私のバラ色ではない人生

野村にれ

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お疲れ様会8

「本来はピデム王国の王家も、大公家も大変な母親の姿を見るはずが、そんな母親いなかった。エミアンローズを思うと、被害者でもあるかもしれませんが、自業自得だとも思います」
「お母様もまともではないし、害もあるけど、尊敬できるところもあるのよね……」
「まあ!エクルちゃん!お母様にもプラスがあったのね!」
「ないと思っていたの?」
「ないわよ!よく食べること?よく寝ること?そんな赤子の日常みたいなこと、プラスにならないじゃない!」

 凄まじい人望を持っている癖に、自分の価値に気付かないのは相変わらずである。そして、まともではないということはしっかり受け入れている。

「しっかり王妃をやっているじゃない!」
「それは当然でしょう?やらなきゃいけないんだから」
「そうよね、お母様はやらなきゃいけないことはやるのよね……」

 やりそうにないわけではないが、やるべきことはやっている。

 ふざけた態度も走ったり、おやつを食べたり、昼寝をしているのも、やることはやっているからこそ、許されているところもあると思う。

 エクルもやることはやって、羽を伸ばしたりしているので、ソアリスの姿は自分に染み付いていると思っている。

 そんな家族だんらんを楽しんでいると、お腹一杯でお昼寝していた孫たちがむずむずと、動き始めた。

 最初に起きたのは、アリルの娘・ルアだった。

 素早く立ち上がったのは、現在、9人の孫を持つ祖母であるソアリスであった。

「ルア」

 泣きそうなところを素早く抱きかかえて、ブレのない鍛えられた腕でゆらゆらと揺らし始めた。

「ばあさんですよ、何か飲みましょうか」

 そう言って、メイドに目をやると、しっかり頷き、飲み物を用意している。

「軽いわ~枕を抱いているみたい」
「表現!」

 母であるアリルが、ちゃんと突っ込んだ。

「6歳児と比べると、羽のようだわ」

 あれだけ食べているのに、むっちりとしてはいないのだが、どんどん大きくなっているケイトを思えば、2歳のルアは軽いに決まっている。

「ルアはリズに似ているわね~美人になるわ、ありがたや」
「ありがたやって」

 ルアはルーファに似ているので、リズに似ており、ソアリスは美しい友人に似ていることがとても嬉しかった。

「私もお義母様に似て、嬉しいです」
「よね?リズは美人だもの」

 ソアリスの膝に乗せられて、ルアは嬉しそうにしており、お茶を飲ませてもらっていた。

 ケイトの効果と、ソアリスの若々しさで、母娘にしか見えない。

「おばさまにね、さすがにリズの1歳、2歳は知らないから、聞いたの」
「お母様に?」
「ええ、ルアはリズの幼い頃に似ているかって」
「そうしたら、食い気味でおじさまがそっくりだって言ってたわ」
「お父様なの?」
「そう、この前、ケイトの授業の時にね。おじさま、メロメロなんでしょう?」
「ええ、まあ、ええ、そうね」

 オルファーのことも可愛いが、父は女の子、リズに似ているということで、ルアに甘々である。曾孫など、甘やかす以外にする気はないと言い切ったほどである。

 そこへタイミング良く、ミオト・バーセムがまだ続いていれば加勢に、終わっていれば迎えも兼ねてやって来た。

「あら!ルア、素敵なおじいちゃまが来たわ~!」

 ソアリスの声のトーンが明らかにワントーン上がっていた。

「本日は家族がお世話になっております」

 ミオトはキビキビと動き、頭を下げた。

「お世話になったのはこちらだわ、お借りしてごめんなさいね」
「いいえ、ルアもソアリス様に抱かれて嬉しそうですな」

 ソアリスの膝に乗るルアの頬を大きな指でつつくと、キャッキャと笑った。

「リズに似て、美人になるって話していたの」
「それは、リズ良かったな」

 ミオトはリズを見て、何だか満足そうに頷いており、無口な男ではなければ、私もそう思うなどと言うところだろうが、ミオトにそんな気の利いたことを言う力はない。

「ありがとう……」

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