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爆発の魔法についての考察
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ルイザは確かに見た。
凄まじい爆発がタクトを呑み込んでいったのを。そして、わずかに遅れてその中へ女の子が飛び込んでいったのを。
あの子は……タクトの妹の――。
確実に二人は死んだと思った。もう仲間を誰も死なせないと誓ったはずなのに、結果としてまた見殺しにしたと思った。
だが、そうではなかった。
爆発の光に目がくらんだ次の瞬間、タクトはその妹に抱きかかえられるように爆炎から飛び出し、何度も地面を撥ねながら転がった。そしてすぐに身体を起こした。何が起こったのか理解できなかった。
「何故だ!」
アキームはその動揺を隠さなかった。
少女が飛び込んだのを見た瞬間、思いがけず人を巻き込んでしまったことを悔やんだほどだった。ところがどうだ。少女は無傷で、ナナリのタクトはむしろ傷が癒えているようにさえ見える。
もちろん、まともに動けず虫の息にも等しいのは変わらないが、明らかに傷が減っていた。
「がはっ!」
胸に受けた傷がまたしても血を吐かせる。
自らの血の赤が忌々しさを増幅した。
この傷の痛みを、ナナリのタクトはなかったことにしてしまったのではないか。それは不公平というものではないか! 壁に縋り、何とか立ち続けながら歯ぎしりをした。
そして小さな爆発をすぐそばで起こした。
お気に入りの美少女が自分の命を狙っていたからだ。彼女は小さな悲鳴を上げて吹き飛んだ。次にはさっき吹き飛ばした大柄の少年が斬りかかってきたが、ここは敢えて拳で返して男としての格の違いを見せつけてやった。
「レヴァンニ!」
「くそったれ!」
それはこっちのセリフだと思った。だが、矜持にかけて品位にもとるセリフなど吐きはしない。そして今注目すべきは彼らではない。突如現れた黒髪の少女だ。
「そこの女の子は……すぐにこの場を離れなさい。女性を傷つけることは私の性に合わん」
「いや!」
その少女はナナリのタクトをかばう姿勢を見せた。
「そうか……残念だ」
アキームは敢えて誰にもわかるように魔法を使う態勢をとる。
「エミリ……逃げ……」
言いかけて卓人はやめた。
それで果たしてエミリは逃げてくれるだろうか。言って聞く子ならこんな危険なところへきたりはしない。この子は大切なお兄ちゃんを守るためなら命だってかけてしまうだろう。
他人だからこそそれがわかる。
説得に無駄な時間をかけるのは敵に攻撃の機会を与えるだけだ。ここで善人ぶることに何の活路もない。だったら賭けに出たほうがましだ。
「エミリ……冷却の魔法だ……」
爆発の魔法の難を逃れたものの、肉体は深く傷ついて動かないに等しい。卓人は絞り出すように声を出し、小麦粉の入った紙球をその前に放った。
「あそこに……」
「うん」
アキームはその行動が罠ではないかと考えた。しかし、どちらにしても爆発の魔法で吹き飛ばしてしまえば関係ない。
「少女よ、今一度言う。きみを殺すつもりはない。すぐにその場を離れなさい」
エミリは答えなかった。ただ一心に、兄を信じて冷却の魔法を使った。
「見事な決意だ」
アキームは爆発の魔法を放った。
レヴァンニもルイザも、もはやいかなる行動も及ばない。間に合うとすれば、起こるべき惨事に一瞬でもいいので目をそらすことだけだった。
「…………?」
しかし、何かがおかしかった。
――熱が蓄積しない?
二人の人間を粉微塵にするだけの熱量と圧縮率がどの程度のものかはわかっている。しかしこれでは一人どころか石ころを弾き飛ばして終わりである。
『なぜだ?』
アキームはさらに熱を流入させる。だが注入した分、熱はどこかへ拡散されてしまう。
百戦錬磨のこの男にして、このような経験は初めてであった。
しかし初めての経験をしたことは初めてではない。戦場では想定外が必ず起こるが、それらをすべて乗り切ってきたからこそ現在があり、地位があるのだ。
そしてそれを乗り切らせてきたのが、彼の恃みとする爆発の魔法であった。
思うがままにならぬこの状況において、アキームはただただエネルギーを注ぎ込むことにのみ意識を奪われることとなった。
卓人は爆発の魔法の理論について、ある仮説を導いていた。
火の魔法は熱を集めて発火させるが即座に拡散してしまう。これに風の魔法で必要なエーテルを組み合わせれば集めた熱を閉じ込めて拡散を防ぐことができる。巨大な炎の魔法はこの技術によってなされている。このエーテルをさらに短時間で圧縮すると、エネルギー密度は極めて大きくなり、エーテルを解放した瞬間に凄まじい運動エネルギーと熱エネルギーを伴って周囲の空気を押しのけ、吹き飛ばす。
おそらくこれが爆発の魔法の正体である。この仮説に基づき、エミリに冷却の魔法でエーテル内に閉じ込めた熱を拡散させていけば爆発を封じることができるはずだ。
しかし問題点はあった。
アキームがどこに座標を定めて爆発の魔法を放つのかがわからないということだ。爆発のエネルギーが貯め込まれていく座標に冷却の魔法をかけなければ意味がない。
だから卓人は無意味な紙球を敢えて目につくように投げ出した。
エミリにわかりやすくするためだけではない。
爆発の魔法をここに照準として定めさせるためである。
この数分のやり取りで何度も紙球に意識を向けさせしめられたアキームは、この段階において無関係と思いつつもその潜在意識は確かにそこに誘導された。そして卓人の意図したとおり、小麦粉の入った紙球に爆発の魔法の照準を定めてしまっていた。
アキームが爆発の魔法使いとして名を上げることができたのは、魔法の発動から殺傷可能な爆発までにわずかな時間しか要しない、すなわちエネルギー注入の速さにある。それと同等の速さでエネルギーを拡散させるエミリの冷却魔法もまた尋常でないことになる。
もし何かが間違っていたなら、確実に二人とも粉微塵に吹き飛ばされていた。
「ぐぬうううううう!」
ここで弱みは見せられなかった。アキームは意識を爆発の魔法に集中した。
しかし、熱を込めると同時に拡散される。
奇妙な循環はいつしか振動を生み出し、松明の炎は奇妙な揺らめきをし始めた。しかしその現象にさえ……いやさ、レヴァンニとルイザが示し合わせていたことにさえも気づかないほどにアキームは意識を釘付けにされてしまっていた。
それが命取りとなった。
「ぐわあああああああ!」
アキームの隙をつき、レヴァンニが灼熱の炎を、ルイザが雷撃を繰り出した。
まともに食らったアキームはほとんど消し炭のようになって倒れた。
「ふぅ、今度はまともに魔法ができたぜ」
レヴァンニは安堵のため息をついた。
先ほど彼の炎の魔法が大きくならなかったのは、貯まった熱をアキームが奪って爆発の魔法にしたからである。暗いからと松明を点けたのも爆発の魔法のエネルギーを得るためである。爆発の魔法は周囲に大きな熱源がなければならない。
凄まじい爆発がタクトを呑み込んでいったのを。そして、わずかに遅れてその中へ女の子が飛び込んでいったのを。
あの子は……タクトの妹の――。
確実に二人は死んだと思った。もう仲間を誰も死なせないと誓ったはずなのに、結果としてまた見殺しにしたと思った。
だが、そうではなかった。
爆発の光に目がくらんだ次の瞬間、タクトはその妹に抱きかかえられるように爆炎から飛び出し、何度も地面を撥ねながら転がった。そしてすぐに身体を起こした。何が起こったのか理解できなかった。
「何故だ!」
アキームはその動揺を隠さなかった。
少女が飛び込んだのを見た瞬間、思いがけず人を巻き込んでしまったことを悔やんだほどだった。ところがどうだ。少女は無傷で、ナナリのタクトはむしろ傷が癒えているようにさえ見える。
もちろん、まともに動けず虫の息にも等しいのは変わらないが、明らかに傷が減っていた。
「がはっ!」
胸に受けた傷がまたしても血を吐かせる。
自らの血の赤が忌々しさを増幅した。
この傷の痛みを、ナナリのタクトはなかったことにしてしまったのではないか。それは不公平というものではないか! 壁に縋り、何とか立ち続けながら歯ぎしりをした。
そして小さな爆発をすぐそばで起こした。
お気に入りの美少女が自分の命を狙っていたからだ。彼女は小さな悲鳴を上げて吹き飛んだ。次にはさっき吹き飛ばした大柄の少年が斬りかかってきたが、ここは敢えて拳で返して男としての格の違いを見せつけてやった。
「レヴァンニ!」
「くそったれ!」
それはこっちのセリフだと思った。だが、矜持にかけて品位にもとるセリフなど吐きはしない。そして今注目すべきは彼らではない。突如現れた黒髪の少女だ。
「そこの女の子は……すぐにこの場を離れなさい。女性を傷つけることは私の性に合わん」
「いや!」
その少女はナナリのタクトをかばう姿勢を見せた。
「そうか……残念だ」
アキームは敢えて誰にもわかるように魔法を使う態勢をとる。
「エミリ……逃げ……」
言いかけて卓人はやめた。
それで果たしてエミリは逃げてくれるだろうか。言って聞く子ならこんな危険なところへきたりはしない。この子は大切なお兄ちゃんを守るためなら命だってかけてしまうだろう。
他人だからこそそれがわかる。
説得に無駄な時間をかけるのは敵に攻撃の機会を与えるだけだ。ここで善人ぶることに何の活路もない。だったら賭けに出たほうがましだ。
「エミリ……冷却の魔法だ……」
爆発の魔法の難を逃れたものの、肉体は深く傷ついて動かないに等しい。卓人は絞り出すように声を出し、小麦粉の入った紙球をその前に放った。
「あそこに……」
「うん」
アキームはその行動が罠ではないかと考えた。しかし、どちらにしても爆発の魔法で吹き飛ばしてしまえば関係ない。
「少女よ、今一度言う。きみを殺すつもりはない。すぐにその場を離れなさい」
エミリは答えなかった。ただ一心に、兄を信じて冷却の魔法を使った。
「見事な決意だ」
アキームは爆発の魔法を放った。
レヴァンニもルイザも、もはやいかなる行動も及ばない。間に合うとすれば、起こるべき惨事に一瞬でもいいので目をそらすことだけだった。
「…………?」
しかし、何かがおかしかった。
――熱が蓄積しない?
二人の人間を粉微塵にするだけの熱量と圧縮率がどの程度のものかはわかっている。しかしこれでは一人どころか石ころを弾き飛ばして終わりである。
『なぜだ?』
アキームはさらに熱を流入させる。だが注入した分、熱はどこかへ拡散されてしまう。
百戦錬磨のこの男にして、このような経験は初めてであった。
しかし初めての経験をしたことは初めてではない。戦場では想定外が必ず起こるが、それらをすべて乗り切ってきたからこそ現在があり、地位があるのだ。
そしてそれを乗り切らせてきたのが、彼の恃みとする爆発の魔法であった。
思うがままにならぬこの状況において、アキームはただただエネルギーを注ぎ込むことにのみ意識を奪われることとなった。
卓人は爆発の魔法の理論について、ある仮説を導いていた。
火の魔法は熱を集めて発火させるが即座に拡散してしまう。これに風の魔法で必要なエーテルを組み合わせれば集めた熱を閉じ込めて拡散を防ぐことができる。巨大な炎の魔法はこの技術によってなされている。このエーテルをさらに短時間で圧縮すると、エネルギー密度は極めて大きくなり、エーテルを解放した瞬間に凄まじい運動エネルギーと熱エネルギーを伴って周囲の空気を押しのけ、吹き飛ばす。
おそらくこれが爆発の魔法の正体である。この仮説に基づき、エミリに冷却の魔法でエーテル内に閉じ込めた熱を拡散させていけば爆発を封じることができるはずだ。
しかし問題点はあった。
アキームがどこに座標を定めて爆発の魔法を放つのかがわからないということだ。爆発のエネルギーが貯め込まれていく座標に冷却の魔法をかけなければ意味がない。
だから卓人は無意味な紙球を敢えて目につくように投げ出した。
エミリにわかりやすくするためだけではない。
爆発の魔法をここに照準として定めさせるためである。
この数分のやり取りで何度も紙球に意識を向けさせしめられたアキームは、この段階において無関係と思いつつもその潜在意識は確かにそこに誘導された。そして卓人の意図したとおり、小麦粉の入った紙球に爆発の魔法の照準を定めてしまっていた。
アキームが爆発の魔法使いとして名を上げることができたのは、魔法の発動から殺傷可能な爆発までにわずかな時間しか要しない、すなわちエネルギー注入の速さにある。それと同等の速さでエネルギーを拡散させるエミリの冷却魔法もまた尋常でないことになる。
もし何かが間違っていたなら、確実に二人とも粉微塵に吹き飛ばされていた。
「ぐぬうううううう!」
ここで弱みは見せられなかった。アキームは意識を爆発の魔法に集中した。
しかし、熱を込めると同時に拡散される。
奇妙な循環はいつしか振動を生み出し、松明の炎は奇妙な揺らめきをし始めた。しかしその現象にさえ……いやさ、レヴァンニとルイザが示し合わせていたことにさえも気づかないほどにアキームは意識を釘付けにされてしまっていた。
それが命取りとなった。
「ぐわあああああああ!」
アキームの隙をつき、レヴァンニが灼熱の炎を、ルイザが雷撃を繰り出した。
まともに食らったアキームはほとんど消し炭のようになって倒れた。
「ふぅ、今度はまともに魔法ができたぜ」
レヴァンニは安堵のため息をついた。
先ほど彼の炎の魔法が大きくならなかったのは、貯まった熱をアキームが奪って爆発の魔法にしたからである。暗いからと松明を点けたのも爆発の魔法のエネルギーを得るためである。爆発の魔法は周囲に大きな熱源がなければならない。
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