私のバラ色ではない人生

野村にれ

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一方的な御見合い1

「ケイトを横にでも、膝にでも乗せておきなさい」
「最初から同席させる気か?」

 ケイトを利用するとは思っていたが、途中から参加させる気かと思っていた。

「ええ、口も手も出る、良き盾になることでしょう。ケイト、カイルスを守るのでしょう?」
「そうよ、まもるのよ」

 ふんふんと言いながら、誇らしそうにまた胸を張り、カイルスはまた頭を撫でている。アンセムはソアリスに加えて、ケイトまでという不安もあるが、何か考えがあるのだろう。

「他の者はとりあえず、向こうの出方によって、待機しておいてくれ」
「「「「はい!」」」」

 最初から大人数だと、悪いように取られては不利になると考えた。

「お義母様に頼んで、皆でお茶でも飲んでいただいても良いですしね」
「母上も巻き込む気か?」
「念のためよ、あんせむちゃんのお母様なのだから!もちろん、あんせむちゃんのお父様もね!」

 両親にも伝えてはあるが、二人は協力を求めない限りは口を出したりしない。ソアリスは、既に話を付けてあるのだろう。

 そして、当日を迎えることになった。

 エクラオース王国側はポシッジュ、チェチリー、ピュアジュエル、従者や護衛がやって来た。

 クロンデール王国側はアンセム、ソアリス、カイルス、ケイト、オーランとクイオ、ヒウナ侯爵、メディナ、ポーリア、キャロライン、それぞれの護衛が付くことになった。

 エクラオース王国は外交の担当すら来ていない。せめて、緩衝材として付いて来て欲しかったと、ヒウナ侯爵は言っていた。

 各々が挨拶をして、席に着くことになった。

 ソアリスはピュアジュエルを見て、鼻を気付かない程度にクンとさせて、それから何やら考えているのか、目を伏せていた。

 部屋は臭くなったら不味いために、始めから窓が開けられている。

 ポシッジュとチェチリーは変わりなく、胸元の開いたシャツとドレスで、ピュアジュエルもドレスはピンクのパステルカラーだったが、胸元はチェチリーほどではないが、開いている。

 ソアリスは王侯貴族の乳房丸出しドレスには否定的ではあるが、谷間はしっかりと見せているが、丸出しほどではなく、エクラオース王国では珍しいことではないことは理解している。

 チェチリーもピュアジュエルも痩せており、胸も豊かな方ではないために、いやらしい印象は受けない。

「王女殿下も同席するのですか?」
「いけませんか?」
「いやそうではありませんが……」

 ポシッジュはなぜケイトがいるのかと、アンセムに問い掛けた。

 ケイトはストロベリーケーキのドレスに身を包み、目の前に置かれたチョコレートケーキをキラキラとした目で見ている。

 アンセムがどう答えようかと思っていると、ソアリスが外面で代わりに答えた。

「まだ幼いので、可愛いでしょう?」
「ええ、大変可愛らしいと思いますが」

 まだケイトは挨拶しかしていないので、ミランやミフルにそっくりな、どこに出しても可愛い王女である。

「そうでしょう?」

 ソアリスは子どもたちを闇雲に、可愛いなどと褒めることなどないことをポシッジュたちは知らない。そのままにっこりと笑い、先制を行うことにした。

「今日はケイトはカイルスと遊ぶ約束をしていたのです。ですので、同席させてもらえませんか?」

 嘘ではあるが、お前のせいで変更したのだよという嫌味が含まれているが、ソアリスの口調は穏やかである。

「ええ、それは構いませんが」
「ありがとうございます。良かったわね、ケイト」
「はい」

 まるで普通の母子のように、ソアリスとケイトは微笑みあった。

「申し訳ありませんが、お話の前に一つだけ、伺っておきたいのですけど、よろしいですか?」
「はい、何でしょうか?」
「どうして公女様のお姿は、お写真ではなく絵姿でしたの?」

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