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ミート・アゲイン2
強欲なことは知っていたが、ここまで愚かであるとは思っていなかったエルムは、呆れるしかなかった。横に男性がいるのに、この年で独り身だとでも思っているのか、都合のいい世界の住人なのだと理解した。
「馬鹿なことを言わない方がいいわ、老人のじゃれごとでは済まなくなりますよ」
「老人だなんて!」
「では、老人ではなく、記憶も曖昧ではないのですね?」
「当たり前じゃない、しっかりしておりますわっ!」
ハイリーは鼻息荒く、答えた。
「その方は、侍女かしら?」
ハイリーを支えている侍女に目をやると、小さく頷いた。
「夫人は、呆けてはいないのね?」
「はい、勿論です」
メイリクスはエルムは商売になると、意外と強引であったり、容赦ないことは知っているが、それ以外は穏やかであったために、やはりこの地に、この者たちにエルムは怒っているのだと感じた。
しかも、これで呆けていると言い訳は出来なくなった。
「アニバーサリーが、この国には必要なのよ?皆、困ってしまって大変だったの。邸だって、わざわざ壊さなくても良かったのに」
ハイリーはフォンターナ家が出て行った同時に解体が始まって、アニバーサリーの撤退のことで責められていたところに、これでは本当に戻って来なくなってしまうではないかと止めようとしたが、あっという間に解体されてしまったのである。
「お母様はどうされているの?」
「商会をしておりますわ」
「まあまあ!そうなのね」
ハイリーはニタニタと笑い、アニバーサリーのある生活を思い出していた。
「あと、私も結婚しておりますの。独り身ではありませんわ」
「そ、そうよね」
ジェフに婚約破棄されて、結婚してないのではないかとは思ってはいたが、裕福そうな姿にさすがに結婚はしているかと、酷く驚くことはなかった。
「お子さんはいらっしゃるの?」
「ええ」
「私にも孫がおりますのよ。おいくつなのかしら?」
「答える気はありません」
「世間話じゃないの!良かったら、婚約者のいない孫もいるのよ?紹介することも出来るのよ」
「はあ…」
「伯爵家がお相手だったら、喜ばれるでしょう?」
エルムはハイリーが平民だと思っているのだろうと、また母にたかろうとしたように、孫をきっかけに融通して欲しいと言い出すのだろうと思うだけで、嫌な気分というよりは変わっていないのだろうと呆れた。
「結構ですわ」
「強がらなくてもいいのよ、男の子?女の子?我が家は孫が多いから、きっと年齢が合う子がいるわ」
「答える気はないと言いましたわ」
「婿でも、嫁でも喜ばれるわ。どうかしら?」
「私は大公夫人ですわ、前伯爵夫人!」
ジェフは大公夫人だと知っているはずなのに、どうしてハイリーは分かっていないのか、ゆえに呆けているのではないかと思ったが、単に知らない可能性もあるのかと考え直した。
「…え、大公夫人」
「ええ、平民でもありませんし、隣にいるのは夫の大公です。それ以前に、マクローズ伯爵家の嫁も婿も要りません」
「え、あ…そうだったのね、そんなお相手と…」
ハイリーは横に立つメイリクスにようやく目を向けたが、誰なのかまでは分からなかった。
てっきり結婚しても平民、せいぜい良くて男爵家だろうと思っていた。
なぜ知らなかったのかは、ジェフは両親に責められ続け、関係が悪くなっており、話をしていなかっただけである。
ハイリーは大公夫人には驚きはしたが、大公家ということは、嫁がせても、婿にやっても、とんでもない良い縁談なのではないかと目を輝かせた。
「皆、いい子たちなのよ、是非会って欲しいの!」
「いいえ、頭がいくらおかしくなっても、マクローズ伯爵家と縁続きになろうなどと思うことはありません」
いくら老人でも、呆けてもいないのに、どうしてこんなことが言えるのか、理解が出来なかった。
「馬鹿なことを言わない方がいいわ、老人のじゃれごとでは済まなくなりますよ」
「老人だなんて!」
「では、老人ではなく、記憶も曖昧ではないのですね?」
「当たり前じゃない、しっかりしておりますわっ!」
ハイリーは鼻息荒く、答えた。
「その方は、侍女かしら?」
ハイリーを支えている侍女に目をやると、小さく頷いた。
「夫人は、呆けてはいないのね?」
「はい、勿論です」
メイリクスはエルムは商売になると、意外と強引であったり、容赦ないことは知っているが、それ以外は穏やかであったために、やはりこの地に、この者たちにエルムは怒っているのだと感じた。
しかも、これで呆けていると言い訳は出来なくなった。
「アニバーサリーが、この国には必要なのよ?皆、困ってしまって大変だったの。邸だって、わざわざ壊さなくても良かったのに」
ハイリーはフォンターナ家が出て行った同時に解体が始まって、アニバーサリーの撤退のことで責められていたところに、これでは本当に戻って来なくなってしまうではないかと止めようとしたが、あっという間に解体されてしまったのである。
「お母様はどうされているの?」
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「そ、そうよね」
ジェフに婚約破棄されて、結婚してないのではないかとは思ってはいたが、裕福そうな姿にさすがに結婚はしているかと、酷く驚くことはなかった。
「お子さんはいらっしゃるの?」
「ええ」
「私にも孫がおりますのよ。おいくつなのかしら?」
「答える気はありません」
「世間話じゃないの!良かったら、婚約者のいない孫もいるのよ?紹介することも出来るのよ」
「はあ…」
「伯爵家がお相手だったら、喜ばれるでしょう?」
エルムはハイリーが平民だと思っているのだろうと、また母にたかろうとしたように、孫をきっかけに融通して欲しいと言い出すのだろうと思うだけで、嫌な気分というよりは変わっていないのだろうと呆れた。
「結構ですわ」
「強がらなくてもいいのよ、男の子?女の子?我が家は孫が多いから、きっと年齢が合う子がいるわ」
「答える気はないと言いましたわ」
「婿でも、嫁でも喜ばれるわ。どうかしら?」
「私は大公夫人ですわ、前伯爵夫人!」
ジェフは大公夫人だと知っているはずなのに、どうしてハイリーは分かっていないのか、ゆえに呆けているのではないかと思ったが、単に知らない可能性もあるのかと考え直した。
「…え、大公夫人」
「ええ、平民でもありませんし、隣にいるのは夫の大公です。それ以前に、マクローズ伯爵家の嫁も婿も要りません」
「え、あ…そうだったのね、そんなお相手と…」
ハイリーは横に立つメイリクスにようやく目を向けたが、誰なのかまでは分からなかった。
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なぜ知らなかったのかは、ジェフは両親に責められ続け、関係が悪くなっており、話をしていなかっただけである。
ハイリーは大公夫人には驚きはしたが、大公家ということは、嫁がせても、婿にやっても、とんでもない良い縁談なのではないかと目を輝かせた。
「皆、いい子たちなのよ、是非会って欲しいの!」
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