題の多いアジェル王国よりも、パベルの意思を尊重しようと話していた。
「何かアジェル王国のためになることがあればとは思っているのですが、なかなかその点は難しく」
「そうか。天候について何か分かったことはあるか?」
「いえ、それは…」
留学先で文献などを読んではみたが、それこそお伽話のような話であったり、パベルにとって現実的ではなかった。
「他国のことであるために、手紙には書かなかったが、ハビット王国は過去の文献にフォターナ家という文字を見付けて、似ているフォンターナ家がハビット王国出身だと考えていたようなんだ」
「フォンターナ家が?」
「そう考えて、メーリン元王女のことは手紙に書いたよな?」
メーリンを拘束したことは、アジェル王国で起きたことだったために、事情を知らせて置いた。
「はい」
「実はメーリン王女はこちらに来る前に、オルタナ王国に勝手に調べに行って、問題を起こしていたそうだ」
「その上で、こちらでも…そうだったのですか、それで関係はあったのですか?」
「なかったそうだ。そもそも大昔のことで、現代に生きる者に過去に何があったと言われてもな」
「それはそうですね…」
今更、出身だったとしても、何だというのだという話だと、パベルも思った。
一体、何がしたかったのか。勝手に期待をして、駄目だったからと問題を起こし、さらにはアマリリス姉様のこともあるので、偉そうには言えないが、14歳の大公子息に言い寄るなど、禁固刑も当然だっただろう。
「アッシュもオークリーも一度は王女を気に入ったようだったが、関わらなくて本当に良かったと思っている」
「え?そうだったのですか」
問題を起こしたのは姉たちだけだと思っていたら、兄たちもやらかしていたとは…やはり両親と同じで、恋愛というものに踊らされる性質を持っているのだと感じた。
「ああ。関わっていたら、もっと大変なことになっていた」
「無事、結婚式が終わって良かったですね」
「本当にそう思っている」
「久し振りだな」
「はい、ご無沙汰しております」
パベルは17歳となっており、凛々しい姿に、バトワスも驚くほど変わっていた。
「一瞬、誰か分からなかった」
「背も伸びましたので、皆に驚かれます」
「手紙では伝えていたが、我が国も色々とあった」
「はい、心中お察しいたします」
戻って来ることのなかった、パベルは居場所だけは逐一報告しており、そこへバトワスが何が起こっているのかの事情説明を書いていた。
母親の不貞による離縁に、祖母の横暴な行為、第一王女と第二王女の事情に、いない間に女性陣の問題行動がてんこ盛り状態であった。
「フエイウイルス感染症の薬の際は、折角情報をくれたのに、あんなことになって申し訳なかった」
「い、いえ…」
「いい友人が出来たのだろうな」
「はい、皆良くしてくれます」
パベルもアジェル王国の第三王子として、遠巻きにされたが、勉強ばかりしている姿に声を掛けてくれるようになり、国を出るつもりで来ているから、私のことは気にしなくていいと話したのだが、お互いに心を許せる友人も出来た。
賢いということも武器にはなったが、それでもアジェル王国という名前を出すだけで、始めは嫌な顔をされたが、周りが説明をしてくれたり、力になれることもあったりして、日々を過ごす内に分かって貰えた。
薬のことも知らせたらどうかと言われ、手紙を書いたのである。
そして、アッシュとレミーナ公爵令嬢の結婚式は無事に終わり、バトワスはまた留学に戻るというパベルと今後について話して置くことにした。
「将来はどうする気だ?」
「アッシュ兄様も結婚したことですし、私はいずれは離れるつもりです」
「そうか…」
バトワスもオイスラッドと相談の上で、留学した頃よりも問題の多いアジェル王国よりも、パベルの意思を尊重しようと話していた。
「何かアジェル王国のためになることがあればとは思っているのですが、なかなかその点は難しく」
「そうか。天候について何か分かったことはあるか?」
「いえ、それは…」
留学先で文献などを読んではみたが、それこそお伽話のような話であったり、パベルにとって現実的ではなかった。
「他国のことであるために、手紙には書かなかったが、ハビット王国は過去の文献にフォターナ家という文字を見付けて、似ているフォンターナ家がハビット王国出身だと考えていたようなんだ」
「フォンターナ家が?」
「そう考えて、メーリン元王女のことは手紙に書いたよな?」
メーリンを拘束したことは、アジェル王国で起きたことだったために、事情を知らせて置いた。
「はい」
「実はメーリン王女はこちらに来る前に、オルタナ王国に勝手に調べに行って、問題を起こしていたそうだ」
「その上で、こちらでも…そうだったのですか、それで関係はあったのですか?」
「なかったそうだ。そもそも大昔のことで、現代に生きる者に過去に何があったと言われてもな」
「それはそうですね…」
今更、出身だったとしても、何だというのだという話だと、パベルも思った。
一体、何がしたかったのか。勝手に期待をして、駄目だったからと問題を起こし、さらにはアマリリス姉様のこともあるので、偉そうには言えないが、14歳の大公子息に言い寄るなど、禁固刑も当然だっただろう。
「アッシュもオークリーも一度は王女を気に入ったようだったが、関わらなくて本当に良かったと思っている」
「え?そうだったのですか」
問題を起こしたのは姉たちだけだと思っていたら、兄たちもやらかしていたとは…やはり両親と同じで、恋愛というものに踊らされる性質を持っているのだと感じた。
「ああ。関わっていたら、もっと大変なことになっていた」
「無事、結婚式が終わって良かったですね」
「本当にそう思っている」
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