11 / 13
第11話 セックスの拙劣さを指摘される吐く打ちのめされる
しおりを挟むミオナさん、よかった、無事だった――
事故や病気の可能性も考えていたので、おれはほっとしてミオナさんに声をかけようと手をのばそうとした。
するとミオナさんは「ヒッ」と悲鳴をあげ、両腕を自分の身をまもるようにあげ、あとずさりする。
「痴漢っ! 痴漢です、この人いま私のことさわりましたっ!」
そのことばが、おれの耳にはたしかにはいったのだが、脳がうまくその意味を処理することができなかった。
ミオナさんからまっすぐのばされたかれんな人さし指は、おれのうしろのだれかを指しているんだろうと、ゆっくり、時間がとまったかのようにゆっくりと首をうしろにねじむける。
――だれもいない。
ということは、一応、彼氏であるはずのおれのことを、「痴漢」と指弾しているってことだろうか……
「だれか、つかまえて!」
ちょうど視界の奥にいた、駅員さんがあわててこちらへはしってくるのをおれはぼんやりとひとごとのようにながめていた。
購入してからだいぶ時間がたつ、職場のおれのパソコンみたいに、きっと、時間をかけて重いエクセルを立ちあげているところなんだとおれは頭のすみで連想をかさねる。
「……リョータロ!」
耳もとで、カバネちゃんの声がはじけた。
「いまは、スマホひろって、逃げたほうがいい」
パチンと目のまえで風船がわれたように、ハッとわれにかえる。
機械的に、言われるがままバキバキに割れたスマホをひろうためにサッとかがむと、「この痴漢ヤロウが!」という野太いおたけびと、胸ぐらをつかもうとしたのか筋骨隆々とした腕がおれの頭上をかすめるのを風で感じた。
――にげなくちゃ。
そのことばだけが瞬間頭に浮かんで、おれを捕らえようとやってきたらしい男性の足を、とっさに足で引っかけつつスマホを手につかんで立ちあがる。
男性がよろけているスキに、トイレのすぐ脇にあった階段を馳けのぼっていく。
駅員さんの「待ちなさい!」という声のほか、その男性の「逃げんじゃねェ!」という声がおれの背をつかもうと追ってくる。
チラリとだけ見えたミオナさんは、心底おびえるように肩をちぢめて両腕を抱き、うつむいている……。
――
――――
――――――――
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ――
走るほどに、息が切れる。
人助けしてたときも、ここまでの必死さをもって、走ったことはなかった。
痴漢としてつかまれば、人生が崩壊する。
その恐怖がおれの足をまえへまえへとうごかした。
自動改札機をぬけたあとも、野太い男性の声はおれを追いつづけた。
おれはあまり来たこともない街を、よくわからないままに走りつづけた。
すこしずつ、すこしずつ男性の声は遠くなっていき、ようやく聞こえなくなってからは、真っ赤に燃える太陽にいぶされ体中の水分がすべてながれ出してしまったかのように汗だくになっていた。
「ガフッ、ゲホッ、おぇぇぇ」
状況を理解することができず、呼吸が回復しないまま、公園のすみで少し吐いてしまった。
頭が、くらくらする。
住宅街のはざまにかくれた、ベンチしかないようなちいさな公園で、おれはベンチに手をかけてひざまずき、うごけない。
「えっ、なんで? どうして? どうして」
ブツブツと、ひとりごとを呪詛のようにもらす。
ミオナさんに痴漢だってさけばれるようなこと、したか?
さっき、さわってさえいなかったのに。
これまでのミオナさんの思い出も、ずっと、まぼろしだったのか?
ただの幻覚?
いや、そんなわけない。
何度も飲みに行って、うちに泊まってくれたこともあったし、セックスだって二回だけだけどしたし、あんなスタイルのいい人としたことなんてなかったからあの生々しさは夢想で補える範囲なんて超えているはずで、たしかに連絡は最近とれてなかったけど、「やさしい人がタイプ」って、おれのこと見ながら、酔ってあからめたきれいな顔して笑ってて……
「うぷっ」
またすこし吐いたあと、そばの自動販売機でスポーツドリンクを買おうとするが、手が尋常じゃないぐらいブルブルとふるえて、ボタンがうまく押せない。
連打してしまったらしく2つも出てきてしまって、どうにか取り出し少量を口にふくむと、液体と吐き気とがぶつかりあってしっかりとのみくだせない。
ペットボトルのキャップをしめる手が、カチカチとふるえてハマらなくて、「なんで」現状がすこしずつ認識できていくほどに涙があふれてくる。
「どうして」
うめいてベンチのはしっこにもたれていると、近くで「ヒッ」という悲鳴のような声がきこえた。
ちからなく声のほうを見やると、いつかのように、カバネちゃんがこちらに背をむけてかすかにふるえている。
似たようなすがたを見たのは、いつだったか……
そうだ、おれがスポーツカーに轢かれそうになって、結局それて目のまえでバイクの運転手が轢かれて悲惨なすがたになっているのを見たときだ……
――泣いてるのか?
――なんで、キミが泣くんだよ。
そんな声をかけようとして、カバネちゃんの顔をのぞきこもうと首を傾けると、自分が根本的にかんちがいをしていることに気がついた。
「ヒッ」
カバネちゃんは、ふるえながら、笑っている。
「フ、フヒヒヒヒヒヒッ、ヒヒッヒヒッ、フヒヒヒヒヒヒ」
これ以上ないくらい、邪悪さをほおにみなぎらせて。
「もう、もうガマンできないよぉぉぉぉ! もがいてるねぇ、苦しんでるねぇ。ああ、ニンゲンが、あがいて、生きぎたなくのたうちまわる姿はなんてステキなんだろう! 絶望にまみれて、なみだを流して、吐きちらしてる! ああ、もっとよごれてほしい。もっと虫みたいに地面を這いずってほしい。害虫みたいにあっけなく容赦なく踏みつぶされて足がもげて半身がつぶれても生きのびて苦鳴をあげてほしい! 生きるって、そんなにうつくしいものじゃないよねぇぇぇ。シアワセって、不幸と苦しみのスキマにあるほんのわずかな一瞬間のことだよねぇぇぇ。仕事も、勉強も、恋愛も、生活にまつわるあらゆるものがうまくいかなくて、もがいてる! それでも生きる! それが生だよ。ニンゲンが、生きるって、ことだよぉぉぉぉ」
うっとりと、両手をほおにそえて空をあおぐカバネちゃんに、ことばがのどをあがってこない。
「ニンゲンは、こうでなくっちゃ。ぜったいに、死ぬなんてダメだよ。苦しんで、苦しんで、苦しんで、もがいてその姿をアタシに見せてよ、ねぇリョータロ」
手のとどかない空中から、おれに手をさしのべて、わらいかけてくる。
太陽を背なかに負って、まるで天のつかいみたいなまぶしさで。
「……キミが言ってた、『人が死ぬの大キライ』って、まさか」
「大ッッッキライだよぉぉぉぉ」
カバネちゃんは、突如耐えがたい苦痛におそわれたかのように顔をゆがめて、顔面の皮膚をかきむしった。
皮膚が、いや、皮膚らしきものが、かわいらしくデコった長い爪でえぐられ掘削されると、木の洞のような穴があいてドス黒い液体が頬から流れていく。
血ではない、「人間じゃないんだ」「最初から人間とはぜんぜんべつのなにかだったんだ」と思わせるに足る、その漆黒。
「人が安易に死ぬのなんて、ぜったいにゆるせない。耐えられない。ひとりでも、一分でも、可能なかぎり生きて苦しんでほしいの。そのすがたを私に見せてほしいの。自殺だったり、事故で即死しちゃうのなんて、サイアクのサイアク。リョータロが最初にたすけてくれたぁ、おばあちゃん最近死んじゃったの知ってる?」
「……ああ」タケシさんから聞いた話を、思い出す。「聞いた」
「リョータロのおかげでたすかったよぉぉぉ。頭打って即死なんておもしろくもなんともないから、最後までのたうちまわって死んでくれて、苦しむすがたをたっくさん見せてくれてわたしすっごくうれしかった。ゾクゾクしちゃった……」
「うそだ!」おれはつばをのみこんでから、さけんだ。「眠るように亡くなった、って聞いたぞ。大往生だったって」
「フヒッ! フヒヒヒヒヒ、ニンゲンって好きだよねぇ! 『眠るような、おだやかな自然死』ってやつ? 老衰が、自然死がどんなに悲惨なものなのか知らないでしょ。心が、タマシイがどんな阿鼻叫喚を発して死んでいくかを知らないでしょ。『痛い、かゆい、熱い、たすけて、ころして』って、ずっと何度も何度もさけんでたんだよ、おばあちゃんは。でもまわりはなんにも気づかない顔して、『もう年だし、眠るように亡くなったから、きっと苦しくなかったろう』っておわったあとで『いいことした』みたいな顔してなぐさめあうんだ! ニンゲンって、ほんとに、おもしろいよねぇ。死ぬのなんて、苦しいに決まってるじゃん。命が、燃えつきていくんだからさ。おばあちゃんの寿命を、本来決まってたその苦しみを、リョータロがたすけてくれたおかげでとり返すことができたんだよぉぉぉ」
「……おれが、たすけたせいで……」呆然と、くりかえす。「じゃあおれは、なんのために……」
「やだなぁ、いいことをしたんだよ! リョータロもいい気分になれてたでしょ? お孫さんもうれしくて泣いてたじゃん。仕事もうまく行きはじめたってウキウキしながらしゃべってたじゃん。おばあちゃんは本来そうして死ぬべきだった、苦しい苦しい肺炎を授かって胸をかきむしりながら死ぬことができたんだよ。それは、あんな不慮の事故なんかでジャマしていいものじゃない、神聖なものなんだ。この世界でいちばんうつくしいものなんだ。それを、リョータロがまもってくれたんだよ」
「そうして死ぬべきだったって、寿命とか、わかるのか。まえに、直前じゃないと死ぬかどうかなんてわからないみたいなこと……」
「アタシそんなこと言ったぁぁぁ??」
さかさまに浮かぶカバネちゃんが、大きく、人間ではとうていひらかないほど大きく口をひらいて哄笑する。
口が裂けて、地獄の空気が流れこんでくるような錯覚がした。
「死神のデマカセをいちいち信じてくれるだなんて、ほんと、リョータロは“いいひと”だねぇぇぇ。ミオナさんだっけぇ? あのひともリョータロが“いいひと”だから近づいてきたんだろうねぇぇぇぇ。あのひとと会ってるときのリョータロ、おかしくってしょうがなかったよ。見るからに浮かれちゃってねぇぇ」
「そ、そ、それは、しょうがないだろ。彼女と会ってるときなんて、だれだって……」
「彼女!!!」カバネちゃんはいきおいよく噴き出す。「あのひとのココロを代弁してあげよっかぁ?
最初に声をかけてきたときは『こいつお人よしっぽいから行けそうだな。弟なんていないっつーのに即信じてて笑う』。
何度か飲みにいってるときは『もっとスマートに口説いてさっさとセックスまで進めろよ。なんで私からキッカケをあたえないと手もにぎれないんだよ。童貞か。彼女いたとか言ってたけどゼッタイウソだわ。それか相手まかせでしか行動できないバカ』。
セックスしてるときは『うわーヘタすぎて死にそう。いきなり胸をもむな強いしかも乳首にばっかり執着するな、下着の上からていねいにさわって徐々にこっちの気もちを高めろよ強引なのがいいとかフィクション真に受けてんのか痛い痛いまだ乾いてるから。こっちはなめてやってんのになめることすらしないしもういいや適当にアンアン言って腰ふって終わらそ』。
お金を振り込んだときは『ようやくここまでもってきたのにコイツぜんぜん金ないじゃん……。そうか、ジジイ狙うのもバカ女のパパ活みたいでイヤだから若いやつに声かけてみたけど、そもそも金もってない問題があるのか……。あークソとりあえずコイツおわらせて次いこ』――」
「やめ、やめてくれ」
頭がまっしろになる。
トラックに正面からぶつかられたような重い、重い衝撃がして、視界がはげしくゆれる。
自尊心がコナゴナに砕け散っていく音が耳のなかでやまない。
頭が、割れる。おさえても割れていく。
必死に手でおさえつけているのに、割れてこぼれていく。
「おねがいだ、やめて」
「その顔、その顔、その顔だよぉぉぉ」カバネちゃんは目をとろけさせる。「あとこれもあったなぁ、『動物園とかマジでありえない。せめてまえもって言っとけよこっちはテメェみたいなクソダサ私服じゃなくしっかりおしゃれをして、歩きにくいクツを履いてきてんだよ』『陰キャのやるサプライズとかマジで害悪でしかないよな』『家のなかだろうと無許可で胸とか尻さわってくんじゃねぇよ。日常生活のなかで突然さわられてアンアン感じちゃうなんてあり得ねぇに決まってんだろ頭沸いてんのか』……」
「やめろ!!!」思わずさけぶ。「いままで、協力、してきただろ。こんな、こんな、仕打ちを受けなきゃいけないほど、おれは、キミの、うらみを買ってたっていうのか」
「うらみなんてな~んにもないよ。ニンゲンをたすけてもらってたのも、アタシの楽しみのため。いまこうして、アタシをほっぽってうつつをぬかしてたリョータロを打擲するのも、アタシの楽しみのため。ねぇ、気づかなかったぁ?」
カバネちゃんは逆さになったままパックリと口をひらいて、舌の中心にひかるピアスを見せつけながら、おれの顔を呑みこんできた。
いつかふれられなかったように、カバネちゃんの口はのどはおれをすりぬけていくが、名状しがたい寒気が全身をはげしく長くふるわせる。
「ニンゲンはさぁ、口でならなんとでも言えるんだよねぇ。ミオナさんだっけ? あの人といるときに、二回ぐらい人助けの機会があったけど、リョータロから言われないかぎりまったく手伝おうともしなかったどころか、なるべくまわりに溶けこんで無関係な人になろうとしてたよね。結局、行動に出るんだよ人間性なんてものはさぁ。もし、今度があるならおぼえておくといいよぉ」
感触はないが、頬に沿ってのびる、カバネちゃんのしなやかな指が視界のはしにうつる。
頭のなかで、ぐるぐると、いろんなことばが、まわっている。
まわるたびに、自分の恥部が、愚鈍さが撹拌され、ぐるぐると脳の薄皮を切り裂きながらことばがとびつづける。
――なにも、しゃべることも、考えることも、できない。
「さて」
カバネちゃんはつぶやくと、確認するように空をむいた。
「あと5分」
0
あなたにおすすめの小説
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる