捨てられ伯爵令嬢は野獣に勝てるか

めろめろす

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決戦

第7話

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 しかし、バライカは自分の恋心をファニアに決して悟られないようにした。妖精王として生きてきたプライドの高さから、彼女に素直に気持ちを伝えることができなかったのだ。

 自分の気持ちが伝えられなくても、ファニアがそばにいてくれるだけで、バライカには世界が輝いて見えた。昨日まで、灰色の世界が広がっていたはずなのに、いきなり世界に色が付いたような気がするのだ。

 ファニアはバライカを様々な所へ連れ出した。孤独に生きてきたバライカが見たこともないような景色や食べ物を教えてくれた。今までなんとも思っていなかったものがこんなに美しかったのかとバライカは驚きさえした。

「あなたって妖精王のくせに何にも知らないのね。そんなんじゃ王様って言えないわよ。もっと色んなことを知らないと!」

「相変わらず生意気だね、君は。」

「なによーー!」

 ぷんぷんと怒るファニアが愛しくて堪らない。


 ファニアとともに過ごすようになってから、バライカの苛烈な性格は少しずつ穏やかになっていった。少しでも気に入らないことがあれば、自分の側近であっても容赦なく始末していた彼の変貌ぶりに、他の妖精たちは目を丸くしていた。何か裏があるのではないかと遠巻きに見ていた彼らだったが、バライカがファニアと楽しげに笑い合っているのを見て、少しずつバライカに近づいてきた。

 ファニアとともにずっと幸せに生きていきたい。

 そのために、バライカは妖精界の統治に力を入れ始めた。今まで適当にやっていた王としての仕事もしっかりこなすようになり、彼の評判はだんだんと良くなっていった。

 バライカの城にはファニアをはじめとしたたくさんの妖精たちが出入りするようになり、どんどんと活気が増していった。

 花が好きなファニアのために、城中を色とりどりの花で飾り、たくさんの催しが行われた。

「うふふ!楽しいでしょ、バライカ?これが妖精の生き方なのよ。自然を愛し、妖精たちを愛し、楽しく自由に生きるの。」

「君が妖精を語るなんて100年、いや1000年早いさ。」

「もう!なんでバライカってそんな意地悪なことしか言わないのよ!モテないわよ!」

「残念ながらモテているのさ。」

「もーーーー!」


 賑やかや笑い声が城に響き渡る。こんな幸せな時間が一生続けばいい。そしてゆくゆくはファニアに気持ちを伝えて、2人でこの妖精界を守っていく。









「ごめんなさい、バライカ。私、人間を好きになってしまったわ。」


 そんな幸せは彼女のそんな言葉で脆く崩れ去ってしまったのだけれど。
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