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帰路1
「エクラオース王国は、ポンポロリンが来なかっただけ良かったですわ」
「やる気だったのか」
「二度も侵入など、許しませんわよ?アレも一生懸命生きているのだからにも限界がございます」
「あ、ああ……」
クジモア侯爵ではなく、ポシッジュが謝罪に来ていたら、本当にアレ扱いで、酷い目に遭っていたかもしれない。
「テカリは少し減っておりましたわね」
「加齢じゃないか」
「水分がなくなったのですわね」
「減ったんだろうな」
まさか自国の大公がアレ扱いされているとは想像もせず、帰路についたクジモア侯爵一行は、輸入のことは言えなかったが、目的はお詫びであったために、受け入れてもらっただけでも良かったと思っていた。
ソアリスに答えた女性騎士である、レベナ・スルスはクジモア侯爵に問い掛けた。
「失礼ですが、ソアリス王妃陛下はその、50歳でしたよね?」
「言いたいことは分かっている」
クジモア侯爵もその言葉だけで、レベナの続く言葉が分かった。
「私も新聞などで拝見したことはあったが、30代に見えるのではないか?」
「見えるのではないかではありません、見えます」
ソアリスが入って来た時、その前の発言に驚いてしまっていたが、時間が経つと、レベナは若々しさに驚くことになった。
年齢を確認して来たわけではなかったが、確か50歳になられたと聞いたようなくらいであったが、本物のソアリスを見て、聞き間違いだった?40歳?それでも若いなと思うようになっていた。
「自分で若く見えるのなんて言う者は、年相応もしくは老けて見えるのどっちかだ」
「ソアリス王妃陛下は、若く見えるなんて言ってませんけどね」
「それはそうだな」
「伯父様でもそんな女性に会うことがあるのですね」
実はこの二人、伯父と姪であり、クジモア侯爵には三人の妹がおり、その一人が情報源であったレベナの母であった。
「ああ、幾つに見えますか?なんて、何度聞いたか分からないよ」
「話のきっかけにもなりませんものね、私も知る50歳に見えないって言われるのって人は、ちゃんと見えますから」
「見た目ばかり気にする女性よりも、そうではない女性の方が若く見えるなんて皮肉なものだ。あの方こそが、若く見える本物だよ。それなのに……さらに恥ずかしい気持ちになって来たな」
クジモア侯爵は大公夫人がエクラオース王国の代表だと思われたことが、再び本当に恥ずかしく思えた。
「大公夫人の話が出た際に、王妃陛下のようなお姿が魅力的ですって言いそうになりましたから」
「ああ、私はてっきり大公夫人も見た目は好まれているのかと思っていた」
「失礼ですけど、子どものような体形に、何も得意なことのない令嬢ですよ?運が良かったと思われるのが関の山です」
「ミサーナが言ったのか?」
「はい、お母様は辛辣でしたよ」
ミサーナはレベナの母で、容易にはあ?と言っている姿が、想像ができる。
「他には何と言っていた?」
「勝手に王太子妃殿下をライバル視して、勘違い夫人だと」
「そうか……ソアリス王妃陛下も、おかしいとおっしゃっていたが、その通りだよな。もう社交界で見ることがないことが救いだ」
「遅いくらいですよ」
「まあ、国王陛下も前大公夫妻の手前、猶予を与えたのだろう」
これまでポシッジュがヘラヘラしていても許されていたのは、前大公夫妻の功績があってこそであった。
「アンセム国王陛下も、ソアリス王妃陛下も、これが大公家?って思ったのだろうな」
「お知り合いではあったのですよね?」
「それも勝手にだったのではないか?」
「ああ……それならば納得です」
クジモア侯爵に続き、レベナも溜息をつき、重苦しい空気になった。
ソアリスの悪い口はいいのか?と思うほど、見た目の方が気になって仕方ない一行である。
「やる気だったのか」
「二度も侵入など、許しませんわよ?アレも一生懸命生きているのだからにも限界がございます」
「あ、ああ……」
クジモア侯爵ではなく、ポシッジュが謝罪に来ていたら、本当にアレ扱いで、酷い目に遭っていたかもしれない。
「テカリは少し減っておりましたわね」
「加齢じゃないか」
「水分がなくなったのですわね」
「減ったんだろうな」
まさか自国の大公がアレ扱いされているとは想像もせず、帰路についたクジモア侯爵一行は、輸入のことは言えなかったが、目的はお詫びであったために、受け入れてもらっただけでも良かったと思っていた。
ソアリスに答えた女性騎士である、レベナ・スルスはクジモア侯爵に問い掛けた。
「失礼ですが、ソアリス王妃陛下はその、50歳でしたよね?」
「言いたいことは分かっている」
クジモア侯爵もその言葉だけで、レベナの続く言葉が分かった。
「私も新聞などで拝見したことはあったが、30代に見えるのではないか?」
「見えるのではないかではありません、見えます」
ソアリスが入って来た時、その前の発言に驚いてしまっていたが、時間が経つと、レベナは若々しさに驚くことになった。
年齢を確認して来たわけではなかったが、確か50歳になられたと聞いたようなくらいであったが、本物のソアリスを見て、聞き間違いだった?40歳?それでも若いなと思うようになっていた。
「自分で若く見えるのなんて言う者は、年相応もしくは老けて見えるのどっちかだ」
「ソアリス王妃陛下は、若く見えるなんて言ってませんけどね」
「それはそうだな」
「伯父様でもそんな女性に会うことがあるのですね」
実はこの二人、伯父と姪であり、クジモア侯爵には三人の妹がおり、その一人が情報源であったレベナの母であった。
「ああ、幾つに見えますか?なんて、何度聞いたか分からないよ」
「話のきっかけにもなりませんものね、私も知る50歳に見えないって言われるのって人は、ちゃんと見えますから」
「見た目ばかり気にする女性よりも、そうではない女性の方が若く見えるなんて皮肉なものだ。あの方こそが、若く見える本物だよ。それなのに……さらに恥ずかしい気持ちになって来たな」
クジモア侯爵は大公夫人がエクラオース王国の代表だと思われたことが、再び本当に恥ずかしく思えた。
「大公夫人の話が出た際に、王妃陛下のようなお姿が魅力的ですって言いそうになりましたから」
「ああ、私はてっきり大公夫人も見た目は好まれているのかと思っていた」
「失礼ですけど、子どものような体形に、何も得意なことのない令嬢ですよ?運が良かったと思われるのが関の山です」
「ミサーナが言ったのか?」
「はい、お母様は辛辣でしたよ」
ミサーナはレベナの母で、容易にはあ?と言っている姿が、想像ができる。
「他には何と言っていた?」
「勝手に王太子妃殿下をライバル視して、勘違い夫人だと」
「そうか……ソアリス王妃陛下も、おかしいとおっしゃっていたが、その通りだよな。もう社交界で見ることがないことが救いだ」
「遅いくらいですよ」
「まあ、国王陛下も前大公夫妻の手前、猶予を与えたのだろう」
これまでポシッジュがヘラヘラしていても許されていたのは、前大公夫妻の功績があってこそであった。
「アンセム国王陛下も、ソアリス王妃陛下も、これが大公家?って思ったのだろうな」
「お知り合いではあったのですよね?」
「それも勝手にだったのではないか?」
「ああ……それならば納得です」
クジモア侯爵に続き、レベナも溜息をつき、重苦しい空気になった。
ソアリスの悪い口はいいのか?と思うほど、見た目の方が気になって仕方ない一行である。
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