私のバラ色ではない人生

野村にれ

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経緯3

「血が繋がっているのですか?」
「ええ、あなたのお父様と」

 そう言うと、マリーは少し顔を引き攣らせ、すぐに元に戻した。

「アマリリス嬢のお祖母様が結婚して、二人の間に生まれた子どもがアマリリス嬢のお母様なの」
「では、私とは叔母と姪にあたるということですか?」
「そうなるわね」
「そんな風には思っていませんでした……」

 マリーはアマリリスと繋がりがあったことに、心の底から驚いていた。

「あの男は知っていたということでしょうか?」
「関わりがあるのではと可能性は考えたかもしれないわね」
「そんな……」

 カラーがピデム王国出身であることは知られており、生家のこと親の離縁のことも調べたのかもしれない。ここまで似ているゆえに、ピデム王国からということで、可能性を考えた可能性はある。

「失礼だけど、あなたのお母様はどうされているの?」

 エーゲンもピデム王国から家族のことはすぐには分からないということで、24歳でどうしても母親ということはなかったが、それでも娘が帰ってこないと訴えは出ていなかったということである。

「母は、今はどこにいるのか分かりません」
「連絡は取れないということ?」
「はい、あっても一方的で……私が働き出す前までは一応は帰って来ていたのですけど、それからはどこに住んでいるのか。お互いいい大人なので、何かあれば実家に連絡がいくと思います」
「そう……」

 母親の実家までは時間がなく調べておらず、まだ監禁が確定していなかったために、エーゲンは許可を得て早く戻ることを優先した。

「アマリリス嬢には会っていないのね?」
「はい、私の邸で会う約束にしたからと、それでお互い目立たない方がいいだろうと、裏口みたいなところから入って、それであの邸に、お茶を出されて、それを飲んで気付くと寝ていて、縛られていました……」
「そう……」

 別邸にいた経緯が分かり、マリーもアマリリスが貴族令嬢であるために、一目見ることもできず、ルックリンツソルを頼らざる得なかったということだろう。

「目を覚ましても意味が分からず、あの男にふざけるなと訴えましたが、しばらくここに置いてやるから、言うことを聞けと言われて……あの男はアマリリス様を好きだったのですか?」
「ええ」
「やはりそういうことだったのですね」
「そうは言わなかった?」
「はい、アマリリス様のことを私に言うことはありませんでした」

 プライドの高そうな男だったために、アマリリスに執着しながらも、手に入れることができていないことをマリーには知られたくなかったのだろう。

「でも、私を何かに使うつもりのようなことは言っていました」
「例えば、アマリリス嬢とすり替えたり?」
「えっ……そんなこと無理でしょう、てっきり脅すとかかと思っていました」
「その手もあるわね」

 ソアリスはルックリンツソルはマリーをアマリリスを身代わりしようと思ったのかと考えていたが、アマリリスを諦めていなかったのだと感じていた。

「それで……話したくないことは言わなくていいから、あの邸で何があったかは聞いてもいいかしら?」
「はい。外から鍵の掛かる部屋に閉じ込められて、でもトイレもお風呂もある部屋でした。下着や服もいくつかあって、あれはもしかしたらアマリリス様へだったのかもしれません」
「そう……」

 可能性はあるかもしれないが、アマリリスの服を着せて、マリーの代わりをさせようとするだろうか。

「でも私は、怒鳴られたり、定規のような物で叩かれたりはしましたが、それほど酷い扱いはされていません」
「十分に酷いわ、痛みを誰かと比べることはないわ」
「…え、っ、はい」

 ソアリスは瞬時にマリーが誰かと比べて、私はまだいい方だと思っていることを感じ取った。

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