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お疲れ様会7
「言っても駄目とか、諦めたりもあるでしょうね。一人娘で嫌われたくないとか」
「一人娘もあったわね」
「三人息子に、四人娘には分からないわ」
「確かに」
アリルとエクルは、一人っ子はおろか、一人娘など味わったこともない。
「でも一応、お姉様は初めての娘ではあったはずよ?」
「覚えていないわよ、すぐにエクルも生まれているし、一人息子を味わったのはユリ兄様だけでしょう?」
「私もアリルと一緒で、覚えていないし、すぐに二人息子になっている」
「そうよね……ある意味、カイルスやケイトの方が年が離れているから、きょうだいはいるけど、幼い存在だけは味わったかもしれないわ」
「おにいさまも?」
ケイトはカイルスと同じにされたことで、満面の笑みを浮かべていた。
「そうだね、お母様の後を追いかけ回していたよ」
カイルスはケイトの方に顔を向けて、嬉しそうに答えた。
「そうなの?けいととおなじ!」
「ケイトとは目的が違うけどね」
「ふふっ、カイルスの姿は懐かしいわね。カイルスは覚えているのね?」
「毎日ですから覚えてますよ」
少しは恥ずかしそうにしているが、今でも大好きな母であるために、黒歴史ということではないのは明らかである。
「ここにいる大人は全員、カイルスを手伝ったんじゃない?」
アリルがそう言うと、皆、懐かしそうに頷いた。
ソアリスは張本人であるために、手伝うことはできないが、祖父母、父、きょうだい、リズ、ルルエとエクシアーヌも手伝っており、護衛もそうである。
「しかも、お母様は見付からないことも多いものだから」
「公務だってあったわ」
「ログハウスで寝ていたり?木登りしていたり?あと、走り込みも多かったわ、追い付かないんだから」
「軟弱者!」
「それ、その時も言われたわ」
カイルスを連れて、走るソアリスを見付け、おねえちゃま走ってと言われて頑張ったが、息が切れてしまった。そこへ戻って来たソアリスに、言い放たれている。
「ブレないわね」
「でも、母親が共通語ができないという状況がここにはないのよね」
当然だが、王家もリズも共通語は身に付けていることは前提である。
「そもそも、私とサイラスができるのに、ララシャができないことが驚きだものね。家庭教師は寝ていたのかしら?」
結局、行き着くのはララシャでもある。
同じ両親の公爵令嬢でありながら、不思議でならないが、それがロアンスラー公爵家のおかしさである。
「ソアリスも知らなかったのよね?」
「おかしいと思ったことはありましたが、私に発言権はありませんから」
「はあ……王太子妃教育、以前の問題だものね」
ララシャは教育が始まる前からアンセムの婚約者だったことから、いいわけにもならないが、王太子妃教育で初めて共通語を習うわけではない。
「親も親なら子も子って言われるけど、ソアリスのように反面教師にすることもできるものね」
「私は嫌いだってこともありますけどね」
「嫌って当然よ」
テラーもマルシャのことは、腹が立っている。だが、ソアリスが無理をして、マルシャに好いてもらおうとしていたより、余程良かったと考えるようにしていた。
「楽な方を選んだのではないかしら?」
「母親を楽だと思ってということ?」
「そう、母親がそうだからではなく、楽そうだと分かっていて、選んだのよ」
「確かに、そうね……」
「私たちは、あんなに文句を言いながら、公務をしているお母様を見て楽だなんて思わないもの」
テラーも見たことあるが、確かにあれを見たら楽そうなんて思わないだろう。
「エクシアーヌ様もそうでしょう?」
「はい、お母様が楽しているなんて思ったこともないです」
ソアリスほどではないが、マリエンヌが頭を抱えているところや怒っているとことは、何度も見たことがある。
「一人娘もあったわね」
「三人息子に、四人娘には分からないわ」
「確かに」
アリルとエクルは、一人っ子はおろか、一人娘など味わったこともない。
「でも一応、お姉様は初めての娘ではあったはずよ?」
「覚えていないわよ、すぐにエクルも生まれているし、一人息子を味わったのはユリ兄様だけでしょう?」
「私もアリルと一緒で、覚えていないし、すぐに二人息子になっている」
「そうよね……ある意味、カイルスやケイトの方が年が離れているから、きょうだいはいるけど、幼い存在だけは味わったかもしれないわ」
「おにいさまも?」
ケイトはカイルスと同じにされたことで、満面の笑みを浮かべていた。
「そうだね、お母様の後を追いかけ回していたよ」
カイルスはケイトの方に顔を向けて、嬉しそうに答えた。
「そうなの?けいととおなじ!」
「ケイトとは目的が違うけどね」
「ふふっ、カイルスの姿は懐かしいわね。カイルスは覚えているのね?」
「毎日ですから覚えてますよ」
少しは恥ずかしそうにしているが、今でも大好きな母であるために、黒歴史ということではないのは明らかである。
「ここにいる大人は全員、カイルスを手伝ったんじゃない?」
アリルがそう言うと、皆、懐かしそうに頷いた。
ソアリスは張本人であるために、手伝うことはできないが、祖父母、父、きょうだい、リズ、ルルエとエクシアーヌも手伝っており、護衛もそうである。
「しかも、お母様は見付からないことも多いものだから」
「公務だってあったわ」
「ログハウスで寝ていたり?木登りしていたり?あと、走り込みも多かったわ、追い付かないんだから」
「軟弱者!」
「それ、その時も言われたわ」
カイルスを連れて、走るソアリスを見付け、おねえちゃま走ってと言われて頑張ったが、息が切れてしまった。そこへ戻って来たソアリスに、言い放たれている。
「ブレないわね」
「でも、母親が共通語ができないという状況がここにはないのよね」
当然だが、王家もリズも共通語は身に付けていることは前提である。
「そもそも、私とサイラスができるのに、ララシャができないことが驚きだものね。家庭教師は寝ていたのかしら?」
結局、行き着くのはララシャでもある。
同じ両親の公爵令嬢でありながら、不思議でならないが、それがロアンスラー公爵家のおかしさである。
「ソアリスも知らなかったのよね?」
「おかしいと思ったことはありましたが、私に発言権はありませんから」
「はあ……王太子妃教育、以前の問題だものね」
ララシャは教育が始まる前からアンセムの婚約者だったことから、いいわけにもならないが、王太子妃教育で初めて共通語を習うわけではない。
「親も親なら子も子って言われるけど、ソアリスのように反面教師にすることもできるものね」
「私は嫌いだってこともありますけどね」
「嫌って当然よ」
テラーもマルシャのことは、腹が立っている。だが、ソアリスが無理をして、マルシャに好いてもらおうとしていたより、余程良かったと考えるようにしていた。
「楽な方を選んだのではないかしら?」
「母親を楽だと思ってということ?」
「そう、母親がそうだからではなく、楽そうだと分かっていて、選んだのよ」
「確かに、そうね……」
「私たちは、あんなに文句を言いながら、公務をしているお母様を見て楽だなんて思わないもの」
テラーも見たことあるが、確かにあれを見たら楽そうなんて思わないだろう。
「エクシアーヌ様もそうでしょう?」
「はい、お母様が楽しているなんて思ったこともないです」
ソアリスほどではないが、マリエンヌが頭を抱えているところや怒っているとことは、何度も見たことがある。
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