ドラゴンハンター

ことは

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第三章 ドラゴンハンター03 後藤祐太

3-5

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 ドラゴン研究所のロビーで、二人は橋本に会った。

 圭吾がドラゴンを橋本に渡そうとすると、ビンは空っぽだった。

「どこいっちゃったんだ?」

 圭吾が首をかしげる。

「そんなに気に入ったんだね、そのドラゴン」

 橋本が笑いをこらえた顔で言う。

 いつのまにか赤いドラゴンは、祐太の手の中にいた。

「あれっ、あれ?」

 祐太は驚いて、手の中のドラゴンを見つめた。

「なに祐太、瞬間移動させたの?」

 圭吾が祐太の肩を叩いた。

「えっ、どうやってやったのかわからないんだけど」

「強く思い描いたんだろう? そのドラゴンが自分の手に乗る姿を」

 橋本が笑った。

「そうですけど、えっ、こんなに簡単に? やっとドラゴンが見えたと思ったのに」

「君は面白いなぁ。表情がクルクル変わる」

 橋本が、祐太の頭をなでた。

「このドラゴンをおれの身守りドラゴンにしていいですか? おれ、ドラゴンハンターになれますか?」

 祐太はドラゴンを乗せた両手を、橋本の目の前に突き出した。

「名前はどうする? このドラゴン」

 橋本の問いかけに、祐太は目の前がぱっと明るくなった気がした。

「ファイ。ファイヤーのファイです!」

 橋本が、白衣のポケットから鎖のついたビンを出した。

「ここに入れて、連れて帰りなさい」

「はいっ!」

 祐太はビンを受け取って首にかけた。

 ファイはすでに、ビンの中だ。
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