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告白
①
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「……はぁ!?」
たっぷりの間のあと、僕は間抜けな声を上げた。
「セルジュ様は勇者様を妃としてお迎えしたいと仰せです」
「ええええ!? 妃って、僕は男ですが?」
「呼び方は好きに変えていただいて構いません。要は伴侶として勇者様と番いたいとお望みでして」
慌ててセルジュに視線を向ければ、彼は甘い笑みを浮かべ流れるような仕草で僕の顎に手をかける。
そのまま、ちゅと口付けられ、僕は呆けた。
「本当は魔聖対戦に勝ってプロポーズしたかったから予定が少々狂ったけどな。もちろん諦めるつもりはなかったぞ。何年かかっても口説き落とすつもりだった。けど、お前は死にかけるし、いてもたってもいられなくなった」
「ほ、本気なのか? ぼ、僕は男だから子を産めないんだぞ」
「魔王は世襲制じゃない。俺じゃなくとも強い魔力の子は作れる。だからって性行為をしないつもりはないけどな」
「おい!」
僕は顔を火照らせてセルジュの口を塞ぐ。その掌をペロンと舐められ、僕はひょえっと叫んだ。
「なんて声を出すんだ可愛い奴め。早くベッドの上で啼かせたいぞ。散々に責めて蕩けさせてやるから覚悟しろ」
セルジュは卒倒しそうな色気を纏い、腰が砕けそうな美声で囁く。僕の腰に手を回し、首を甘噛みした。
「セルジュ様、はしたない。勇者様がお困りですよ」
アリシアが窘めるも、セルジュはべったりと僕に張り付いて離れない。
僕は激しく混乱し、言葉を発することもできずに固まった。
やがて、わざと聞かせるように大きなため息をつくと、アリシアは見事な脚線美を描く足を組む。そうして、僕にせっせとマーキングするセルジュに冷たい視線を向けた。
「だいだい、勇者様の気持ちはどうなるんです? 貴方は魔国の王なんですからね。権力を笠に着て契約しろと迫られては大概の者は断れない。つまり、脅迫ですよ」
セルジュはバッと顔を上げ、僕の頬を両手で挟む。真紅の瞳を見開き僕に詰め寄った。
「まさかお前、俺よりあの租チン野郎の方がいいとか抜かしやがらねぇよな? それとも、今更ラフラ王女と連れ添うとか言わねぇよな!」
僕はセルジュの形相に怯えつつ答える。
「バーノンはあり得ないけど、そういえば、ラフラ王女とはまだ婚約中だね」
「アリシア、直ぐに手を回してラフラ王女とオリバーの婚約を破棄させろ」
「そういう問題じゃないんですよ。単細胞魔王」
「じゃあ! いますぐ既成事実を作るぞ!」
セルジュは僕の腕を掴んで立ち上がる。ぐいぐいと引っ張られるが、僕も必死で抵抗した。
「ちょっと待て、セルジュ、なにを言ってる」
「そうですよ! なんでそうなるんですか。この脳筋魔王!」
叱りつけるアリシアに向かい、セルジュは地団太を踏んで訴えた。
「だって、俺はオリバーじゃないと駄目なんだ! オリバー以上に可愛いやつはいないし、オリバーにしかムラムラしないし! つうか、ずっと我慢していたから早くヤりたい!」
セルジュの大声は執務室に響き渡り、アリシアと僕はその残響に耳を塞いだ。
たっぷりの間のあと、僕は間抜けな声を上げた。
「セルジュ様は勇者様を妃としてお迎えしたいと仰せです」
「ええええ!? 妃って、僕は男ですが?」
「呼び方は好きに変えていただいて構いません。要は伴侶として勇者様と番いたいとお望みでして」
慌ててセルジュに視線を向ければ、彼は甘い笑みを浮かべ流れるような仕草で僕の顎に手をかける。
そのまま、ちゅと口付けられ、僕は呆けた。
「本当は魔聖対戦に勝ってプロポーズしたかったから予定が少々狂ったけどな。もちろん諦めるつもりはなかったぞ。何年かかっても口説き落とすつもりだった。けど、お前は死にかけるし、いてもたってもいられなくなった」
「ほ、本気なのか? ぼ、僕は男だから子を産めないんだぞ」
「魔王は世襲制じゃない。俺じゃなくとも強い魔力の子は作れる。だからって性行為をしないつもりはないけどな」
「おい!」
僕は顔を火照らせてセルジュの口を塞ぐ。その掌をペロンと舐められ、僕はひょえっと叫んだ。
「なんて声を出すんだ可愛い奴め。早くベッドの上で啼かせたいぞ。散々に責めて蕩けさせてやるから覚悟しろ」
セルジュは卒倒しそうな色気を纏い、腰が砕けそうな美声で囁く。僕の腰に手を回し、首を甘噛みした。
「セルジュ様、はしたない。勇者様がお困りですよ」
アリシアが窘めるも、セルジュはべったりと僕に張り付いて離れない。
僕は激しく混乱し、言葉を発することもできずに固まった。
やがて、わざと聞かせるように大きなため息をつくと、アリシアは見事な脚線美を描く足を組む。そうして、僕にせっせとマーキングするセルジュに冷たい視線を向けた。
「だいだい、勇者様の気持ちはどうなるんです? 貴方は魔国の王なんですからね。権力を笠に着て契約しろと迫られては大概の者は断れない。つまり、脅迫ですよ」
セルジュはバッと顔を上げ、僕の頬を両手で挟む。真紅の瞳を見開き僕に詰め寄った。
「まさかお前、俺よりあの租チン野郎の方がいいとか抜かしやがらねぇよな? それとも、今更ラフラ王女と連れ添うとか言わねぇよな!」
僕はセルジュの形相に怯えつつ答える。
「バーノンはあり得ないけど、そういえば、ラフラ王女とはまだ婚約中だね」
「アリシア、直ぐに手を回してラフラ王女とオリバーの婚約を破棄させろ」
「そういう問題じゃないんですよ。単細胞魔王」
「じゃあ! いますぐ既成事実を作るぞ!」
セルジュは僕の腕を掴んで立ち上がる。ぐいぐいと引っ張られるが、僕も必死で抵抗した。
「ちょっと待て、セルジュ、なにを言ってる」
「そうですよ! なんでそうなるんですか。この脳筋魔王!」
叱りつけるアリシアに向かい、セルジュは地団太を踏んで訴えた。
「だって、俺はオリバーじゃないと駄目なんだ! オリバー以上に可愛いやつはいないし、オリバーにしかムラムラしないし! つうか、ずっと我慢していたから早くヤりたい!」
セルジュの大声は執務室に響き渡り、アリシアと僕はその残響に耳を塞いだ。
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