【完結】悪意か、善意か、破滅か

野村にれ

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アンディータ1

 アンディータは、金色の髪と金色の瞳を持つ女神であった。

 アンディータは厳格な女神で、国や人間に無暗に加護を与えるような女神ではない。別の女神には堅いと言われるが、自分の意志を貫いていた。

 だが、ハビット王国で、フォンターナ家という毎週教会に通い、表情筋の機能していない、真面目で有能な一家をとても気に入り、加護を与えた。同時に不安定だったハビット王国の気候も、穏やかな気候へ変化していった。

 ハビット王国は小国ではあるが、豊かな国として有名になっていった。

 その後に、フォンターナ家に生まれた赤子は、小花が咲く程度ではあるが、表情筋の機能していた。

 愛らしさに皆は、この子の表情を嬉しく思った。

 その子が成長し、商売をするようになり、加護と真面目さで、国一番の商会となった。だが、ある貴族が実は我々が商会を支援していたのだと嘘をつき、偽造された支援金の証書を出して来た。

「デタラメです」
「そんなわけないだろう?ここに証拠があるのだから」
「この商会は私たちが作った物です」
「だから、支援をしていたと言っているだろう?このお金を返してくれればいい」
「そんなもの払う気はありません」
「だったら、商会を貰うしかないな」

 王家にも払えないのなら、商会を渡すように擁護されて、フォンターナ家は商会を奪われることになってしまった。

 さすがに許せないアンディータは、ハビット王国を見限った。

【私は女神、アンディータ。フォンターナ家が真面目に取り組んで来たことを奪うようなハビット王国からは、すぐさま出て行きなさい。大丈夫、フォンターナ家はどこへ行っても、上手くいきます】

 アンディータは厳格であるがゆえ、これまでも辛い思いをするようなことは、怒りで天候を荒れさせる程度で目を瞑っていた。だが、フォンターナ家が理不尽に奪われることは、我慢ならなかった。

 しかも、そんな時でも変わらず教会に通うフォンターナ家に、アンディータから啓示を与えることにし、信仰心の高いフォンターナ家は出くことにした。

 ハビット王国の教会に通えなくなったフォンターナ家は、アンディータの像を造り、祈りを捧げることにした。それが、フォンターナ家にある像である。

 その後、過ごし易い気候であったはずのハビット王国は、フォンターナ家が出て行く前から天候が荒れていたが、一気に荒れ始めた。理由が分からず、混乱したがいずれ落ち着くだろうと思っていた。

 だが以前のような大雨や嵐が起こる天候に戻るのではなく、年々、雨があまり降らなくなり、暑さと寒さに悩まされる国となった。

 教会で助けて欲しいと願う民も多くいたが、既にアンディータはいなかった。

 アンディータがいなくなった国は荒れるのも当然で、他の女神もあのアンディータを怒らせたのだからと誰も近寄ることはなかった。

 豊かな国でなくなるのも当然で、観光客も来なくなり、作物もこれまでのように育たなくなっていった。

 そして、フォンターナ家から奪った商会は、経営者が貴族の方が喜ばれるに決まっていると考えていたが、取引先にも徐々に手を引かれ、新しい商品を生み出すことも当然ながら出来ない。

 貴族はフォンターナ家には従業員として雇ってやると言ったにも関わらず、出て行った。こんなことなら脅して縛り付ければ良かったと、フォンターナ家を探したが、見付かることはなかった。

 在庫がなくなると、なんてことをしてくれたのだと、天候のことで不安になった貴族や民に責められることになり、商品を用意しろと暴動が起きるほどであった。

 国も擁護したにもかかわらず、あっさりとその貴族家は見限られ、病気や火事に遭い、現在のハビット王国には存在していない。

 その後、一向に改善されることのない天候を研究する機関が作られることになった。だが、今でも解明されていない。

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