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正体5
「バイロン男爵家は戻って、一年あまりで除籍されております」
「ダイヤだけ?」
「いいえ、母も妹もです」
「まあ」
お金のない男爵家に帰りたくないために、居心地の悪い子爵家からビリジュ伯爵家に入り込んだ。だが、伯爵家を追い出されて、子爵家に戻れるはずもなく男爵家に戻ったはずだが、揃って追い出されていたとは思わなかった。
「借金を抱えて、縁を切られたようです」
「誰の借金?」
「全員のようです」
「バイロン男爵家に戻ったのではないの?」
バイロン男爵家は領地を持っているが、米や野菜作りが主で、ルビーとダイヤとパールを満足できるような収入も生活もない。
「男爵領には戻っていなかったということではありませんか」
「なるほどね、それで散財したのかしらね」
籍は男爵家に戻ったが、王都に留まり、散財したのかもしれない。そうなると、まともな生活はできていないだろう。
「そうかもしれません、念のためケイシュー子爵家、ビリジュ伯爵家も調べましたが、当然ながら関係はございませんでした」
「そう、ありがとう。バイロン男爵家の管理書だけ借りておいてもいいかしら」
「はい」
一緒に付いて来た職員は貸出届を出し、ポーリアがサインし、バイロン男爵家の管理書だけ証拠として、手元に預かった。
「メディナとキャロラインに学園と女学校に問い合わせをしてもらっているわ」
「女学校、ダイヤはそちらに通っていた可能性があるのですね」
管理課には生まれた亡くなった、籍に入った抜けたという情報しかないために、どこの学校に通っていたなどの情報はない。
「パールのことは知っていても、ダイヤには会っていないものが多いから、そうかもしれないと思ってね」
メディナとキャロラインが女学校と学園に使者を出し、返事を待っていると学園長と教師らしき女性とパールについて説明にやって来た。
「わざわざ来ていただいて、ごめんなさいね。座って頂戴」
「はい、その前に先に紹介だけ失礼します。彼女は学園の教師で、エリサ・テイシーと申します」
紹介されたエリサ・テイシーは深く深く頭を下げた。
カイルスは学園に通っているが、関わりのない教師で、ソアリスも初めましての相手であったが、学園長が連れてきために難なく通されている。
「なぜ連れて来たかは後ほど説明をします。先にパール・バイロンについて間違いのない事実を伝えさせていただきます」
「よろしく」
学園長もなぜ今さらパールを調べているのかと思いはしても理由を訊ねたりはせず、エリサと共にソアリスの前に座った。
「パール・バイロンは三年生に上がる際に授業料が払えず、退学になっております。こちらがその証明です」
学園長が見せたパール・ビリジュが二重線で消されて、名前をパール・バイロンに変更された書類には退学と書いてあった。
「まあ、では卒業していないのね」
「はい、ビリジュ伯爵家を出されてから、通ってはいたのですけど、居心地が悪かったのか途中から通わない日も増えて、三年生の授業料が支払われなかったので、再三請求もしましたが、音沙汰がなかったので、退学となりました」
「パールは何か言っていた?」
「嫌だとは言っておりましたが、そのまま退学でございます」
母親が払わなかった、払えなかったのだろうが、猶予を与えても授業料が支払われなかったことから、真っ当な判断である。
「そう、それからのパールのことは何も知らないわよね?」
「私は残念ながら存じ上げません。ですが、そこでテイシー先生がパール・バイロンの同級生なのです」
「まあ、それで」
ソアリスはエリサを見ると、顔の筋肉が大丈夫かというほど引き攣って、口は僅かに震えて開いており、相当の緊張が伺えた。
「何かお力になれることがないかと連れて参りました」
「さすが学園長」
「勿体ないお言葉でございます」
その間もエリサは膝で拳を握り締めて、震えを我慢しているようであった。
「ダイヤだけ?」
「いいえ、母も妹もです」
「まあ」
お金のない男爵家に帰りたくないために、居心地の悪い子爵家からビリジュ伯爵家に入り込んだ。だが、伯爵家を追い出されて、子爵家に戻れるはずもなく男爵家に戻ったはずだが、揃って追い出されていたとは思わなかった。
「借金を抱えて、縁を切られたようです」
「誰の借金?」
「全員のようです」
「バイロン男爵家に戻ったのではないの?」
バイロン男爵家は領地を持っているが、米や野菜作りが主で、ルビーとダイヤとパールを満足できるような収入も生活もない。
「男爵領には戻っていなかったということではありませんか」
「なるほどね、それで散財したのかしらね」
籍は男爵家に戻ったが、王都に留まり、散財したのかもしれない。そうなると、まともな生活はできていないだろう。
「そうかもしれません、念のためケイシュー子爵家、ビリジュ伯爵家も調べましたが、当然ながら関係はございませんでした」
「そう、ありがとう。バイロン男爵家の管理書だけ借りておいてもいいかしら」
「はい」
一緒に付いて来た職員は貸出届を出し、ポーリアがサインし、バイロン男爵家の管理書だけ証拠として、手元に預かった。
「メディナとキャロラインに学園と女学校に問い合わせをしてもらっているわ」
「女学校、ダイヤはそちらに通っていた可能性があるのですね」
管理課には生まれた亡くなった、籍に入った抜けたという情報しかないために、どこの学校に通っていたなどの情報はない。
「パールのことは知っていても、ダイヤには会っていないものが多いから、そうかもしれないと思ってね」
メディナとキャロラインが女学校と学園に使者を出し、返事を待っていると学園長と教師らしき女性とパールについて説明にやって来た。
「わざわざ来ていただいて、ごめんなさいね。座って頂戴」
「はい、その前に先に紹介だけ失礼します。彼女は学園の教師で、エリサ・テイシーと申します」
紹介されたエリサ・テイシーは深く深く頭を下げた。
カイルスは学園に通っているが、関わりのない教師で、ソアリスも初めましての相手であったが、学園長が連れてきために難なく通されている。
「なぜ連れて来たかは後ほど説明をします。先にパール・バイロンについて間違いのない事実を伝えさせていただきます」
「よろしく」
学園長もなぜ今さらパールを調べているのかと思いはしても理由を訊ねたりはせず、エリサと共にソアリスの前に座った。
「パール・バイロンは三年生に上がる際に授業料が払えず、退学になっております。こちらがその証明です」
学園長が見せたパール・ビリジュが二重線で消されて、名前をパール・バイロンに変更された書類には退学と書いてあった。
「まあ、では卒業していないのね」
「はい、ビリジュ伯爵家を出されてから、通ってはいたのですけど、居心地が悪かったのか途中から通わない日も増えて、三年生の授業料が支払われなかったので、再三請求もしましたが、音沙汰がなかったので、退学となりました」
「パールは何か言っていた?」
「嫌だとは言っておりましたが、そのまま退学でございます」
母親が払わなかった、払えなかったのだろうが、猶予を与えても授業料が支払われなかったことから、真っ当な判断である。
「そう、それからのパールのことは何も知らないわよね?」
「私は残念ながら存じ上げません。ですが、そこでテイシー先生がパール・バイロンの同級生なのです」
「まあ、それで」
ソアリスはエリサを見ると、顔の筋肉が大丈夫かというほど引き攣って、口は僅かに震えて開いており、相当の緊張が伺えた。
「何かお力になれることがないかと連れて参りました」
「さすが学園長」
「勿体ないお言葉でございます」
その間もエリサは膝で拳を握り締めて、震えを我慢しているようであった。
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