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:第1章 「サバイバルの始まり」
・1-7 第15話 「柴犬耳のコハク」
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・1-7 第15話 「柴犬耳のコハク」
「オレの名前は、多比良 穣司。よろしく。
見ての通り、人間だ」
「……よろしく」
「それで、お嬢ちゃんの名前は? 」
「……コハクだよ。柴犬耳の、コハク」
なるほど、琥珀(こはく)色。
穣司は目の前でこちらを警戒して距離を取っている少女、柴犬耳のコハクの双眸(そうぼう)の中にある瞳の色に気づいて、その名前に納得していた。
確かに、宝石の琥珀に似ている。
「それで、なにを聞きたいの? 」
コハクは相変わらず警戒心を隠そうとせず、こちらと距離を取ったままだ。
視線も、外さない。
もし不審と思う動きを見せたら即座に逃げ出すか、反撃できる体勢を取っている。
(人間はずいぶん、怖がられているんだな……)
これまでの会話で分かっていたことではあったが、この惑星では人間というのは相当に嫌われているらしい。
だが、とにかく話はできる。
そうして会話をしていれば、誤解が解消され、打ち解けることだってあるだろう。
「そうだな……。コハクさん、この辺りにはオレ以外の人間はいないのかい?
いるのなら、ぜひ、会ってみたいんだが」
「いないよ!
貴方が初めて見る人間。ずっとこの辺りで暮らして来たけど、他に見たことなんてないよ」
「そっか。なら、遠くまで行けばいるのかい? 」
「それは、知らない。
でも、多分、いないと思う。
人間がいなくなってからずいぶん経つって、そう聞いてるから」
どうやらこの惑星において、人間というのはすでに過去の存在であるらしい。
獣人たちが強く恐れ警戒しているのも、もしかすると遠い昔にこの惑星に存在した、あるいはやって来た人間のことが断片的に記憶され、それが受け継がれていく際に話が誇張されて伝わるようになった結果なのかもしれない。
(本当にここは、どこなんだろうな?
そもそも、何年なんだ? )
つくづく、脱出艇のシステムの欠損が悔やまれる。
せめて、今が西暦の何年で、ケンタウリ・ライナーⅥの事故からどのくらい経ったのかだけでも分かればよいのだが。
「なぁ。この惑星は、なんていう星なんだ? 」
「わくせ……い? ホシ? なんのこと? 」
「えっと……、この、地面のことさ」
人間のことは知っているが、惑星、という概念はないらしい。
首を傾げているコハクに、とにかく彼女たちがこの辺りのことをなんと呼んでいるのかだけでも知りたいと思い、説明を端折(はしょ)ってブーツでトントン、と草原を踏みつけて見せる。
「この辺りのこと? それなら、ここは平原、だよ」
(そのままなんだな……)
なにかそれらしい地名があるのかと思ったら、単純に植生や地形でそう呼ばれているだけで、固有の名前はないらしい。
だが、これだけでも大きな収穫だ。
[平原]という単純な呼び方で他と区分できるのなら、周囲にはそれ以外の地形、たとえば森とか、山とか、そういうものがあるのに違いない。
この辺りにも、木は生えている。
しかし、林とか、そういったせいぜい数十メートル四方とか、そういう限られた範囲に木々が生い茂ったものが点在しているだけだ。
日々の薪を確保するだけなら事足りるが、建材などとして本格的に使おうとし始めればすぐに枯渇してしまうだろう。
森や山がある、というのなら、ぜひともその場所を知っておきたかった。
ここでは手に入らない様々なものがあるはずだからだ。
(もう少し話をしてる内に、なんとか教えてもらえないかな)
そんなことを思っていたのだが。
「なるほどなぁ~。
ところで、コハクさんはどこに住んでるんだい? 」
「えっと、わたしは……、はっ!
だめっ、教えないよ!
お家(うち)の場所は、絶対に教えないもん! 」
特に他意はない、話を引き延ばすための質問だったが、失敗だった。
人間は自分たちを食べてしまうかもしれない。
そう疑っているのだから、住んでいる場所など素直に明かしてくれるはずがなかった。
「ごめん。悪かった」
「……別に。いい、けど」
このまま会話を打ち切られてしまうかもしれない。
そう思った穣司が頭を下げて謝罪をすると、コハクは意外そうな顔をする。
謝られるとは思っていなかったのだろう。
「ねぇ、人間さん。わたしからも聞いてもいい? 」
それで少し警戒が解けたのか。
興味深そうにこちらの顔を下からのぞき込むようにしながら、彼女がたずねて来る。
「いいぞ」
「それじゃぁ……、その、人間さんのお家(うち)。
急に空から落っこちて来て、凄い音がしたけど、いったいなんなの?
見たことないんだけど」
「これは……、宇宙船、さ」
「うちゅう、せ、ん? な~に? ソレ? 」
穣司は考え込んでしまう。
惑星、という概念を知らないのだから、きっと宇宙というものについてもよく分かっていないに違いない。
そんな相手に、宇宙船、正確に言えば脱出艇だが、そういう機械があると説明するにはどうすればいいのか。
「え~っと……。鳥よりもずっと高い場所を飛ぶことができる乗り物、かな? 」
「なるほど~。それで、上から落っこちて来たんだ~」
アレコレ詳しいことを言っても余計に混乱させてしまうだけだろう。
そう考えて意図的に抽象的(ちゅうしょうてき)な説明をすると、すんなりと納得してもらうことができた。
「それじゃ、人間っていうのは、うちゅう? っていうところに住んでるんだ」
「ああ、まぁ、そうだな……。地球とか、火星、っていう場所にもたくさん住んでいるし、月、っていうところにも街がある。
けど、宇宙にいる人数の方が多いかもな」
「へ~。いろんなところにいるんだ~」
興味深そうに何度もうなずいた後、コハクは不意に首を傾げる。
「それじゃぁ、もしかして人間さん、困ってるの? 」
「へっ? オレが、困ってるのかって? 」
「うん。
だって、人間さんは宇宙に住んでいるんでしょ?
それなのに、落ちて来ちゃった。
その、うちゅうせん? も、壊れちゃってるみたいだし、もしかして、仲間のところに帰れなくなって、困ってるのかな~って」
(驚いたな……)
穣司は、ケモミミの少女の観察力、理解力の高さに感心させられていた。
実際、穣司は困っている。
その最優先目標は、漂流中のケンタウリ・ライナーⅥの乗客たちの予想位置を他の人類に伝えることだった。
だが、惑星に墜落して連絡を取ることも宇宙に戻ることも容易ではなく、少しずつ計画を立て作業を進めているものの、先行きが不透明だということも間違いない。
「……そう! そうなんだよ!
実は、けっこう困っているところでさ。
コハクさん、なにか役に立つそうなこと、知らないかい? 」
「えっ!?
う、う~ん……、そんなこと言われてもなぁ……」
もしかしたら手助けが得られるかもしれない。
そう思ってダメ元で話題を振ってみると、コハクはしばらく真剣に考え込んだ後、———力なく首を左右に振った。
「ごめんなさい。うちゅうせんのこととか、分かりそうなケモミミはいないと思う」
「そっか。そうだよなぁ……」
人間と同じ衣服を身に着けているから、この惑星に暮らしている獣人たちの間にはある程度の文明があるのかもしれない。
だとすれば、宇宙船や通信機器を修理する技術も……、と思ったのだが、思い当たるフシはないらしい。
「ところで、人間さん」
「……え? あ? 」
落胆していると、こちらのことを多少は信用してくれたのか以前より近づいてきたコハクが、少し怒ったような顔で見上げて来ていた。
「いつになったら、それ、もらえるの? 」
「……あ、ああ! すまない、すっかり忘れてた」
言われて、穣司は食べ物で吊って彼女に留まってもらっていたことを思い出す。
もっといろいろなことを聞いておきたかったが、残念ながらこれ以上の引き延ばしはできないらしい。
「はい、とりあえずコレ、どうぞ!
あと、もう一本、だったな。
すぐに取って来るから、もう少しだけ待っててくれ」
ある程度信用はしてもらえた様子だし、また、会いに来てくれるかもしれない。
そう信じることにして、穣司は急いで、コハクに約束通りの食料を渡した。
「オレの名前は、多比良 穣司。よろしく。
見ての通り、人間だ」
「……よろしく」
「それで、お嬢ちゃんの名前は? 」
「……コハクだよ。柴犬耳の、コハク」
なるほど、琥珀(こはく)色。
穣司は目の前でこちらを警戒して距離を取っている少女、柴犬耳のコハクの双眸(そうぼう)の中にある瞳の色に気づいて、その名前に納得していた。
確かに、宝石の琥珀に似ている。
「それで、なにを聞きたいの? 」
コハクは相変わらず警戒心を隠そうとせず、こちらと距離を取ったままだ。
視線も、外さない。
もし不審と思う動きを見せたら即座に逃げ出すか、反撃できる体勢を取っている。
(人間はずいぶん、怖がられているんだな……)
これまでの会話で分かっていたことではあったが、この惑星では人間というのは相当に嫌われているらしい。
だが、とにかく話はできる。
そうして会話をしていれば、誤解が解消され、打ち解けることだってあるだろう。
「そうだな……。コハクさん、この辺りにはオレ以外の人間はいないのかい?
いるのなら、ぜひ、会ってみたいんだが」
「いないよ!
貴方が初めて見る人間。ずっとこの辺りで暮らして来たけど、他に見たことなんてないよ」
「そっか。なら、遠くまで行けばいるのかい? 」
「それは、知らない。
でも、多分、いないと思う。
人間がいなくなってからずいぶん経つって、そう聞いてるから」
どうやらこの惑星において、人間というのはすでに過去の存在であるらしい。
獣人たちが強く恐れ警戒しているのも、もしかすると遠い昔にこの惑星に存在した、あるいはやって来た人間のことが断片的に記憶され、それが受け継がれていく際に話が誇張されて伝わるようになった結果なのかもしれない。
(本当にここは、どこなんだろうな?
そもそも、何年なんだ? )
つくづく、脱出艇のシステムの欠損が悔やまれる。
せめて、今が西暦の何年で、ケンタウリ・ライナーⅥの事故からどのくらい経ったのかだけでも分かればよいのだが。
「なぁ。この惑星は、なんていう星なんだ? 」
「わくせ……い? ホシ? なんのこと? 」
「えっと……、この、地面のことさ」
人間のことは知っているが、惑星、という概念はないらしい。
首を傾げているコハクに、とにかく彼女たちがこの辺りのことをなんと呼んでいるのかだけでも知りたいと思い、説明を端折(はしょ)ってブーツでトントン、と草原を踏みつけて見せる。
「この辺りのこと? それなら、ここは平原、だよ」
(そのままなんだな……)
なにかそれらしい地名があるのかと思ったら、単純に植生や地形でそう呼ばれているだけで、固有の名前はないらしい。
だが、これだけでも大きな収穫だ。
[平原]という単純な呼び方で他と区分できるのなら、周囲にはそれ以外の地形、たとえば森とか、山とか、そういうものがあるのに違いない。
この辺りにも、木は生えている。
しかし、林とか、そういったせいぜい数十メートル四方とか、そういう限られた範囲に木々が生い茂ったものが点在しているだけだ。
日々の薪を確保するだけなら事足りるが、建材などとして本格的に使おうとし始めればすぐに枯渇してしまうだろう。
森や山がある、というのなら、ぜひともその場所を知っておきたかった。
ここでは手に入らない様々なものがあるはずだからだ。
(もう少し話をしてる内に、なんとか教えてもらえないかな)
そんなことを思っていたのだが。
「なるほどなぁ~。
ところで、コハクさんはどこに住んでるんだい? 」
「えっと、わたしは……、はっ!
だめっ、教えないよ!
お家(うち)の場所は、絶対に教えないもん! 」
特に他意はない、話を引き延ばすための質問だったが、失敗だった。
人間は自分たちを食べてしまうかもしれない。
そう疑っているのだから、住んでいる場所など素直に明かしてくれるはずがなかった。
「ごめん。悪かった」
「……別に。いい、けど」
このまま会話を打ち切られてしまうかもしれない。
そう思った穣司が頭を下げて謝罪をすると、コハクは意外そうな顔をする。
謝られるとは思っていなかったのだろう。
「ねぇ、人間さん。わたしからも聞いてもいい? 」
それで少し警戒が解けたのか。
興味深そうにこちらの顔を下からのぞき込むようにしながら、彼女がたずねて来る。
「いいぞ」
「それじゃぁ……、その、人間さんのお家(うち)。
急に空から落っこちて来て、凄い音がしたけど、いったいなんなの?
見たことないんだけど」
「これは……、宇宙船、さ」
「うちゅう、せ、ん? な~に? ソレ? 」
穣司は考え込んでしまう。
惑星、という概念を知らないのだから、きっと宇宙というものについてもよく分かっていないに違いない。
そんな相手に、宇宙船、正確に言えば脱出艇だが、そういう機械があると説明するにはどうすればいいのか。
「え~っと……。鳥よりもずっと高い場所を飛ぶことができる乗り物、かな? 」
「なるほど~。それで、上から落っこちて来たんだ~」
アレコレ詳しいことを言っても余計に混乱させてしまうだけだろう。
そう考えて意図的に抽象的(ちゅうしょうてき)な説明をすると、すんなりと納得してもらうことができた。
「それじゃ、人間っていうのは、うちゅう? っていうところに住んでるんだ」
「ああ、まぁ、そうだな……。地球とか、火星、っていう場所にもたくさん住んでいるし、月、っていうところにも街がある。
けど、宇宙にいる人数の方が多いかもな」
「へ~。いろんなところにいるんだ~」
興味深そうに何度もうなずいた後、コハクは不意に首を傾げる。
「それじゃぁ、もしかして人間さん、困ってるの? 」
「へっ? オレが、困ってるのかって? 」
「うん。
だって、人間さんは宇宙に住んでいるんでしょ?
それなのに、落ちて来ちゃった。
その、うちゅうせん? も、壊れちゃってるみたいだし、もしかして、仲間のところに帰れなくなって、困ってるのかな~って」
(驚いたな……)
穣司は、ケモミミの少女の観察力、理解力の高さに感心させられていた。
実際、穣司は困っている。
その最優先目標は、漂流中のケンタウリ・ライナーⅥの乗客たちの予想位置を他の人類に伝えることだった。
だが、惑星に墜落して連絡を取ることも宇宙に戻ることも容易ではなく、少しずつ計画を立て作業を進めているものの、先行きが不透明だということも間違いない。
「……そう! そうなんだよ!
実は、けっこう困っているところでさ。
コハクさん、なにか役に立つそうなこと、知らないかい? 」
「えっ!?
う、う~ん……、そんなこと言われてもなぁ……」
もしかしたら手助けが得られるかもしれない。
そう思ってダメ元で話題を振ってみると、コハクはしばらく真剣に考え込んだ後、———力なく首を左右に振った。
「ごめんなさい。うちゅうせんのこととか、分かりそうなケモミミはいないと思う」
「そっか。そうだよなぁ……」
人間と同じ衣服を身に着けているから、この惑星に暮らしている獣人たちの間にはある程度の文明があるのかもしれない。
だとすれば、宇宙船や通信機器を修理する技術も……、と思ったのだが、思い当たるフシはないらしい。
「ところで、人間さん」
「……え? あ? 」
落胆していると、こちらのことを多少は信用してくれたのか以前より近づいてきたコハクが、少し怒ったような顔で見上げて来ていた。
「いつになったら、それ、もらえるの? 」
「……あ、ああ! すまない、すっかり忘れてた」
言われて、穣司は食べ物で吊って彼女に留まってもらっていたことを思い出す。
もっといろいろなことを聞いておきたかったが、残念ながらこれ以上の引き延ばしはできないらしい。
「はい、とりあえずコレ、どうぞ!
あと、もう一本、だったな。
すぐに取って来るから、もう少しだけ待っててくれ」
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