捨てられ伯爵令嬢は野獣に勝てるか

めろめろす

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決戦

第3話

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 倒れるマリアガーテを、バライカは苛立たしげに見ていた。しかし、現れたのがマリアであることが分かると、嬉しそうに口角を上げた。


「おいおい、なんだ!お前って、あいつのお嫁さんだよね?ただの人間の!わざわざあいつが逃してやったのに、戻って来たのか?ははっ!なんて愚かなんだ!これだから人間は!」

 クスクスと笑い始めたバライカを、マリアは真剣な眼差しで見つめる。


「私の大事な夫はどこですか?」

「大事な夫?あぁ、あのクズで役立たずな男のことかな?あいつなら…。」

 バライカが指を鳴らした。




「オネオン!!!!!」


 するとバライカの背後の空間がぐにゃりと歪んだ。現れた暗闇の空間に、足と手を杭で貫かれて血まみれで拘束されていたのがオネオンだった。


「オネオン!オネオン!!!」


 マリアが半狂乱で駆け寄ろうとするが、それをロヴェルが押し留める。

「ダメですよ、マリアさん!ここで飛び出したらバライカの思う壺です!」

「でもオネオンが!オネオンがあんな姿に!」

 ボロボロと涙をこぼしながら訴えてくるマリアを、ロヴェルは悲痛な面持ちで見る。

「死んではいないはずです!オネオンさんを殺してしまえば、バライカは半分の力を失うことになる。」

 ロヴェルの言葉にバライカが「その通り。」と割って入った。


「こんな役立たずでも僕が力を振るうために必要なんだ。だからかろうじて生きさせてあげてるんだよ。意識は奪って、永遠の暗闇の中で耐え難い苦痛に苛まれているけどね。」

「っ!あなたって人は!!」

 マリアの怒声に、バライカは「だか!僕は人じゃないんだって!」とふざけた返事をする。


「ほんと、なんで君はオネオンなんか助けに来たんだい?オネオンには君よりもずっと大事な女がいるんだ。君は騙されてたんだよ。逃げることができたんだから大人しくオルドネアで再婚すればよかったのに。オネオンにはもう未来はない。一緒にいれば苦労するだけさ。」

 バライカがニヤニヤと笑いながらマリアに話しかける。バライカの瞳が怪しく光ると、マリアの瞳がぼんやりと意思を無くしていく。

「わたし…わた…しは。」

「さぁ、もうやめるんだ。君は幸せになるべき女性だよ。こんな役立たずの男じゃなくて、もっといい男を見つけてあげる。」

 そう言ってマリアに手を差し出すバライカだったが。





「ぎゃあ!!!」



「汚い手で美しい乙女に触れようとするなんて男の風上にも置けないわね。」


「っアリアネス!!!」


 アリアネスによって手を捻りあげられたバライカが悔しげな声を出す。



「いいこと?女にとって愛する男は誰よりも輝いているもの。マリアさんがオネオンを愛し続けると決めた以上、他人がどうこういうのは野暮なんですの。あなたってもしかして女性とお付き合いした経験がないのかしら?とんだ坊やですこと!」




 おっーほっほっほっと高笑いするアリアネスの言葉に、バライカはこめかみに青筋を立てた。

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