わたしのあしながおじさん…?

ひふみ しごろく

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序章

序文

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グリーンゲイブルズ孤児院の朝は早い。
ジュディは18歳。毎週やってくる里親の目にとまることもなく気がつけば最年長だった。
彼女の選択肢は2つ。

今日、誰かの目にとまる。
残念、生涯ここで働き続ける。

もちろんジュディは孤児院を出たかった。
みんなのことは好きだし孤児院に愛着はあるが、アンジェル院長は嫌いだった。
なによりも外の世界を知りたかった。

***

時は2022年。
発達したVR技術は迫力あるゲーム、現実の体験と錯覚してしまう映画を生み出した。
そして技術は誰にでも扱えるソフトウェア化され個人でも没入感ある疑似体験づくりを可能とした。

性的な疑似体験。

もっとも発達したジャンルである。
VRであればどのような体験も現実の肉体を損なわない。
抑え込んでいた欲求を開放するに最も適したな扉が開けられた。

様々な企業があらゆるサービスを提供する中、カップル間で最も流行した遊び。
それは個人制作のゲームだった。

ゲーム。
ジャンルとしてはRPGだろうか。
役割を、演じる、ゲームである。

「VR-RPG建設」と名付けられた簡易なゲーム制作アプリが火付け役となって瞬く間に、アングラに拡散した。
男性は喜々として彼女に現実ではできない妄想をゲーム化しプレイさせたのだった。

例をあげてほしい?

では、あなたの妄想をひとつ教えてくれないだろうか。
それが実例だ。
内容はふたりだけの秘密である。

***

”うーん、これはタイトル通りあしながおじさんのオマージュね。私はこの最後のチャンスであしながおじさんに拾われて学校に通い、最後は運命の人と結ばれる。そんな展開かしら”

ジュディは状況を理解した。
彼は凝り性なので、状況設定をしっかり固めてくる。
今回は近代のアメリカっぽい舞台ね。だから私の名前も”ジュディ”。
OKOK.

このVRシステムには体験者が「離脱」と思えば終了する安全装置が備わっている。
様々な事件の経験から取り付けられたものだ。
何度か試して実際に動作することも確かめている。
だから私は彼の…その…エロい妄想で満たされたこのVRゲームを楽しむことができる。

さぁ、今まで一度もピックアップされなかった水曜日がくるわ。
今日は最後のチャンス。ジュディ、気合を入れて!
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