757 / 794
剣術
しおりを挟む
セレニティから、ソアリスが今日はこんなことをしたという手紙をもらっており、素振りこそなかったが、走り込みをしていたなどと書かれている。
そして、ケイトや孫を当然のように肩車して散歩していると、お祖母様もしていたのですかと書かれていて、エリザベータは飲んでいたお茶を吹き出すところだった。
「ええ」
「流石の私の母も元気な方だったが、肩車はしてもらったことはない」
「私の母なんて、赤子が限界だったのではないかしら」
「華奢な方だものな」
エリザベータの母は、重たいものを持ったことがないような人で、さすがに孫は抱いていたが、それ以上の重さの物は見たことがない。
「騎士の子どもなら、してもらったことはあるでしょうけど……周りに少し訊ねてみたけど、いなかったもの」
「しかも、子に、孫もだからな」
「クロンデール王国では当然のように扱われていると、テラー様も私はできないけどと、説明されたそうよ」
「男女を分けるわけではないが、男性のすることだものな」
「でも、ソアリスの肩車が人気だというのがね……父親も祖父も立場がないわよね」
ソアリスに肩車をされていることを知っているために、孫たちにお祖母様がいいと言われてしまう。
どうやら、ソアリスは子どもと遊ぶのが上手いのだという。
それでもさすがにソアリスも一人しかできないために、父親や祖父と皆で肩車をして、遊んでいると聞いて、想像するととても可笑しかった。
だが、同時に何て微笑ましい王家なのだと思うが、ソアリスがいるからこそだろう。
「ああ、そこがまたいいな。私も是非、見てみたいものだな」
「セレニティが戻ったら、あなたがしてあげたら?」
「それは構わないが」
フェリックスはソアリスの褒め称えるバーセム公爵のように、とても体格もいいために、成長したセレニティでも肩車くらいなら容易だろう。
実はセレニティは、ソアリスにもう少し小さかったらしたかったのだけど、さすがに無理だと言われて、残念に思ってしまったと書いてあった。
それを読んで、ソアリスよりも大きくなっているのだから、当然だろうと思っていた。
フェリックスはなかなか国を離れられないが、そんな逞しいソアリスの姿を見てみたいと思うようになり、エリザベータが気に入ったことが身を持って理解できていた。
「本来は見習わないといけないことよね……私も護身術は習ったけど、護衛がいるからと思ってしまうものね」
「まあ、それも護衛という仕事だからな」
護衛が必要ないとなることはないが、特に向いていない、体が弱い、女性は作りが違うのだからと護衛任せになってしまう。それが悪いとは言わないが、フェリックスも鍛錬を重ねていることから、セレニティの願いは嬉しい思いであった。
「でも、あなた嬉しいでしょう?」
「バレていたか」
「当然じゃない」
エリザベータがフェリックスがセレニティの願いを喜びながらも、あまり期待しないようにとせめぎ合っていることに気付いていた。
「ジュリアンも見返せるのではないか?」
「そうね、許可というよりはこちらからお願いをして、様子を聞きましょう。必要ならこちらから教師を向かわせてもいいですし」
「ああ、護衛もいるから教えを乞うこともできるだろう」
「そうね」
無事にアロワ王国からも許可が下りて、セレニティには女性騎士が指導に当たり、護衛からも助言をもらいながら、基礎体力を付けていった。
ソアリスの見立て通り、セレニティは投げ出すことなく、続けられていた。
「セレニティ、明後日、猫を見に行きましょう」
「猫、あのおっしゃっていた」
初めて会った時に、ソアリスが言っていたのだが、なかなか時間が取れなかったこともあるが、セレニティが慣れることも優先であったために、ようやく訪ねることになった。
そして、ケイトや孫を当然のように肩車して散歩していると、お祖母様もしていたのですかと書かれていて、エリザベータは飲んでいたお茶を吹き出すところだった。
「ええ」
「流石の私の母も元気な方だったが、肩車はしてもらったことはない」
「私の母なんて、赤子が限界だったのではないかしら」
「華奢な方だものな」
エリザベータの母は、重たいものを持ったことがないような人で、さすがに孫は抱いていたが、それ以上の重さの物は見たことがない。
「騎士の子どもなら、してもらったことはあるでしょうけど……周りに少し訊ねてみたけど、いなかったもの」
「しかも、子に、孫もだからな」
「クロンデール王国では当然のように扱われていると、テラー様も私はできないけどと、説明されたそうよ」
「男女を分けるわけではないが、男性のすることだものな」
「でも、ソアリスの肩車が人気だというのがね……父親も祖父も立場がないわよね」
ソアリスに肩車をされていることを知っているために、孫たちにお祖母様がいいと言われてしまう。
どうやら、ソアリスは子どもと遊ぶのが上手いのだという。
それでもさすがにソアリスも一人しかできないために、父親や祖父と皆で肩車をして、遊んでいると聞いて、想像するととても可笑しかった。
だが、同時に何て微笑ましい王家なのだと思うが、ソアリスがいるからこそだろう。
「ああ、そこがまたいいな。私も是非、見てみたいものだな」
「セレニティが戻ったら、あなたがしてあげたら?」
「それは構わないが」
フェリックスはソアリスの褒め称えるバーセム公爵のように、とても体格もいいために、成長したセレニティでも肩車くらいなら容易だろう。
実はセレニティは、ソアリスにもう少し小さかったらしたかったのだけど、さすがに無理だと言われて、残念に思ってしまったと書いてあった。
それを読んで、ソアリスよりも大きくなっているのだから、当然だろうと思っていた。
フェリックスはなかなか国を離れられないが、そんな逞しいソアリスの姿を見てみたいと思うようになり、エリザベータが気に入ったことが身を持って理解できていた。
「本来は見習わないといけないことよね……私も護身術は習ったけど、護衛がいるからと思ってしまうものね」
「まあ、それも護衛という仕事だからな」
護衛が必要ないとなることはないが、特に向いていない、体が弱い、女性は作りが違うのだからと護衛任せになってしまう。それが悪いとは言わないが、フェリックスも鍛錬を重ねていることから、セレニティの願いは嬉しい思いであった。
「でも、あなた嬉しいでしょう?」
「バレていたか」
「当然じゃない」
エリザベータがフェリックスがセレニティの願いを喜びながらも、あまり期待しないようにとせめぎ合っていることに気付いていた。
「ジュリアンも見返せるのではないか?」
「そうね、許可というよりはこちらからお願いをして、様子を聞きましょう。必要ならこちらから教師を向かわせてもいいですし」
「ああ、護衛もいるから教えを乞うこともできるだろう」
「そうね」
無事にアロワ王国からも許可が下りて、セレニティには女性騎士が指導に当たり、護衛からも助言をもらいながら、基礎体力を付けていった。
ソアリスの見立て通り、セレニティは投げ出すことなく、続けられていた。
「セレニティ、明後日、猫を見に行きましょう」
「猫、あのおっしゃっていた」
初めて会った時に、ソアリスが言っていたのだが、なかなか時間が取れなかったこともあるが、セレニティが慣れることも優先であったために、ようやく訪ねることになった。
2,866
あなたにおすすめの小説
【完結】出逢ったのはいつですか? えっ? それは幼馴染とは言いません。
との
恋愛
「リリアーナさーん、読み終わりましたぁ?」
今日も元気良く教室に駆け込んでくるお花畑ヒロインに溜息を吐く仲良し四人組。
ただの婚約破棄騒動かと思いきや・・。
「リリアーナ、だからごめんってば」
「マカロンとアップルパイで手を打ちますわ」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
悪女として処刑されたはずが、処刑前に戻っていたので処刑を回避するために頑張ります!
ゆずこしょう
恋愛
「フランチェスカ。お前を処刑する。精々あの世で悔いるが良い。」
特に何かした記憶は無いのにいつの間にか悪女としてのレッテルを貼られ処刑されたフランチェスカ・アマレッティ侯爵令嬢(18)
最後に見た光景は自分の婚約者であったはずのオルテンシア・パネットーネ王太子(23)と親友だったはずのカルミア・パンナコッタ(19)が寄り添っている姿だった。
そしてカルミアの口が動く。
「サヨナラ。かわいそうなフランチェスカ。」
オルテンシア王太子に見えないように笑った顔はまさしく悪女のようだった。
「生まれ変わるなら、自由気ままな猫になりたいわ。」
この物語は猫になりたいと願ったフランチェスカが本当に猫になって戻ってきてしまった物語である。
【完結】「かわいそう」な公女のプライド
干野ワニ
恋愛
馬車事故で片脚の自由を奪われたフロレットは、それを理由に婚約者までをも失い、過保護な姉から「かわいそう」と口癖のように言われながら日々を過ごしていた。
だが自分は、本当に「かわいそう」なのだろうか?
前を向き続けた令嬢が、真の理解者を得て幸せになる話。
※長編のスピンオフですが、単体で読めます。
病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
婚約破棄、ありがとうございます
奈井
恋愛
小さい頃に婚約して10年がたち私たちはお互い16歳。来年、結婚する為の準備が着々と進む中、婚約破棄を言い渡されました。でも、私は安堵しております。嘘を突き通すのは辛いから。傷物になってしまったので、誰も寄って来ない事をこれ幸いに一生1人で、幼い恋心と一緒に過ごしてまいります。
【完結】研究一筋令嬢の朝
彩華(あやはな)
恋愛
研究二徹夜明けすぐに出席した、王立学園高等科、研究科卒業式後のダンスパーティ。そこで、婚約者である第二王子に呼び出された私こと、アイリ・マクアリス。婚約破棄?!いじめ?隣の女性は誰?なんでキラキラの室長までもが来るの?・・・もう、どうでもいい!!私は早く帰って寝たいの、寝たいのよ!!室長、後は任せます!!
☆初投稿になります。よろしくお願いします。三人目線の三部作になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる