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第三王子2
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メーリンの本性を見たオークリーがアッシュに近付かないように言ってくれていたことで、事なきを得たが、何も言わなければ会いに行っていたかもしれない。
バトワスにも言えることではあるが、異性を見る目がないのだろう。
後はしっかり者だという評価を得ているレミーナと、上手くやってくれることを願うしかない。
「パベルは、オルタナ王国には行ったのか?」
パベルはアーカス王国に留学しているが、そこから別の国にも短期留学をしていると聞いていたが、オルタナ王国のことは書いていなかった。
「短期留学は許可が下りませんでしたが、国には行きました」
「そうか…」
おそらく、アジェル王国の王子だからということで、許可が下りなかったのだろうと申し訳なく思った。
「どうだった?」
「とても活気に溢れる良き国だと思います」
「そうか…」
バトワスはそのような国で、無事にフォンターナ家が過ごしていたことは、良かったと思えることであった。
「フォンターナ家に謝罪は、されたのですか?」
「したにはしたのだが、受け入れられることはなく、御父上に夫人も会うことはないと言われたよ」
「そうですか…夫人にはお会いになられていないのですよね?」
「まさか、会ったのか?」
含みのある言い方に、まさか会ったのかとドキリとした。
「会ったとは違いますが、お見掛けはしました」
「そうか、お元気そうだったか?」
「はい、眼鏡を掛けたとても聡明そうな女性でした」
パベルも生まれた時には既にエルムはいなかったために、顔を知らなかったが、一緒にいた友人にレオラッド大公夫人だと言われて、緊張した。
バトワスもエルム・フォンターナは眼鏡を掛けており、そのことを野暮ったい、令嬢らしくないなどとオリビアが非難していた光景がよみがえっていた。
だが、眼鏡は高級品で、彼女の眼鏡は薄く、綺麗な丸いデザイン性の高い眼鏡であった。それは母親が大きな商会を持っていたからに他ならないだろうと、今更ながら思い返していた。
「アジェル王国がフォンターナ家を追い出したことは、各国が知っていたそうです」
「ああ…」
「オルタナ王国が伝えたということもあったとは思いますが…レオラッド大公夫人は、JSという大きな商会を持っております」
フォンターナ家がアジェル王国を追い出されたことは知られていたので、いくらパベルが直接は関係なくとも、一緒にいた友人に関わらない方がいいと言われた。
生まれてもいなかった時のことではあったが、大公夫人でもあるがと、夫人の正体を知ることになった。
「JS?」
「はい、会長はジェラルド・フォンターナ様とエルム・レオラッド大公閣下夫人のごきょうだいです。ですが、実質動かしているのは夫人の方です」
「そうか…確かに、夫人の母親も我が国いた頃は商会を持っていた。それを引き継いでいたのか?」
アニバーサリーを閉じてから、商会はしていないのかと思っていたが、あれだけの商会をやっていたのだから、名前を変えて行っている方が自然だろうと理解した。
「可能性は高いと思います。ディールの商会で、おそらく、ディールへの力も持っていると思っていいと言われました。だからこそ、各国にアジェル王国の所業は広まったのです」
「ディールの…そういうことだったのか」
一国の伯爵家が出て行ったにしては、早い段階で他の国に知られており、驚いたが、オルタナ王国にいたのなら当然だと思った。だが、それだけではなかったのか。
「商会は情報が早いだろうからな。アニバーサリーもディールの商会だったのか…」
バトワスはようやく、アニバーサリーが撤退して、オイスラッドが一番大きな商会であったディールに願ったが、あっさりと断られた理由が分かった。
バトワスにも言えることではあるが、異性を見る目がないのだろう。
後はしっかり者だという評価を得ているレミーナと、上手くやってくれることを願うしかない。
「パベルは、オルタナ王国には行ったのか?」
パベルはアーカス王国に留学しているが、そこから別の国にも短期留学をしていると聞いていたが、オルタナ王国のことは書いていなかった。
「短期留学は許可が下りませんでしたが、国には行きました」
「そうか…」
おそらく、アジェル王国の王子だからということで、許可が下りなかったのだろうと申し訳なく思った。
「どうだった?」
「とても活気に溢れる良き国だと思います」
「そうか…」
バトワスはそのような国で、無事にフォンターナ家が過ごしていたことは、良かったと思えることであった。
「フォンターナ家に謝罪は、されたのですか?」
「したにはしたのだが、受け入れられることはなく、御父上に夫人も会うことはないと言われたよ」
「そうですか…夫人にはお会いになられていないのですよね?」
「まさか、会ったのか?」
含みのある言い方に、まさか会ったのかとドキリとした。
「会ったとは違いますが、お見掛けはしました」
「そうか、お元気そうだったか?」
「はい、眼鏡を掛けたとても聡明そうな女性でした」
パベルも生まれた時には既にエルムはいなかったために、顔を知らなかったが、一緒にいた友人にレオラッド大公夫人だと言われて、緊張した。
バトワスもエルム・フォンターナは眼鏡を掛けており、そのことを野暮ったい、令嬢らしくないなどとオリビアが非難していた光景がよみがえっていた。
だが、眼鏡は高級品で、彼女の眼鏡は薄く、綺麗な丸いデザイン性の高い眼鏡であった。それは母親が大きな商会を持っていたからに他ならないだろうと、今更ながら思い返していた。
「アジェル王国がフォンターナ家を追い出したことは、各国が知っていたそうです」
「ああ…」
「オルタナ王国が伝えたということもあったとは思いますが…レオラッド大公夫人は、JSという大きな商会を持っております」
フォンターナ家がアジェル王国を追い出されたことは知られていたので、いくらパベルが直接は関係なくとも、一緒にいた友人に関わらない方がいいと言われた。
生まれてもいなかった時のことではあったが、大公夫人でもあるがと、夫人の正体を知ることになった。
「JS?」
「はい、会長はジェラルド・フォンターナ様とエルム・レオラッド大公閣下夫人のごきょうだいです。ですが、実質動かしているのは夫人の方です」
「そうか…確かに、夫人の母親も我が国いた頃は商会を持っていた。それを引き継いでいたのか?」
アニバーサリーを閉じてから、商会はしていないのかと思っていたが、あれだけの商会をやっていたのだから、名前を変えて行っている方が自然だろうと理解した。
「可能性は高いと思います。ディールの商会で、おそらく、ディールへの力も持っていると思っていいと言われました。だからこそ、各国にアジェル王国の所業は広まったのです」
「ディールの…そういうことだったのか」
一国の伯爵家が出て行ったにしては、早い段階で他の国に知られており、驚いたが、オルタナ王国にいたのなら当然だと思った。だが、それだけではなかったのか。
「商会は情報が早いだろうからな。アニバーサリーもディールの商会だったのか…」
バトワスはようやく、アニバーサリーが撤退して、オイスラッドが一番大きな商会であったディールに願ったが、あっさりと断られた理由が分かった。
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