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スピンオフ:【マルコの初恋】柔らかな感触と劣情(18R)
お堅い部下
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その姿をしばし見送って、マルコは先程の会話を思い返していた。
あのリズデが好きになる男とはどんな人物なのだろう。全く想像がつかない。
そういえば長く一緒にいるが、リズデのプライベートに関してはほとんど知らない。
一方、マルコは自分の生い立ちから恋愛事情まで、酔いに任せてとはいえ、随分赤裸々に語ってきた気がする。
どんな話題でも顔色を一切変えず淡々と感想を言い、時には鋭く真意を突くリズデに甘えてしまっていたことに気付き、マルコは思わず顔を覆った。
若くして外交大臣という要職に抜擢され、人心掌握に長けて先見の明あり、容姿端麗と持て囃されるマルコだが、実は、末端貴族の末っ子という身分からのしあがった苦労人でもある。
基本的に人は信用していないし、仮面を被り常に損益を計算する腹黒い性格であることは自覚している。
女性に関してもそうだ。
その美貌に寄ってくる蝶々らを上手く利用してきた。
そのせいで、傍らに女性がいると、ついつい口説いてしまう癖がついてしまったのだが、リズデにはその癖が発動しない。
マルコは改めてリズデという人物について考えてみる。
交遊関係は広くはないが、変人と敬遠されている割には嫌われてはいない。
いつも青白い顔をして、唇にも色味がない。
しかし、身形に気を遣わないとはいえ、決して不潔な訳ではない。
いつも良い匂いがする…女性が好んでつける甘いコロンの香りではなく、微かで爽やかな中性的な香りだ。
確か、自分でブレンドしたハーブオイルをつけていると話していた。
爪はきちんと切り揃えられているし、長めの袖から覗く指先はピンクで血色が良い…
ん?マルコは何かに引っ掛かったが、カウンターの向こうから掛けられた声に思考を中断させられた。
「ヴォクシー様、ちょっとよろしいですか?」
見慣れたバーテンダーが心配そうな表情を浮かべてマルコを見ていた。
「どうした?」
「先程お連れの方が店を出られた後、それを追うように出ていった方がおられまして」
マルコは眉をひそめた。
「実は、店にいる間もお二人の様子をちらちらと窺っているようにも見えたのです。気のせいなら良いのですが…」
マルコは礼を言うと、懐から紙幣を取り出しカウンターに置いて立ち上がった。
ここいらは、騎士団も巡回している比較的治安の良い区域だが…やはり、1人で帰らせるべきではなかった。
マルコは胸騒ぎを抱えながら、足早に店を飛び出した。
あのリズデが好きになる男とはどんな人物なのだろう。全く想像がつかない。
そういえば長く一緒にいるが、リズデのプライベートに関してはほとんど知らない。
一方、マルコは自分の生い立ちから恋愛事情まで、酔いに任せてとはいえ、随分赤裸々に語ってきた気がする。
どんな話題でも顔色を一切変えず淡々と感想を言い、時には鋭く真意を突くリズデに甘えてしまっていたことに気付き、マルコは思わず顔を覆った。
若くして外交大臣という要職に抜擢され、人心掌握に長けて先見の明あり、容姿端麗と持て囃されるマルコだが、実は、末端貴族の末っ子という身分からのしあがった苦労人でもある。
基本的に人は信用していないし、仮面を被り常に損益を計算する腹黒い性格であることは自覚している。
女性に関してもそうだ。
その美貌に寄ってくる蝶々らを上手く利用してきた。
そのせいで、傍らに女性がいると、ついつい口説いてしまう癖がついてしまったのだが、リズデにはその癖が発動しない。
マルコは改めてリズデという人物について考えてみる。
交遊関係は広くはないが、変人と敬遠されている割には嫌われてはいない。
いつも青白い顔をして、唇にも色味がない。
しかし、身形に気を遣わないとはいえ、決して不潔な訳ではない。
いつも良い匂いがする…女性が好んでつける甘いコロンの香りではなく、微かで爽やかな中性的な香りだ。
確か、自分でブレンドしたハーブオイルをつけていると話していた。
爪はきちんと切り揃えられているし、長めの袖から覗く指先はピンクで血色が良い…
ん?マルコは何かに引っ掛かったが、カウンターの向こうから掛けられた声に思考を中断させられた。
「ヴォクシー様、ちょっとよろしいですか?」
見慣れたバーテンダーが心配そうな表情を浮かべてマルコを見ていた。
「どうした?」
「先程お連れの方が店を出られた後、それを追うように出ていった方がおられまして」
マルコは眉をひそめた。
「実は、店にいる間もお二人の様子をちらちらと窺っているようにも見えたのです。気のせいなら良いのですが…」
マルコは礼を言うと、懐から紙幣を取り出しカウンターに置いて立ち上がった。
ここいらは、騎士団も巡回している比較的治安の良い区域だが…やはり、1人で帰らせるべきではなかった。
マルコは胸騒ぎを抱えながら、足早に店を飛び出した。
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