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長兄と義姉1
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リリンナは父親の罪状を聞いても、私は何も知らない、お金持ちだと思っていたと言い張っており、バートロ伯爵家の事件の頃からだとすれば、リリンナも弟も幼い頃から贅沢をしていたため、変化には気付けなかったのだろう。
前伯爵夫妻や妻は気付かないはずはなく、共犯だとみなされ、拘束されている。
罪状はロズウェル子爵が証言したワインの密輸、コイナー子爵家と一緒に麻薬の密輸・密売、やはり子どもの人身売買も行っていたことが分かり、しかも他人に擦り付けていたため、悪質だとみなされ、厳罰に処されることとなる。
リリンナは何も知らなかったのは事実ではあったが、ハービスとリリンナは離縁となった。1ヶ月後、リリンナは牢ではないが、身柄を拘束する保護施設におり、皆の罰が決まれば修道院に移される。
急に離縁になったために、マスタール侯爵は最後に、互いに納得するためにもハービスとリリンナを会わせることにした。
「ハービス!」
「これが顔を合わせるのは最後になる、お互いに何か言いたいことがあるなら、言って置きなさい」
「最後って…」
侯爵は離れた椅子に座り、面会室のガラス越しではあるが、ハービスとリリンナは向き合った。
「リリンナ、私たちは離縁となった」
「そんな…」
「罪を犯した金で贅沢したのならば、償わなくてはならない。そうじゃないか」
「私は知らないわ、知らなかったのに償えと言うの?おかしいじゃない」
「何も知らなかったというのは証明が難しい。おかしいとも思わずに、贅沢をして来たんだろう?」
「当たり前だと思っていたからで、そんなお金だったら…」
「使わなかった?いや、君は強請って買わせていたのではないか」
「そんなこと…」
「知らなかったとしても、享受していたのは事実だろう」
「それはお父様が勝手に…」
侯爵は思い出していた、バートロ伯爵家もそうだった、息子は抵抗したため殺されたが、娘は何も知らなかった。
呆然とした様子で、抵抗することもなく捕まり、リンダースが修道院に行くように伝えたが、火種を残すのは良くないと言い、納得させるためにも皆の前で処刑する予定だったが、使用人たちがそれだけはしないで欲しいと訴えた。
『バートロ伯爵夫妻たちではなく、どうしてお嬢様なのか』
『お嬢様に全てを背負わせるのはおかしい』
『お嬢様は何も知り得ない、執務室にも入ったことがなければ、外にもほとんど出して貰えなかった。13歳の子に何が出来るというのです』
使用人にとっては娘は守りたい存在であったそうだ。
クーデターがなければ、バートロ伯爵夫妻も拘束し、罰を受けさせるつもりだった。あと僅かで動けるはずだった。
クーデターを起こした者たちにとっては、娘が何も知らずに享受していたとしても、同罪だと考える。扇動した者たちだけには娘の遺体を見せ、納得させた。
「自分は悪くない?」
「そうよ、私は結婚して家を出ていたのよ!どうして」
「君の行動のせいだろうな」
「え」
「君が贅沢もせずにいたのなら、まだ心証が良かっただろうが、君は周りにもそのような態度であったことは知られている。そうだろう?」
確かに高価なドレスを自慢したことはある、一度や二度ではない。皆、伯爵家は裕福だと思っていたと思う。だって、何でも買って貰えたから、当たり前だと思っていたから。
「私が悪いって言うの…親に甘えるのなんて普通のことじゃない。私が唆したわけではないわ。それなのに修道院なんて…」
「君にとってはその方がいいだろう、どんな顔で社交界に顔を出すのだ?皆、可哀想だなんて思ってはくれないだろう」
「そんなことはないわ…庇ってくれるはずよ」
少なくともこの前会った3人は何も言わなかった、きっと私のことを信じてくれるはず。味方になって怒ってくれるはず。
前伯爵夫妻や妻は気付かないはずはなく、共犯だとみなされ、拘束されている。
罪状はロズウェル子爵が証言したワインの密輸、コイナー子爵家と一緒に麻薬の密輸・密売、やはり子どもの人身売買も行っていたことが分かり、しかも他人に擦り付けていたため、悪質だとみなされ、厳罰に処されることとなる。
リリンナは何も知らなかったのは事実ではあったが、ハービスとリリンナは離縁となった。1ヶ月後、リリンナは牢ではないが、身柄を拘束する保護施設におり、皆の罰が決まれば修道院に移される。
急に離縁になったために、マスタール侯爵は最後に、互いに納得するためにもハービスとリリンナを会わせることにした。
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「当たり前だと思っていたからで、そんなお金だったら…」
「使わなかった?いや、君は強請って買わせていたのではないか」
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「知らなかったとしても、享受していたのは事実だろう」
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侯爵は思い出していた、バートロ伯爵家もそうだった、息子は抵抗したため殺されたが、娘は何も知らなかった。
呆然とした様子で、抵抗することもなく捕まり、リンダースが修道院に行くように伝えたが、火種を残すのは良くないと言い、納得させるためにも皆の前で処刑する予定だったが、使用人たちがそれだけはしないで欲しいと訴えた。
『バートロ伯爵夫妻たちではなく、どうしてお嬢様なのか』
『お嬢様に全てを背負わせるのはおかしい』
『お嬢様は何も知り得ない、執務室にも入ったことがなければ、外にもほとんど出して貰えなかった。13歳の子に何が出来るというのです』
使用人にとっては娘は守りたい存在であったそうだ。
クーデターがなければ、バートロ伯爵夫妻も拘束し、罰を受けさせるつもりだった。あと僅かで動けるはずだった。
クーデターを起こした者たちにとっては、娘が何も知らずに享受していたとしても、同罪だと考える。扇動した者たちだけには娘の遺体を見せ、納得させた。
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「君が贅沢もせずにいたのなら、まだ心証が良かっただろうが、君は周りにもそのような態度であったことは知られている。そうだろう?」
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「君にとってはその方がいいだろう、どんな顔で社交界に顔を出すのだ?皆、可哀想だなんて思ってはくれないだろう」
「そんなことはないわ…庇ってくれるはずよ」
少なくともこの前会った3人は何も言わなかった、きっと私のことを信じてくれるはず。味方になって怒ってくれるはず。
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