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マッドリー侯爵邸7
「オーリーが謝ることではないわ。食べ過ぎては駄目だと言ったのに食べたのはケイトで、遠慮するのも失礼だと分かっております」
誰か付いて行くことも考えたが、6歳にもなったことから一人で行かせることにした。ゆえに、しっかり言い聞かせたつもりだったが、駄目だった。
「父と母と、祖母が、これも美味しいからとパーティーかなと思うほど並べておりまして……」
さすがにオーリーも驚いたが、皆がニコニコしており、その中でも一番の笑顔であったのがケイトであった。こうなっては止めらない。
ソアリスに怒られますからと何度か伝えはしたが、こどもはえんりょしてはいけないのよと、聞いてはもらえなかった。
それからはオーリーは端に追いやられて、ケイトを囲んで、大接待状態で、可愛い、よく食べるというループに陥り、あれから邸ではケイトが可愛かったという話が毎回出てくるようになっている。
「私も食べることがとても好きだと話しておりましたから」
「私も覚悟はしていたのよ、食べる方がおかしいんだから」
それでもまだ6歳なのだから、限界はあるだろうと考えていた。
しかも、コースト侯爵家から、何度かケイトを招待したいと言われており、ようやく叶ったことであった。ゆえに、沢山食べてもらいたいという気持ちを無碍にもしたくなかった。
「でもソアちゃんも、物凄く食べていたわよね?」
「はい……こちらでケーキをホールでいただいたこともあります」
「っえ」
オーリーが思わず信じられない目で見つめており、マッドリー侯爵家はオーリーにとってケーキを食べるところではなかったためである。
「夫とね、息子が別々にケーキを買って来てしまいましてね。丁度そこへソアちゃんが来て、全部食べていいのですかって、さすがに食べれるのかと思ったのだけど」
「食べれるのよ、怖いわよね……」
今でも食べようと思えば食べれてしまうが、年を取って代謝が悪くなると聞いているために、さすがにホールケーキは食べないようにしている。
「でも、私はあんなに強請ったりはしなかったわ」
「強請る相手がいなかったからでしょう?」
「それもありますわね。でもこちらもですけど、ミッドラー侯爵家とか、叔母様のところには行っておりましたから、沢山食べるところはありましたの」
ロアンスラー公爵邸でも頼めば食べることはできたが、両親に伝わって、足りなかったのか、強請るようなことをするなと言われることが嫌だった。
ゆえに両親がいない場では、食べないようにしていた。
「そうでしたわね、栗を抱えてね」
「そうです」
サエラは栗拾いが好きなこと、栗を食べたいこともあっただろうが、ロアンスラー公爵邸からは何も持って来れないために、何か持って行くためにソアリスが見付けたことだったのだろうと思っていた。
ロアンスラー公爵家には、お礼などはしなかった。そんなことをして、ソアリスの行動を制限されるようなことになる方が問題だと思っていたのである。
だからこそリッシュは、ソアリスに自分を守るために護身術を習わせていた。思ったより強くなってしまったが、それでも王太子妃になったのだから、運命は既に転がっていたのではないかと思っている。
「名前はね、私もソルちゃんと一緒で、多分才能がないの。だから、ケイトも私に似ているのなら、怪しいものよ……」
「ああ……」
カイルスもさすがに、ケイトにそのような才能があるとは思えない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
あけましておめでとうございます
旧年中はお世話になりました
今年もよろしくお願いいたします
今年中ではなく、さすがに近い内に終わると思って書いております。
最後までお付き合いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
誰か付いて行くことも考えたが、6歳にもなったことから一人で行かせることにした。ゆえに、しっかり言い聞かせたつもりだったが、駄目だった。
「父と母と、祖母が、これも美味しいからとパーティーかなと思うほど並べておりまして……」
さすがにオーリーも驚いたが、皆がニコニコしており、その中でも一番の笑顔であったのがケイトであった。こうなっては止めらない。
ソアリスに怒られますからと何度か伝えはしたが、こどもはえんりょしてはいけないのよと、聞いてはもらえなかった。
それからはオーリーは端に追いやられて、ケイトを囲んで、大接待状態で、可愛い、よく食べるというループに陥り、あれから邸ではケイトが可愛かったという話が毎回出てくるようになっている。
「私も食べることがとても好きだと話しておりましたから」
「私も覚悟はしていたのよ、食べる方がおかしいんだから」
それでもまだ6歳なのだから、限界はあるだろうと考えていた。
しかも、コースト侯爵家から、何度かケイトを招待したいと言われており、ようやく叶ったことであった。ゆえに、沢山食べてもらいたいという気持ちを無碍にもしたくなかった。
「でもソアちゃんも、物凄く食べていたわよね?」
「はい……こちらでケーキをホールでいただいたこともあります」
「っえ」
オーリーが思わず信じられない目で見つめており、マッドリー侯爵家はオーリーにとってケーキを食べるところではなかったためである。
「夫とね、息子が別々にケーキを買って来てしまいましてね。丁度そこへソアちゃんが来て、全部食べていいのですかって、さすがに食べれるのかと思ったのだけど」
「食べれるのよ、怖いわよね……」
今でも食べようと思えば食べれてしまうが、年を取って代謝が悪くなると聞いているために、さすがにホールケーキは食べないようにしている。
「でも、私はあんなに強請ったりはしなかったわ」
「強請る相手がいなかったからでしょう?」
「それもありますわね。でもこちらもですけど、ミッドラー侯爵家とか、叔母様のところには行っておりましたから、沢山食べるところはありましたの」
ロアンスラー公爵邸でも頼めば食べることはできたが、両親に伝わって、足りなかったのか、強請るようなことをするなと言われることが嫌だった。
ゆえに両親がいない場では、食べないようにしていた。
「そうでしたわね、栗を抱えてね」
「そうです」
サエラは栗拾いが好きなこと、栗を食べたいこともあっただろうが、ロアンスラー公爵邸からは何も持って来れないために、何か持って行くためにソアリスが見付けたことだったのだろうと思っていた。
ロアンスラー公爵家には、お礼などはしなかった。そんなことをして、ソアリスの行動を制限されるようなことになる方が問題だと思っていたのである。
だからこそリッシュは、ソアリスに自分を守るために護身術を習わせていた。思ったより強くなってしまったが、それでも王太子妃になったのだから、運命は既に転がっていたのではないかと思っている。
「名前はね、私もソルちゃんと一緒で、多分才能がないの。だから、ケイトも私に似ているのなら、怪しいものよ……」
「ああ……」
カイルスもさすがに、ケイトにそのような才能があるとは思えない。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
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旧年中はお世話になりました
今年もよろしくお願いいたします
今年中ではなく、さすがに近い内に終わると思って書いております。
最後までお付き合いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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