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ロンド王国王家10
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「私は関係ない!フローラが勝手にやったことだ」
「ですが、エスザール王国入国時に、陛下のサインがありますよ」
入国希望書にフローラをエスザール王国へ滞在させることを、デオリスが許可したことを示している。
「偽造だ!」
「偽造される様な国王ということですわね?」
「何だと!」
デオリスは机を叩き付け、立ち上がり、怒りの形相でソアリスを睨み付けたが、そんなものでソアリスの表情すら変えられない。
「唾が汚いですわ、おっさんの唾なんて汚物ですわよ」
ケイトもしっかりとクッキー缶をおっさんから遠ざける仕草をしており、メディナがそそくさをやって来て、唾を拭きとった。
「メディナ、ばっちいから処分よ、処分」
「はい、承知いたしました」
悪い口は控えるということを知らず、無意識に火に油を注ぎ続けるのが、ソアリスであり、メディナも飄々と行っている。
自国でも愚か者と、何度も何度も対峙している王妃と侍女は、慣れた光景である。
「お前!調子に乗りやがって!」
「調子に乗っておるのはお前の方だろうが!なぜ、責任を取らない?国王の癖に、そんなことも出来ないのか?」
「なぜ私が取らなくてはならない!」
デオリスはソアリスに向かって、さらに大きな声を出した。
「大きな声を出せば、従うとでも思っているのか?陛下にとって、そこの出来の悪い存在はもう要らないのか?」
「要らない。私には関係ない」
デオリスは自分の保身に走り始め、本来ならここへ優秀な王子が登場とでもなれば、ドラマチックなのかもしれないが、生憎、この国にはそんな王子はいない。
「陛下!」
「お父様!」
「お前は、何てことをしてくれたんだ…ビリリーもなぜ見張っていなかった?」
「だって、もうこの子は大人で…」
「娘の面倒くらい看れただろうが!」
「そんな、こと」
ビリリーはデオリスに一度もそのようなことを言われたことはなく、フローラが離縁になることも、面倒なので知らされてもいなかった。
信頼されているわけではないが、裏切られることはないと思っていたが、要らないと言われ、ソアリスのペット説がますます信憑性を増した。
「でも国際裁判には、皆様で行かれてくださいね。仲良くとは言いませんが、最後の旅行になるかもしれないのだから」
「待て、サブリナはいいのか?なぜだ?母親ではないからか?」
サブリナは自身が含まれていないことにホッとはしたが、表情を変えずに沈黙を貫いていた。
「それもありますが、私は再三お伝えしたはずですよ?サブリナ王妃陛下の謝罪は、受け取りましたと。サブリナ王妃陛下に肩入れする気はありませんよ?ですが自分の子でもないのに、謝罪してくれるだけいいではないですか。私だったら瀕死でもない限りは、気絶させてでも連れて行って、床に頭を擦り付けて、謝罪させますもの。それが普通ではありません?」
「っひ」
ビリリーに向かってソアリスは微かに微笑んだが、威勢がいいのではなく、この人は当然だとやるだろうと思った。
「そして、私は陛下と側妃にこうも聞きました。フローラ王女の親として、どうして謝罪をしなかったのでしょう?いくら何も出来ないからと言って、頭を下げることくらい出来たでしょう?と」
「それは…まさか」
デオリスはようやく、ソアリスは自身にではなく、エスザール王国の関係者への謝罪について、聞いていたのだと気付いた。
「ようやくお気づきですか?ミレスゴート公爵、エンパス侯爵、リシュパール公爵、エスザール王国王家の使者が私なのですよ?」
「そうは、言わなかったではないか」
「判断は私に任せると言われましたので、私なり方法で反省をしているか、見極めておりましたの」
「謝罪する!」
「もう遅いですわ。ここまでしないと謝罪も反省も見せないなんて、王家というより人として軽蔑します」
「ですが、エスザール王国入国時に、陛下のサインがありますよ」
入国希望書にフローラをエスザール王国へ滞在させることを、デオリスが許可したことを示している。
「偽造だ!」
「偽造される様な国王ということですわね?」
「何だと!」
デオリスは机を叩き付け、立ち上がり、怒りの形相でソアリスを睨み付けたが、そんなものでソアリスの表情すら変えられない。
「唾が汚いですわ、おっさんの唾なんて汚物ですわよ」
ケイトもしっかりとクッキー缶をおっさんから遠ざける仕草をしており、メディナがそそくさをやって来て、唾を拭きとった。
「メディナ、ばっちいから処分よ、処分」
「はい、承知いたしました」
悪い口は控えるということを知らず、無意識に火に油を注ぎ続けるのが、ソアリスであり、メディナも飄々と行っている。
自国でも愚か者と、何度も何度も対峙している王妃と侍女は、慣れた光景である。
「お前!調子に乗りやがって!」
「調子に乗っておるのはお前の方だろうが!なぜ、責任を取らない?国王の癖に、そんなことも出来ないのか?」
「なぜ私が取らなくてはならない!」
デオリスはソアリスに向かって、さらに大きな声を出した。
「大きな声を出せば、従うとでも思っているのか?陛下にとって、そこの出来の悪い存在はもう要らないのか?」
「要らない。私には関係ない」
デオリスは自分の保身に走り始め、本来ならここへ優秀な王子が登場とでもなれば、ドラマチックなのかもしれないが、生憎、この国にはそんな王子はいない。
「陛下!」
「お父様!」
「お前は、何てことをしてくれたんだ…ビリリーもなぜ見張っていなかった?」
「だって、もうこの子は大人で…」
「娘の面倒くらい看れただろうが!」
「そんな、こと」
ビリリーはデオリスに一度もそのようなことを言われたことはなく、フローラが離縁になることも、面倒なので知らされてもいなかった。
信頼されているわけではないが、裏切られることはないと思っていたが、要らないと言われ、ソアリスのペット説がますます信憑性を増した。
「でも国際裁判には、皆様で行かれてくださいね。仲良くとは言いませんが、最後の旅行になるかもしれないのだから」
「待て、サブリナはいいのか?なぜだ?母親ではないからか?」
サブリナは自身が含まれていないことにホッとはしたが、表情を変えずに沈黙を貫いていた。
「それもありますが、私は再三お伝えしたはずですよ?サブリナ王妃陛下の謝罪は、受け取りましたと。サブリナ王妃陛下に肩入れする気はありませんよ?ですが自分の子でもないのに、謝罪してくれるだけいいではないですか。私だったら瀕死でもない限りは、気絶させてでも連れて行って、床に頭を擦り付けて、謝罪させますもの。それが普通ではありません?」
「っひ」
ビリリーに向かってソアリスは微かに微笑んだが、威勢がいいのではなく、この人は当然だとやるだろうと思った。
「そして、私は陛下と側妃にこうも聞きました。フローラ王女の親として、どうして謝罪をしなかったのでしょう?いくら何も出来ないからと言って、頭を下げることくらい出来たでしょう?と」
「それは…まさか」
デオリスはようやく、ソアリスは自身にではなく、エスザール王国の関係者への謝罪について、聞いていたのだと気付いた。
「ようやくお気づきですか?ミレスゴート公爵、エンパス侯爵、リシュパール公爵、エスザール王国王家の使者が私なのですよ?」
「そうは、言わなかったではないか」
「判断は私に任せると言われましたので、私なり方法で反省をしているか、見極めておりましたの」
「謝罪する!」
「もう遅いですわ。ここまでしないと謝罪も反省も見せないなんて、王家というより人として軽蔑します」
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