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落ちこぼれの魔法事務所
ロミィさんとの契約③
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「うふふ!今日からお仕事だー!」
楽しみすぎていつもより随分と早起きしたハフィはスキップをしながら、昨日就職が決まった事務所へと向かっていた。
仕事が決まった生徒は、卒業の前から事務所で働くことが許されている。ハフィも今日からそんな生徒たちの仲間入りだった。落ちこぼれのハフィが仕事に行くと知った同級生たちは、皆目を丸くして驚いていた。そんな彼らの態度に気分が良くなったハフィだったが、ある1人の生徒によってあっという間に幸せな気持ちが消えてしまった。
「うー、全く!相変わらずオーラスは意地悪なんだから!」
思い出すのは寮の食堂で朝食を食べていた時のこと。仕事があるので早起きしてご飯を食べていると、同級生の「オーラスクス・モードレス」が話しかけてきたのだ。
「なんだ、落ちこぼれのハフィがこんな朝早くから起きてるなんて珍しいな。まさか仕事でも決まったのか?そんなわけないか!ハフィを欲しがる魔法使いなんている訳ないしな!」
「っ!そんなことないもん!ちゃんとお仕事決まったんだから!」
ハフィを見かけるといつも嫌味を言ってくるオーラス。彼は人間の魔法使いで、ずっとトップの成績を維持し続けている同級生の中でもエリート中のエリートだった。
真っ黒な髪に紫色の瞳。ハフィより頭ひとつ分高い身長。学校の女の子たちは顔立ちが整ったオーラスに夢中だった。
でもハフィは違う。いつも意地悪ばかりしてくるオーラスのことが大嫌いだった。
そんなオーラスの鼻を明かすことができるのがとても嬉しい。前からずっと「ハフィは就職なんかできるもんか」と馬鹿にされていた。それに言い返すことができるようになったのだから。
「私だってちゃんと就職できたんだから!今日からお仕事なの!忙しいんだからあっちに行ってよ!」
「はぁ?ハフィがお仕事?そんなことある訳ないだろ。嘘つくんならもっとまともな嘘をつくんだな!」
「嘘じゃないってば!一番弟子にだってしてもらえたんだから!私だって今日から立派な魔女なんだよ!」
椅子から立ち上がって、オーラスの目の前でえっへんと胸を張る。一方、オーラスは信じられないとでも言いたげにワナワナと震えていた。
「お、お前が一番弟子??そんなことあるもんか!魔力が弱くて大した魔法も使えないお前なんかを一番弟子にする人なんている訳ないだろ!お前、騙されてるんじゃないのか?」
「っーーーー!オーラスの馬鹿!騙されてなんかないもん!ごちそうさま!!」
オーラスの言葉に怒ったはハフィは行儀が悪かったものの、立ったまま朝食のパンを口に詰め込んで飲み込んだ。そして、オーラスを置いて急いで食堂でから出て行った。
楽しみすぎていつもより随分と早起きしたハフィはスキップをしながら、昨日就職が決まった事務所へと向かっていた。
仕事が決まった生徒は、卒業の前から事務所で働くことが許されている。ハフィも今日からそんな生徒たちの仲間入りだった。落ちこぼれのハフィが仕事に行くと知った同級生たちは、皆目を丸くして驚いていた。そんな彼らの態度に気分が良くなったハフィだったが、ある1人の生徒によってあっという間に幸せな気持ちが消えてしまった。
「うー、全く!相変わらずオーラスは意地悪なんだから!」
思い出すのは寮の食堂で朝食を食べていた時のこと。仕事があるので早起きしてご飯を食べていると、同級生の「オーラスクス・モードレス」が話しかけてきたのだ。
「なんだ、落ちこぼれのハフィがこんな朝早くから起きてるなんて珍しいな。まさか仕事でも決まったのか?そんなわけないか!ハフィを欲しがる魔法使いなんている訳ないしな!」
「っ!そんなことないもん!ちゃんとお仕事決まったんだから!」
ハフィを見かけるといつも嫌味を言ってくるオーラス。彼は人間の魔法使いで、ずっとトップの成績を維持し続けている同級生の中でもエリート中のエリートだった。
真っ黒な髪に紫色の瞳。ハフィより頭ひとつ分高い身長。学校の女の子たちは顔立ちが整ったオーラスに夢中だった。
でもハフィは違う。いつも意地悪ばかりしてくるオーラスのことが大嫌いだった。
そんなオーラスの鼻を明かすことができるのがとても嬉しい。前からずっと「ハフィは就職なんかできるもんか」と馬鹿にされていた。それに言い返すことができるようになったのだから。
「私だってちゃんと就職できたんだから!今日からお仕事なの!忙しいんだからあっちに行ってよ!」
「はぁ?ハフィがお仕事?そんなことある訳ないだろ。嘘つくんならもっとまともな嘘をつくんだな!」
「嘘じゃないってば!一番弟子にだってしてもらえたんだから!私だって今日から立派な魔女なんだよ!」
椅子から立ち上がって、オーラスの目の前でえっへんと胸を張る。一方、オーラスは信じられないとでも言いたげにワナワナと震えていた。
「お、お前が一番弟子??そんなことあるもんか!魔力が弱くて大した魔法も使えないお前なんかを一番弟子にする人なんている訳ないだろ!お前、騙されてるんじゃないのか?」
「っーーーー!オーラスの馬鹿!騙されてなんかないもん!ごちそうさま!!」
オーラスの言葉に怒ったはハフィは行儀が悪かったものの、立ったまま朝食のパンを口に詰め込んで飲み込んだ。そして、オーラスを置いて急いで食堂でから出て行った。
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